タイムクライシス2
メーカー | ナムコ |
対応機種 | プレイステーション2ほか |
ジャンル | ガンシューティング |
目次
最低限ここだけでも読んで頂きたい項目や、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には、それぞれ末尾に「★」または「☆」が付いています。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、末尾が空欄の項目も是非読んで下さい。
タイクラ2の概要を解説します。
初代タイクラから、いかにプレイヤーに遊びやすく改善されたか解説します。
2人プレイのために画面が2つになった恩恵を解説します。
タイクラ2にて、より進化した演出と、その影響を解説します。
初代タイクラのタイムに代わって新たな腕前の指標となったスコア。これを稼ぐ魅力について解説します。
PS2版の追加要素や「ガンコン2」について解説します。
これまでの解説を踏まえ、タイクラ2がどんなゲームで、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。
文字通り、タイクラ2に関する、個人的な思い出話です。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
「タイムクライシス2(以下「タイクラ2」)」は、ナムコがアーケードで1998年にシリーズ第2弾として稼働したガンシューティングです。
前作である初代タイクラは、撃つことが全てで厳しかったガンシューに「隠れる」という防御の要素を加えたことで厳しさを格段に緩和し、人気を博しました。
ところが、ルール的に初代の時点では、まだまだプレイヤーに厳しい部類に入っていたのも事実でした。
そこでタイクラ2は、そうした厳しさの改善を初め、画面を2つ使った大掛かりな2人同時プレイ、そしてより奥の深いスコアシステムの導入など、初代から劇的な進化を果たしました。
そのため、月刊アルカディアのインカムランキングに2002年まで顔を出したと言われるほどのロングヒットを記録し、シリーズの人気を定着させるに至りました。
2001年に発売されたPS2版は、グラフィックがより綺麗になっただけでなく、ミニゲームなどの豊富なオマケ要素が追加されるなど、更なる進化を果たしています。
↓タイクラは2以降、ハリウッド映画的路線へと進んでいく。
初代からの主な改善点は3点あります。
第1の改善点は、命中弾が赤く光るようになった点です。
初代の場合、命中弾であろうとそうでなかろうと見かけは全く同じであるため、命中弾をあまり撃たない青兵に命中弾を撃たれると回避はほぼ不可能でした。
好意的に見れば、このルールであってこその緊張感も確かにあるのですが、自力では対処のしようがなく運任せである点は、特に上級者からは嫌われる要因でした。
そこで、タイクラ2では命中弾が赤く光るよう改善されたため、反応さえ遅れなければ青兵の不意討ちも回避できるようになったのです。
これにより、初代と比較して見えない命中弾にビクつくことなく進んで敵を撃ちにいける気持ち良さや、敵の命中弾を見切って避けるカタルシスが大きく強化されています。
設定的に赤く光るのはどうなんだ、という突っ込みはさておき、こうした気持ち良さやカタルシスは、まさしくシューティングゲームならではです。
↓光らない弾は、ただの弾だ。
第2の改善点は、制限時間の厳しさの緩和です。
初代の場合、残り時間は最大60秒までストックされますが、0になれば、それまで全くダメージを受けていなくても即ゲームオーバーとなるルールでした。
にも関わらず、次のエリアへ進んでも残り時間が完全に回復する訳ではない上に、移動中の待ち時間でも減る、という厳しさでした。
このルールこそが「タイムクライシス」たる所以でしたが、じっくり隠れたくても隠れられないジレンマが、初心者を悩ませるポイントでもありました。
そこで、タイクラ2では最大40秒となった代わりに、下記3種類の改善が施されました。
(1)次のエリアへ移動するたびに40秒まで完全回復つまり、初代では時間的に取り辛かった、敵の攻撃が止むまで隠れる戦法を存分に取り続けられるようになりました。
そのため、従来のガンシューより優しかった初代よりも、さらに優しくなったのです。
↓普通にプレイして時間切れになるケースは、まずないだろう。
最後に、ライフ回復ルールの廃止、及び、初期設定のライフ増加です。
初代の場合、ライフが3つしかなく、40発連続ヒットでライフが1つ回復するルールでしたが、経験上それを成功させるのは至難の業で、ほとんど意味がありませんでした。
その上、30発くらいでライフが半透明で表示されるようになるため、無用なプレッシャーや外した時のガッカリ感まで生じてしまい、プレイの妨げにもなりうる始末でした。
