集刊 仙波隆綱V2
本レビューで対象とする精通度:★★★★★
(本サイト、及び、本作を含む各書籍に精通)
所要時間:約3分(最低限) or 約5分(たっぷり) or 約12分(全て)
「集刊 仙波隆綱V2」は、仙波氏がタイトー退社後に手掛けた漫画やイラスト等を中心に収録した自費出版本です。[ソース元1]
noteで公開(一部有料)されているナハトイエガー、漫画マッシュルームきのこ最新話。[ソース元1] [同2] [同3]
カイザーナックルCDではモノクロかつキャラ絵に隠れていた、タロットイラストのうち2枚のカラー全体像。[ソース元1]
ベーマガ、ゲーメスト向けのガンフロンティア(ゲーム)描き下ろしイラストほか、漫画メタルブラック第1話。
ブラックフライ(ヒストリカ)用に描き下ろされた設計図と注釈。その他、社会問題提起マンガ数作+αほかイラスト。[ソース元1]
以上を表紙ふくむ100ページに収録して300部の限定販売です。個人情報を送り1冊3300+370円、又はメルカリで1冊4000円です。
うち前者で2冊以上、買うと仙波氏のサインを貰えます。どんな形であれ新作が欲しい方は挙って買いましょう。[ソース元1] [同2]
↓タロットはボギー(カイザー)とJ・マッコイ(カイザー)の物とのこと。
目次
最低限の文章で済ませたい方には「★」の項目のみ、たっぷり読みたい方には「☆」の項目も追加で読んで頂ければ幸いです。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、ぜひ末尾が空欄の項目も読んで下さい。
目次より先に読んで頂いた項目です。
収録された作品から、いかに1990〜2000年代から今に至る文化が見えるか考察します。
収録作の被りを踏まえ、よりタイムカプセルとして学びの価値を高める個人的な願望を記します。
これまでの解説から、本作がどんな内容で、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。
文字通り、本作に関する、個人的な思い出話です。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
集刊 仙波隆綱V2の魅力は前述のタイトー関連だけでなく、他の社会派マンガからも商業作品と違う角度で時代を振り返れます。
幼児教育の大切さと子供の本来あるべき姿とのジレンマに悩みつつも奮闘し初対面で、あらぬ好意を向けられる幼稚園の先生。
彼女らを描く漫画「マッシュルームきのこ」は、恐らく1992年当時の幼児教育を見直す議論などを踏まえて描かれた筈。[ソース元1]
太郎次郎社「月刊ひと」情報開示請求<情報開示への道>は、1982年から同制度が広まりつつある時代の漫画です。[ソース元1]
また若い女性目線の大切さを問う漫画、子ども目線で我が子と向き合う漫画、結果マイナンバーの矛盾を皮肉る住基ネット漫画。
良くも悪くも、1980年代から今に通じるシステムや倫理へと変わろうとした時代を見直すタイムカプセル、それが集仙V2なのです。
仮に、それらにピンと来なくとも目玉の漫画メタルブラックを筆頭に仙波氏の多彩な芸風や緻密な劇画で十分、元が取れましょう。
↓現代の感覚では「女性の〜」がセクハラになるのだろうか?
