ロストランドアドベンチャー
メーカー | バンダイナムコゲームス |
対応機種 | アーケード |
ジャンル | ガンシューティング |
目次
最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、末尾が空欄の項目も是非読んで下さい。
ロストランドアドベンチャーの概要、並びに、従来のp.o.d.筐体の弱点について解説します。
ロストランドアドベンチャーで新たに作られた筐体の強みや弱みを解説します。
筐体を抜きにした、ロストランドアドベンチャーの作風を解説します。
これまでの解説を踏まえ、ロストランドアドベンチャーの内容や良さ、そして、どんな方に向いているかを解説します。
文字通り、ロストランドアドベンチャーに関する、個人的な思い出話です。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
バンダイナムコゲームスが2013年に稼働した「マッハストーム」は、主に海外に球面スクリーンを広める目的で作られました。
時系列が前後しますが2年後に同じ筐体で映画「スターウォーズ」のゲームが出た点からも、その試みは成功したと言えます。
しかし、マッハストームに使われた筐体「p.o.d.」には原則として1人プレイ専用、という弱点がありました。
海外、特にアメリカでは多人数プレイが出来るゲームが人気とされるので、この点が海外展開する上での課題となったはずです。
そこで、海外に球面スクリーンを更に広めるべく、2人同時プレイ可能な球面スクリーンのゲームが作られる事となりました。
そのゲームこそ、同社が2014年に発売した球面スクリーン式秘境冒険ガンゲーム「ロストランドアドベンチャー」です。
冒頭でも少し書きましたが、ロストランドアドベンチャーの筐体はpod筐体の流用ではなく、下記3種類を満たした新型です。
(1)2人同時プレイを実現
(2)スクリーンを3枚使用し、繋ぎ目の代わりに更なる大画面化
(3)出入り口にはドアでなく暖簾を用意
中でも最も大きな進化ポイントは(1)であり、ストレスなく2人で楽しめるようにと(2)や(3)も合わせて実装された、と考えられます。
ただ、個人的には(3)のためにpod筐体よりも遮音性が落ち、他のゲームと同じく喧騒に悩まされがちな点が気がかりです。
なので、もう100円くらいプレイ料金が上がっても構わないので、pod筐体と同じくドアで遮音性を高めて欲しかったものです。
それでも、新型には、そういった難点を補って有り余る、確かな魅力がある点もまた事実です。
筐体内の暗闇を照らし、視界全体を覆い尽くす球面スクリーンの迫力は、さながら遊園地のアトラクションです。
また、遮音性に関しても、pod筐体には遠く及ばないとはいえ、一般的なゲームよりかは優れている点に変わりはありません。
球面スクリーン特有の広大感、その視界を埋め尽くさんとする物量の敵、それらをマシンガンで片っ端から蹴散らす快感…。
この興奮は、まさに球面スクリーンならではです。
前項で書いた通り、ロストランドアドベンチャーの一番の魅力は、より大型化した球面スクリーンの新型筐体です。
一方で、それを除けば大筋の作風は同社の「デッドストームパイレーツ」等の定番ガンシューと酷似しています。
具体的には、リロード不要なマシンガンが主な武器、硬い敵の弱点表示、そして映画的な冒険活劇などが、そうです。
よって、初めての方でもゲーム内容をすぐ理解でき、球面スクリーンの臨場感を存分に堪能できる事でしょう。
難易度の異様な高さまでも酷似している点は御愛嬌です。カップル等でコンティニューしながらワイワイ楽しむ作風ですから。
そんなロストランドアドベンチャーにも、プラスアルファの作風となるポイントが2種類あります。
第1のポイントは、カードによるデータ保存です。
バナパスポートやおサイフケータイ等の対応カードがあれば、ゲームの進行状況やアイテムの収集状況などを保存できます。
中でも特筆すべきは、ゲームの進行状況の保存により、無理なくエンディングを観られるようになった点です。
ロストランドアドベンチャーは通しでプレイすると約45分にもなるとされる大ボリュームです。
そのため、初めからプレイして、コンティニューしまくってでもエンディングを観るには、多大なる資金と根気が求められます。
具体的には、1クレジット200円3分とすると単純計算で15クレジット、つまり3000円もの資金を一度に用意しなければなりません。
もちろん100円玉に両替しなければならないので非常に嵩張るし、両替に行っている間にカウントが0、という悲劇もあり得ます。
そうでなくても、3分おきにボコボコにされてコンティニュー画面を拝む、という屈辱を14回も味わえ、というのです。
これでは、どんな鉄の心もポッキリ折れてしまい、エンディング云々以前にプレイするのが嫌になってしまう事でしょう。
しかし、進行状況が保存されれば話は別です。何故なら、1プレイにつき最低でも1ステージをクリアすれば良いためです。
1ステージにつき約9分なので、必要なクレジット数はわずか3です。つまり、一度に用意すべき資金は600円に収まります。
先程の5分の1で、かなり現実的なコストです。時間的にも、心がへし折れる前にステージクリアできるので根気も要りません。
また、前述の通り、おサイフケータイも使えるので、プレイ以外の出費が必要ない点も大きいです。
このように、いかに進行状況の保存によって、無理なくエンディングを観られるかが、お分かり頂けたでしょうか。
第2のポイントは、途中の謎解きです。
道中やボス戦は、トロッコやソリに乗ってのスピード感あふれる戦闘など、ハラハラドキドキの展開が目白押しです。
しかし、そういった展開が延々と続くのでは脳みそが慣れてしまい、いずれ疲れたり飽きたりする要因となります。