そこで、タイクラ2ではライフ回復ルールを廃止され、代わりに初期設定のライフを4つに増やされました。
初代で難なくライフ回復できていた方を除けば、命中弾や時間のルール改善も合わせて、よりライフにも余裕を持ってゲームに臨めるようになった、といえます。
↓実質、初代のライフ回復ルールより有難い。
以上より、タイクラ2は命中弾が見えるようになり、時間も緩くなり、ついでにライフも1つ増えたため、初代と比べて格段に遊びやすくなっています。
一方で、初代が持っていた厳しい制限時間と見えない命中弾に対して、いかに上手く時間を遣り繰りするか、といったシビアな戦略性は薄れてしまった感は否めません。
にも関わらず今なおタイクラ2がシリーズの中でも1、2を争う支持を得ています。
その理由は、プレイヤーがタイクラに求めていたものが、時間の遣り繰り等といった小難しさよりも単純な「撃って隠れる」気持ち良さだったため、ではないでしょうか。
↓もちろん、「撃って隠れる」気持ち良さは格段にアップ。
初代タイクラは、当時のガンシューとしては珍しい1人プレイ専用のゲームでした。
その理由は、下記2種類の例のようにタイクラの「隠れる」システムと1画面での2人プレイの両立が、当時としてはかなりの難題であったため、と考えられます。
(1)2P側は攻撃専門 → 隠れられるのは1Pだけ → 2Pには面白くないまして、ナムコには過去に「イシターの復活」や「ラッキー&ワイルド」などで、(1)と似たようなタイプの2人同時プレイを搭載して失敗した苦い経験があります。
以上が、初代タイクラが1人専用となった理由と考えられますが、2人でワイワイ楽しめる他のガンシューを相手にするには、あまりに大きなハンデでした。
言うまでもなく、2人同時プレイをしてもらえれば、1人プレイの2倍以上もの儲けが見込めるため、タイクラ2の開発では2人同時プレイの実現が至上命題であったはずです。
↓ちなみにPS2版では(1)がオマケで実現。
前置きが長くなりましたが、タイクラ2にて「隠れる」システムを損なうことなく2人同時プレイを実現するために、何と画面を2つ用意する、という大胆な策に出ています。
単に画面が2つあるだけならレースゲームを筆頭に、さほど珍しくありませんが、タイクラ2にはデラックス筐体というレースには珍しい豪華版があります。
そちらの場合、4:3の50インチという大画面のモニターが2つ並ぶため、ゲームセンターに置かれた時のインパクトは他のレースやガンシュー等とは一線を画していました。
当時の一般的な業務用ブラウン管が29インチで、家庭用に至っては14〜21インチが主流であったとされる点からも、いかに凄まじいインパクトであったかが伺えます。
余談ですが、アーケード版では既に誰かが1人でプレイしていても、それが単独モードである間は、もう片方の画面で1人プレイが出来るようになっています。
つまり、タイクラ2には1画面の他のガンシューと比べて、1人プレイでも2台分の回転率を誇る、という商売的なアドバンテージもあるのです。
↓家庭用では4分の1の画面サイズになるのがネック。
閑話休題。 タイクラ2の2人同時プレイ実現の恩恵は、ただ単に2人で遊べるようになっただけではなく、1人プレイにおいても2種類あります。
第1の恩恵は、敵の攻撃が分散する点です。
プレイヤー側は2人いて、二手に分かれて攻撃に移る設定であるため、敵側もそれに合わせて攻撃を二手に分けてきます。
となると、プレイヤーからすると、相方を狙っている敵は実質ただの的となるため、それだけ敵の攻撃が緩くなり、急いで倒さねばならない敵の数が少なくて済む訳です。
もちろん腕に自信がなくても、2人プレイで上級者に敵を倒してもらえば良いので、全てを1人で何とかする必要があった初代よりも格段に馴染みやすくなった、といえます。
↓こちらを狙っている敵を優先して倒すのだ。
第2の恩恵は、ルート分岐によりボリュームが増加した点です。
プレイヤーが二手に分かれる以上、1P側と2P側とでは進行ルートが異なるため、同じステージでも違う側でプレイすると、普段と一味違った感覚で楽しめます。
1人プレイでも、分岐兵と呼ばれる茶色い敵のうち、左右どちらを先に倒したかでルートを選べるほか、ある難しい条件を満たした時だけの隠しルートも存在します。
つまり、アーケードでは完全な一本道であった初代と比較して、毎回異なるルートで繰り返し楽しめたり、隠しルートで腕自慢できたりと、格段に遊び甲斐が増しているのです。
↓コースごとに難易度も少し変わるので慎重に。
以上より、タイクラ2は2人同時プレイの実現を通して、ゲーセン側にはより高い利益を、プレイヤー側にはより馴染みやすく奥深いゲーム体験をもたらしています。
これもひとえに、タイクラが「隠れる」というシステムを搭載し、タイクラ2にてスペースの圧迫などのマイナス要因を承知の上で画面を2つ並べた大胆さの賜物でしょう。
↓コイツの頭を4回撃ち抜くと…?