時代を見直すタイムカプセルと集刊 仙波隆綱V2を評しましたが、より深く学び取るには、ほぼコラムの類がない点が惜しいです。
具体的には作品にまつわる当時の時代背景、仙波氏が置かれた状況、制作や各クライアントのエピソード等が欲しい所です。
一応、最後のページに一部を除く作品ごとの簡単なコメント数行分はありますが、それを以て教養を学び取るのは難しいでしょう。
まして漫画マッシュルームきのこ2話はnoteで読めるので、その分の16ページで色々と書けたのではないでしょうか。[ソース元1]
初代の集刊 仙波隆綱にあったとされるコラム等を敢えて削ったのは、恐らく1作でも多く収録したい仙波氏の意向と思われます。
結果、1冊の本としてのテーマが見え辛くなり熱心な仙波ファンにしか響かず、響いたファンは「きのこ」2話の被りを、どう思うやら。
もし新作を出すならコラム等で学びの価値を高めるか、メタルブラック特集とする等して明確なテーマで唸らせて欲しいです。
↓とは言えweb漫画を紙にする価値がある点も事実。
集刊 仙波隆綱V2の魅力は前述のタイトー関連だけでなく、他の社会派マンガからも商業作品と違う角度で時代を振り返れます。
親や幼稚園の先生による幼児教育、情報開示請求、若い女性目線、そして住基ネットと、いずれも1990〜2000年代の作品です。
よって良くも悪くも、1980年代から今に通じるシステムや倫理へと変わろうとした時代を見直すタイムカプセルとも言えるのです。
一方でコラムの類は一部を除く作品ごとの簡単なコメント数行分が主で、より深く教養を学び取るには物足りない面もあります。
また1冊の本としてのテーマが見え辛く、ならば熱心な仙波ファン向けとするにはnoteで読める漫画の存在に困惑を禁じ得ません。
それでも目玉の漫画メタルブラックから他の社会派マンガまで、仙波氏の多彩な芸風や緻密な劇画で十分、元が取れましょう。
以上より、本作はタイトー退社後の仙波氏の活動を知りたい、より1990〜2000年代の文化を知りたい方にオススメです。
↓逆シャア等で培った迫力の作画を刮目せよ。
集刊 仙波隆綱V2の前から各種インタビューやブログ、noteで仙波氏の動向を追った所、そのゲーム論に目を引かれました。
それを機に、やり取りをさせて頂いた事で、常にニュース等を見て一般常識を養い続ける事の大切さに気付く事が出来ました。
つまり今日の常識は明日の非常識、目まぐるしく変化していくシステムや科学の見地、倫理観を追わねば時代に取り残される…。
常にニュース等を見る親でさえ出来なかった、その意義を的確に気付かせて下さった点に感動し、恩返しをしたいと考えました。
時を同じくして有料noteや集仙V2が出ると聞き、恩返しの機会が訪れたと思いましたが、いざ購入には長い時間が掛かりました。
いま僕が使う銀行口座では手数料が掛かり、それを浮かすには新たに、ゆうちょ口座が必要ですが多忙で作りに行く暇がなくて。
互いに紆余曲折を経て2冊、買った時に、ある事を報告する仙波氏の直筆のメモが添えられて、ちょっぴり嬉しくなった物です。
↓サインでメッセージも書いて下さるかも知れないし、そうでないかも知れない。
ただ、失敗した事があります。仙波隆綱公式ブログという人様の場で、「ゲーム脳」理論を「似非科学」と言ってしまった事です。
事の発端は最初の、やり取りです。「ゲーム脳」理論を差し置いて科学的にプラス云々はeスポーツの利権がらみじゃないかな?
などと仙波氏に言われた時、ゲーム側の意識改革も合わせて10年前に否定されてますよ、と堂々と指摘すべきか迷ったのです。
それで似非科学と濁してしまいました。次にダイオキシン研究と絡めて「ゲーム脳」理論が被害者かの様に仰った事も発端です。
いかに「ゲーム脳」理論が各方面を侮辱してきた加害者で、その反動で今ゲームは良くない、とする研究が注目され難いのでは?