そこで、間に謎解きを挟むことで、より映画的な緩急のある構成となり、ボス戦に備えて適度に休憩できるようになったのです。
この謎解きは手本を見れば初見でも簡単に解けるレベルであり、仮に解けなくてもペナルティなしで先に進めます。
また、時間的にも、ちょうど道中で1回コンティニューした後に謎解きに入るよう工夫されています。
このため、コンティニューしても結局すぐ死んだ、という事態に陥りにくく、モチベーション維持にも繋がっています。
このように、謎解きによって、休憩できて長く遊べている感覚になる事が出来、より楽しくゲームに没頭できるのです。
以上より、ロストランドアドベンチャーには、定番の作風にデータ保存と謎解き、というプラスアルファの作風を盛り込まれています。
それは、より気軽に、より楽しく冒険の世界に飛び込める事を意味しているのです。
ロストランドアドベンチャーならではのポイントは3点あります。
球面スクリーンと2人同時プレイの両立、ただ撃つだけの定番な作風、そして記録の保存や謎解きによる気楽さです。
筐体の遮音性こそpod筐体より落ちてしまいましたが、さらに大型化した球面スクリーンの迫力は、それを補って有り余るはずです。
以上より、ロストランドアドベンチャーは球面スクリーンでワイワイとガンシューをしたい、という方にオススメです。
僕はマッハストームをプレイしたことで、pod筐体の球面スクリーンの迫力、優れた遮音性による没入感の虜となりました。
なので、同じ球面スクリーンのロストランドアドベンチャーにも、かなりの期待を寄せていたものです。
幸い、近所のゲーセン「P」に入荷された事が分かったため、マッハストームの半分である4か月遅れでプレイに漕ぎ着けました。
余談ですが、Pには僕の大好きなマッハストームもあるので、一時期はそれら目当てに、ちょくちょくPに通っていました。
実際にプレイしたところ、僕が最も重要視する遮音性に関しては、pod筐体ほどではないな、と少々期待外れでした。
また、「初めての方向け」のステージですら2回もコンティニューさせられた程の難しさにも面食らったものです。
それでもPは大音量の「当たり」であったため、おサイフケータイを駆使してエンディングを観るぐらいにはハマりました。
当然コンティニューしまくりですが、合計11クレジットと、本レビューの計算より4クレジットも少なく済みましたよ。
中でも、前のステージでコンティニューしたとはいえ、次の炎ステージをコンティニューなしでクリア出来たのは驚きでした。
炎ステージといえば、道中のトロッコのシーンでは本当に手に汗握り、謎解きでホッとしたのが今でも印象深いです。
余談ですが、僕が始めた時には既に1回100円でした。本来なら、これも「当たり」と考えるべきだったのでしょうが…。
それからはコンティニューせずクリアできたら良いな、ぐらいの軽い気持ちで、ちょくちょくプレイを続けていました。
…が、2014年度を終える頃には、跡形もなくPから姿を消しておりました。ちなみに公式サイトには、未だに名前が残っています。
休日は割と賑わっていた筈なのに、この仕打ちとは。やはり1回100円での運用は、あまりに無謀すぎたのです。
なのに休日でも閑古鳥が鳴いている某ホラーガンシューが残される現実に、いつものゲーセンクオリティを垣間見た気分でした。
長らく、それきりでしたが、本レビューのために1回だけ別のゲーセンへ「仕方なく」出向いた事があります。
気持ち的には、ゲーセンへ遊びに行くのではなく、取材に行くような感じでしたね、ホント。
そうして実に4か月ぶりにロストランドアドベンチャーと対面した訳ですが、残念ながら、そこは「外れ」のゲーセンでした。
喧騒が丸聞こえなほど音が小さく、モニタの映りも悪いので、没入感など微塵もなく、あるのは苦痛だけでした。
この「取材」を通して、メーカーがどんなに素晴らしい材料を用意しても、それを活かすも殺すも料理人次第、と悟りました。
この際、1回200円以上になっても良いので、しっかりと活かしてくれる料理人が1人でも多く現れて欲しいですよね。
・デッドストームパイレーツ
海賊をテーマにした同類のガンシューです。ゲームに合わせて揺れ動く座席シートが魅力です。
カジュアル路線として本作に先駆けて球面スクリーンを採用した、戦闘機の3Dシューティングです。
・コブラ・ザ・アーケード
往年の名作漫画「コブラ」を原作としたガンシューです。本作より9年早く、有料の専用カードによるデータ保存を前提としています。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
これまでVGFでは2か月に1本のペースでゲームレビューを公開してきました。
たまたまこうなった訳ですが、質と量、そして私生活を考えると、このペースがベストかな、と思って定着させています。
一方で、100本作るのに17年もかかるのでは遅すぎですし、旬の話題に乗るにも限界がある、とも考えていました。
そこで、これまで通り本業のゲームレビューと別に、軽めのボリュームでゲームレビューを作ってみました。
具体的には、あまり深く語れないゲームを、その他レビューやエッセイに則って、7項目の文章でまとめています。
気持ち的には、旧サイトのブログで度々行っていた、プチ・ゲームレビューのような感じです。
それ故、書きそびれた事柄もありましたが、最初の目的を考えれば、こんなものかな、と。
ロストランドアドベンチャーに白羽の矢が立った理由は、単に「スターウォーズ バトルポッド」の本稼働に便乗したかっただけです。
ただ、仮に思い出話に出たPゲーセンのロストランドアドベンチャーが健在だったら、本業として10項目で作っていたでしょうね。
2015/07/16 初公開