初代タイクラは建物内などインドアでの戦いがメインでしたが、タイクラ2では打って変わってアウトドアでの戦いがメインとなりました。
これにより、タイクラはハリウッド映画さながらのハデハデな演出を手に入れ、アーケード版では「映画を超えた〜」等といった煽り文句を入れていくこととなります。
↓本当に映画を超えたかは、あなたの判断にお任せする。
一番初めのステージからして、タンクローリーを爆破したり大型トラックがゲートをぶち破って横転し、大爆発したりする様を見せつける等、初代を凌ぐスケールの派手さです。
他にも、森林を舞台に敵味方が走りながらの銃撃戦を繰り広げたり、包囲戦に出た敵に対して、あちこちを振り向いて応戦したりと、ハラハラドキドキの連発です。
中でも一際目を引くのが、水路でのボートチェイスや列車のシーンでしょう。これらはナムコの広報誌「ノワーズ」20号によると、列車は1度、水路は2度も作り直した難産のシーンです。
その甲斐あって、これまでにない疾走感や開放感あふれるシーンは大きな話題を呼び、以降のタイクラにも似たようなシーンが度々登場するようになりました。
↓撃たれた敵を置き去りにするスピード感。
その分、敵が小刻みに動いていたり、あまりに敵が遠かったりして狙いを定め辛い、という別の問題点も生まれています。
余談ですが、ボスを筆頭に一部の敵の耐久力も上昇傾向にあり、初代タイクラよりも連射を要求される場面が増えているので、人によっては苦痛かも知れません。
それでも、こうした問題点の改善を含め、アウトドアの戦いがタイクラの更なる発展の可能性を切り開いた事は間違いないでしょう。
↓こんな馬鹿力だから数十発撃たれても平気なのかも。
初代タイクラにはスコアの概念が全くなく、クリアタイムだけが腕前の指標でした。
これはこれで面白いものではありましたが、タイム短縮のコツは極端な話「頭を撃つこと」の一点にほぼ絞られていたため、良くも悪くもシンプルであったかも知れません。
そこでタイクラ2からスコアの概念を導入され、腕前の指標もスコアに変更されました。
スコアの増やし方は単に敵を撃つだけ、とシンプルですが、より高いスコアを得るための主な手段が5種類と、豊富に用意されています。
(1)頭を撃つと高得点個人的に特筆すべきは(2)です。何故なら、これにより初代タイクラをも遥かに凌ぐ爽快感が生まれた、と考えられるためです。
例えば、初代タイクラでは3点バーストのように追い撃ちをかけると、確かに敵の消滅が早まるので、状況次第で頭を撃てなくてもタイム短縮が見込めます。
しかし、敵1人に多くの弾を使う以上、無暗な追い撃ちはかえって敵の全滅を遅らせる原因となる等、必ずしもタイム短縮に繋がるとは限りませんでした。
それに対してタイクラ2では、(2)により追い撃ちをかけた分だけ、連続ヒットボーナスという形でご褒美をもらえるようになったため、ガンガン追い撃ちをかけて良くなったのです。
また、それを後押しすべく、一度に撃てる弾数が6発から9発に増えたため、より長く敵を撃ちまくり、連続ヒットボーナスを得まくる快感を味わえます。
↓ただ片っ端から倒すだけでは、スコアが伸びないかも?
もちろん、より長く連続ヒットさせるには、それなりの腕と知識が必要ですが、腕に自信がなくてもスコア稼ぎの楽しさを存分に味わえる場面が存在します。
それは、ゲーム中で1〜2回、戦車などとマシンガンで戦うシーンです。戦車といえば、相当なデカブツで硬いです。そして、マシンガンはフルオートで弾数無制限です。
つまり、上手くいけば、ただトリガーを引いているだけで100ヒット以上もの連続ヒットボーナス、ついでにノーミスヒットボーナスも100以上、という出血大サービスなのです。
↓カウントが99ヒットで止まっても、点数は止まらない。
もちろん、スコア稼ぎの楽しみは(2)だけではありません。初代と同じくタイム優先でも良いし、逆にタイムを犠牲にしてでも確実に射抜いていっても構いません。
何なら、一瞬だけ現れる黄色兵を倒すことだけに全身全霊を掛けても良いでしょう。特に、隠しルートを通った暁には、黄色兵だらけのパラダイスが待っています。
↓あなたの動体視力と射撃精度で、隠しルートへの切符を掴め!