こう僕が力説した後、他の方々のコメントも読んで我に返り謝罪して2冊、集仙V2を買っても仙波氏に許して貰えなかった様です。
現X進出に代わる集仙V2販促の手段を僕が提案した事で、とうとう積もりに積もった爆弾が炸裂する事態となってしまったのです。
僕は8,000円くらい出した味方の筈なのに何故いま関係ない、その話を…?僕は僕で一連の対応には長く、腹に据えかねました。
↓以上は僕の誤解や思い込み、無知だったと半年、気付けなかった。
そんな事があって、なぜ集刊 仙波隆綱V2を紹介するかと言うと、直前に仙波氏が僕を頼りにしている、と仰って下さった為です。
それは冗談だったか本気だったか?この紹介で売上が伸びるか逆効果になるか?僕には分かりませんが応えさせて頂きました。
最初は後ろめたさや抵抗もありましたが、これは気持ちの整理を付ける良い機会で自分の為だ、と決心を固められました。
あとネット世代にありがちな正当化かも知れませんが、「ゲーム脳」理論に関する論破にも、それなりの意義があったと思います。
僕は仙波氏の主張の多くに、よく唸らされておりますが、どうしようもない輩だろうと人を「ゲーム脳」と称すのが引っ掛かりました。
本当にゲーム脳なら、お手玉で治るでしょう…。それは、ともかく「ゲーム脳」という単語の見解がハッキリしないと感じていました。
このままでは「人権ない」発言した某・元プロゲーマーと同じ事になる…との想いが全くなかった訳ではない、と言い訳いたします。
結果ゲーム脳と書かなくなった点は、今後の活動にプラスと僕は信じております。これまで失礼な事を書き、申し訳ございません。
↓全てを知った上で、あえて書くのは自由ですが(画像は「いらすとや」より引用)。
そろそろ集刊 仙波隆綱V2自体の感想を書きます。特に気に入ったのは「親子の対話」、「小さな物語」、「A子と住基ネット」です。
かつて僕は介護士をやっていた時期と、それをCAEBVで辞めてから発達障害者むけプログラムを受けた時期があります。
その、いずれでも親子の対話と同じ様な姿勢が大事だ、と教わった物ですが、僕の幼少期から既にある見識と知って驚きました。
小さな物語は仙波氏も認めるロストテクノロジーと化した緻密な劇画イラストと、添えられた詩的な短文が印象に残っています。
A子と住基ネットで、当時よく分かっていなかった住基ネットすげー、今のマイナンバーは爪の垢せんじて飲め、と思いました。
あとマッシュルームきのこ2話からメタルブラック味を感じ。個々のクオリティは高い反面、どの層に向けて売っているんだろう、と。
良く言えばバラエティ豊か、悪く言えば方向がバラバラで幅広い層を狙っている様で、どの層にも響かない傾向はあると思います。
僕は仙波氏に次を出して欲しい、と申した手前、最低でも次は買いますが、それ以降も気持ちよく買えるかはコラム次第ですね。
↓かっこいいメカ、ユーモア、癒し。これらイラストの話も読みたかった。
・タイトーマイルストーン2
アケアカ8作を安く収録したオムニバスです。うち4作がメタルブラックなど仙波隆綱がタイトー在籍中に深く関わったゲームです。
仙波氏が深く関わったゲームの1つ「ダライアスII」において、やられた時でもノーコンクリアできるコツを6通りに分けて紹介します。
・WANTED!尾田栄一郎短編集
ワンピース作者が若かりし頃に描いた読み切り漫画5作のオムニバスです。1作1ページのコラムと共に、ルーツを学び取れます。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
「ロケテストもどき」とは本サイトにおいて、ゲリラ的に期間限定で制作途中のコンテンツを公開する事です。
完成後、第3週目の土曜日か末日までに正式公開する予定ですが、その前の転載を禁止させて頂いております。ご了承ください。
ロケテ時点で思い出話も含めて、ほぼ完成させ、その最中に削除要望も受け付けていた点は、本サイトとしては極めて異例です。
絶賛ばかりでない故、特に思い出話の自主削除も考えましたが読む方に同じ失敗をして欲しくないと思い、あえて残しました。
漫画メタルブラックでなく社会派マンガを推したのは現Xとの差別化と、VGF掲示板でビックリした、との感想が寄せられた為です。
本レビューに掲載した画像は、ほぼ仙波隆綱公式ブログやnote無料分の範囲です。問題ならばVGF掲示板へ、お知らせ下さい。
2/7では現・太郎次郎社エディタスの紹介をする予定でしたが、社会派マンガ以外の良さを書くにあたり尺の都合でカットしました。
8月11日、「平謝り」という文面も含め仙波様より直々に事情や思いの丈を語って頂けたので、誤解なきよう一文を差し替えました。
2024/08/11 一部の文章を差し替え
2024/07/15 正式公開
2024/07/01〜04 ロケテストもどき実施
2024/06/30 ロケテストもどき実施