以上より、タイクラ2はスコアの導入により、2つの楽しさが生まれています。
1つは、好成績を叩き出すための選択肢に幅が生まれた点です。もう1つは、好成績を叩き出すこと自体、ガンガン撃ちまくる爽快感を引き出している点です。
つまり、初代タイクラのタイム以上に、好成績の見返りが大きなものとなり、よりやり応えが増したのではないでしょうか。
ちなみに、味方を撃つと減点です。具体的には、相方を撃つと1000点、女性に至っては5000点の減点です。紳士たるもの仲間、特に女の子を撃つなど言語道断なのです。
↓相方も相方で、撃たれぬよう気を配って欲しいのだが。
タイクラ2は人気作にも関わらず、家庭用への移植は3年後、PS2の時代に入ってからと、当時としてはかなり遅かった部類に入ります。
元々、初代タイクラの時点でPSへの移植はキツキツであったため、それより遥かに高い性能を要するタイクラ2のPSへの移植は不可能、との判断がなされたのでしょう。
一応、ドリームキャストなら十分に性能は足りたはずですが、普及台数はPSには遠く及ばず、セールス的な意味で移植は難しかったはずです。
となると、残るはPS2しかなかった、と考えられます。ですが、さすがに3年も待たされただけあって、PS2版はアーケード版を遥かに超えるクオリティに仕上がっています。
↓水しぶきや爆発などの演出が、より美しくなった。
グラフィックの進化は言うに及ばず、ミニゲームが隠しを含めて実に4本も収録、さらに豊富な隠し要素もあるため、非常に遊び応えがあります。
もちろん、ロード時間も初代とほぼ同じである上に、オートロード・セーブ機能が付いて、かつライフなどの設定変更も裏技なしで出来る等、細かい部分も改良されています。
気になる2人同時プレイについても考えられています。通常モードでは1画面あたり4分の1の大きさとなるため、小さいテレビではまともにプレイする事すら困難です。
一応、リンク機能を使えば大画面で2人同時プレイ出来ますが、それには30000系までのPS2、テレビ、ソフトが2つずつ、そして専用のケーブルが必要なので、やはり実現は困難です。
そこでダブルガンモードの出番です。これは、2丁拳銃で1人プレイをするモードであるため、1人1丁ずつ銃を持てば、手軽に大画面で2人で遊べる、という訳です。
↓十字キーで手軽にパネルを選べるのも嬉しい。
それだけでも素晴らしいサービスぶりですが、そのうえ出血大サービスといえる、更なる目玉が2種類あります。
第1の目玉は、クライシスミッションです。これは本編の後日談という設定で、様々なシチュエーションの実践演習をこなしていくモードです。
シチュエーションには単に敵を全滅させるものから、一定以上のスコアがノルマとして課せられたり、一発で敵を仕留める必要があったりするものもあります。
そのため、全てクリアする頃には、自然と高いスコアを叩き出せるだけのスキルアップが見込める設計となっているのです。
本編のワンコインクリアで現れる隠し要素もあるため、クライシスミッションを通して、下記の3段階のように、タイクラ2の奥の深さを堪能できるはずです。
(1)まずはコンティニューしまくってでも本編をクリアしてもらおう正直、クライシスミッションの制覇よりもワンコインクリアの方が簡単ですが、ここまで手の込んだ作りからは、もはや「おもてなし」の精神が垣間見えるのではないでしょうか。
↓後の4である。同じ舞台でもヘリから見ると、あら不思議。
第2の目玉は、隠し武器です。3種類あるこれらは、いずれも通常のハンドガンより遥かに強力で、爽快感あふれるプレイを楽しめます。
逆に、あまりに強すぎて、かえってつまらなくなる嫌いはありますが、後のタイクラの発展に大きな影響を与えた、という意味で注目すべきは「オート」と「ワイド」です。
オートは本編のマシンガンと同じ効果ですが20発ごとにリロードが要る武器です。ワイドは1度に5発の弾を十字型に発射するショットガンです。
これらを使えば、本レビューで難点として挙げた、狙いの定め辛さや要求される連射の多さが大きく解消される格好となります。
以降のタイクラでは、これらの使い分けを前提としたゲーム設計がなされるようになり、更なる快適さと戦略性、爽快感を兼ね備えたシリーズとして、進化を続けていく事となるのです。
↓ワイドはリロードまでにハンドガン45発分の攻撃が出来るチート級武器だ。
同時発売された「ガンコン2」は、例によってブローバック機構がありませんが、ボタンの位置を筆頭に初代ガンコンから大きく改善され、より扱いやすくなっています。
また、ボタン数も増えています。特に十字ボタンの追加により、わざわざモードセレクト等でパネルに照準を合わせずとも選べるため、かなり快適です。
さらに、撃つたびにチカチカ光る際も色が白から灰色に変更されたため、少しは目に優しくなっています。
接続方法もまた、地味ながら見逃せない改良がなされています。
初代ガンコンでは本体の型番によっては別売りの周辺機器が必要との告知がされていました。実際には、ケーブルをテレビに直接繋げば必要ないにも関わらず、です。
ただ、直接繋ぐとガンコンを片付けるたびにケーブルを抜き差しする羽目になり、それだけテレビとガンコンの端子の寿命が縮む、という問題点もありました。
そこで、延長ケーブルが同梱されました。これにより、接続の手順が少し複雑になりましたが、公式に周辺機器を買うことなくテレビの端子も長持ちさせられるようになったのです。
↓軽くなり、より自然な持ち方が可能となったが初代に慣れていると不便か。
ただ、大きな欠点として、初代ガンコンとの互換性がない点と、例によって液晶テレビには使えない点が挙げられます。
一応、USB接続であるためPS2だけでなく初期型PS3にも公式に使えはしますが、現在いずれも生産終了してしまっています。
そのため初代ガンコンと同じく満足なプレイ環境を揃えるのに骨が折れますが、それ故にソフトも含めて極めて安価でもあります。
↓一度繋げば抜く必要なし。初代ガンコンにも使える。
タイクラ2は、とっつき易いガンシュー路線を開拓しつつも、やや厳しい作風であった初代から3つの点で大きく進化・改善され、後の発展に大きく寄与したタイトルです。
具体的には、第1に命中弾の可視化や時間制限の緩和、そして2人同時プレイの対応などにより理不尽さが減って、よりとっつき易くなった点が挙げられます。
第2に、舞台をアウトドアとしたことでハリウッド的なハデハデ演出が満載となり、ボートチェイスなどのスピード感あふれる名シーンが誕生しました。
最後に、スコアアタックの導入により、好成績を叩き出すための選択肢に幅が生まれ、更なる爽快感が発生しました。
家庭用においては、更なる上達が見込めるクライシスミッションを筆頭に遊び応えが抜群であり、グラフィックもPS2レベルに進化しています。
一方で、ときどき敵に狙いを定め辛かったり、多めの連射を求められたりと問題点もあり、武器をほぼハンドガンのみとするゲーム設計に限界が見えていた点もまた事実でした。
それでもタイクラ2はシリーズの中でも特に完成度の高いタイトルの1つであり、3以降の武器チェンジシステムがないため、シリーズの入門用に最も適している、と考えられます。
以上より、タイクラ2は初代や3以降の作風についていけない、シリーズに興味があるけどやったことがない、たまには息抜きもしたい、という方にオススメです。
↓敵が遠い場面は、ルート選びで回避できることも。
僕が初めてタイクラ2に触れたのは、初代タイクラの時と同じく「いまじん」の試遊台でPS2の体験版をプレイした時です。
初代から4年、つまりオリンピック周期と同じ年数が経っていたこともあり、初代を懐かしみながらプレイしたものですが、最後までプレイする前に冷めてしまったのでした。
何故なら、 はっきりとは覚えていませんが、敵を全滅させても先に進めなくなり、そのままタイムオーバーを待つほかない状況に陥ってしまったためです。
単に僕が敵に気付かなかっただけかも知れませんが、とにかくそんな事になって嫌な思いをしてしまったため、ガンコン2を置いてさっさと立ち去ってしまったのです。
それから更に4年後、初代タイクラを本格的にプレイしていた頃も、手持ちのガンコンが使えない、という理由でタイクラ2も買わずじまいでした。
更に、その頃には既にほとんどのゲーセンからはタイクラ2が撤去済みであったため、長らくシリーズのうち2だけは、ろくにプレイすることがなかったのです。
↓確か、この辺で進めなくなった記憶が。
結局、タイクラ2を買ったのは、PS2が生産終了してから1年以上が経った2014年新春のことです。
それも、特に血眼になって探していたわけでもなく、たまたま近所のゲオでガンコン2込みで480円という激安価格で売っていたから買ったに過ぎません。
その価格で売っていたのは後にも先にもこの時だけで、それ以降はそれぞれ単品で同じ価格でしか見かけなくなったため、かなり得をしたものです。
余談ですが、PS2全盛期だった10年前は中古でもガンコン2込みで4000円であったため、時の流れというものをこんな所でも実感したものでした。
↓家庭用で加わったらしいシーン。かっこいい!
1週間かけてワンコインクリアを達成し、後でクライシスミッション等も最終ステージのクリアまでプレイしましたが、最後まで「10年前に買っていれば…」という後悔が付きまといました。
というのも、10年前は当時の友人間でガンシューが流行っていたものの、その友人はガンシューのソフトだけ持っていてガンコン2を持っていなかったためです。
そこで仮に僕がガンコン2を友人の家に持っていけば、より盛り上がっていたはずです。あの時とは、また違ったコミュニティが出来ていたはずです。
まあ当時はそうホイホイとゲームを買えなかったですし、初代ガンコンを使わせてくれないなら買わん!と決めていたのは他ならぬ僕自身であるため、仕方ないのですがね。
余談ですが、初代PSとPS2とでは解像度が違っていて、売りの命中精度にも影響が出るだろうから、互換性がないのも仕方ないかな、と最近になって考えていました。
ところが、ウィキペディアによると、何と海外版では初代ガンコンが使える、とか書いてあったので、実にモヤモヤした気分にさせられたものです。
実際に初代ガンコンを使った場合の命中精度までは分かりませんが、今思えば、これもまた巷で非難の嵐となっている昨今の「バンナム商法」の兆候だったのでしょうか。
話が逸れましたが、そんなこんなで、タイクラ2は僕を少しノスタルジックな気分にさせてくれたゲームでした。
↓初代からするとタイム<スコアなのが不思議な気分。
・クイック&クラッシュ
タイクラ2収録のミニゲームの1つです。的を撃つだけのシンプルさと、コンマ数秒のガンさばきが全てを決する潔さが魅力で、息抜きに最適です。
・シュータウェイII
タイクラ2収録のミニゲームの1つです。的の軌道を読みつつ正確に狙撃する緊張感が魅力で、クイック&クラッシュ同様、時にタイクラ2以上にハマるかも?
・怒首領蜂
タイクラ2と同様、シリーズ2作目にして劇的な進化を遂げたシューティングゲームです。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
本レビューはVGF第1弾の候補に挙がっていたタイトルの1つですが、紆余曲折あって、この時期に公開となりました。
初代タイクラの時のノウハウやテンプレートを活用できたし、精神状態もその時から大きく回復していたため、実にスムーズかつ余裕を持って制作に取り組めました。
レビューは、良くも悪くもテンプレ気味な内容になったかと思いますが、どうしても何かスパイスが欲しいと思い、狙いの定め辛さ云々の文章を付け加えました。
クイック&クラッシュ等のアーケード移植のミニゲームを本レビューでまとめて取り上げるか否かで迷っていましたが、文章量が増えたため、後で別にレビューする事にしました。
画像は例によって純正パッドとキャプボで撮りましたが、初代タイクラの時と同様、アマレコTVの機能でスクショを撮ると黒枠が出来てしまう症状に悩まされました。
ただでさえ白背景とのミスマッチで見栄えが悪い上に、動画からの切り取り画像には黒枠がないため、余計見栄えが悪くなる点は、初代タイクラからの悩みのタネでした。
幸い、初代タイクラの時よりかは時間に余裕があったため、見栄えを良くするべく、わざわざペイントで1枚ずつ手作業で黒枠を切り取る事にしました。
全部で11枚分の作業を終えて、もう二度とやりたくない、と思ったのも束の間、アマレコTVで黒枠を消せる方法がある事を知り、へなへなと脱力したものでした。何じゃそりゃ、と。
それだけでなく、動画でのインターレース(縞模様、残像)解除の方法も、全ての作業を終えてから知りました。今後これらも試してみたいところです。
2015/02/12 初公開