マッハストーム
メーカー | バンダイナムコゲームス |
対応機種 | アーケード |
ジャンル | 3Dシューティング |
目次
最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、末尾が空欄の項目も是非読んで下さい。
マッハストームが出る前後のpod筐体の広がりについて解説します。
マッハストームがいかに簡単操作で没入感を楽しめるかを解説します。
右手だけの操作に飽きた時、左手も使って面白くなるポイントを解説します。
スコアアタックに挑戦した時、いかにシューティングならではの緊張感を味わえるかを解説します。
マッハストームにありがちな批判に対する個人的な見解を書きます。
これまでの解説を踏まえ、マッハストームがどんなゲームで、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。
エースコンバットの復活に向けて、マッハストームが担う役割とは何かを解説します。
文字通り、マッハストームに関する、個人的な思い出話です。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
2006年に稼働開始したアーケードゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」の筐体「p.o.d.」は、密閉型の球面スクリーンによる圧倒的な没入感が魅力です。
それらは正にアーケードだけに許された特権であり、一大ヒットを記録するも、それに続くpod対応ゲームは長年登場せず、ガンダムファン以外への広まりは限定的でした。
そんな中、稼働から7年以上も経って、ようやくガンダムファン以外、特に低年齢層やライトゲーマー層にもpodの魅力を味わえるきっかけとなるゲームが登場しました。
そのゲームこそ、2013年に稼働したドームスクリーン型戦闘機シューティングゲーム「マッハストーム」です。
プレイヤーが最低限することは、右手だけで出来る下記の2種類のみです。
(1)操縦桿で敵を追いかけ、真後ろに付く
(2)マシンガンとミサイル連射で敵を倒す
たったこれだけで、マイアミや東京などの大都市を映画さながら目まぐるしく飛び回り、敵を破壊する快感を3分間ずっと味わい続けることが出来ます。
敵を追うために急旋回し、立ち並ぶビル街を超低空でスイスイ潜り抜けていく圧倒的スピード感のドッグファイトは、ハリウッド映画さながらです。
そして、それを制した末に刹那に広がる爆炎、無残にもハチの巣と化した敵機、それらを眺めつつ一瞬にして抜き去るカタルシスは、なかなかお目にかかれないはずです。
これが視界全体を覆う球面スクリーン、破壊の快感をより身体で感じるボディソニック、そして外部の喧騒をシャットアウトする音響空間つきで味わえるのですから鬼に金棒です。
まず家庭では味わえない、この圧倒的な没入感を味わう手段は、事実上マッハストームが設置された極僅かなゲームセンターへ足を運ぶことのみです。
このように、マッハストームは右手だけの簡単操作でアーケードならではの並外れた没入感を味わえるゲームです。
その一方で、没入感を抜きにすれば、ただ敵のケツを追っかけて撃つ事の繰り返しに過ぎず、単調で飽きやすい嫌いは否めません。
そこで左手で操作するスロットルレバーの出番です。これは速度調節を行うレバーで、上手く使えば、より効率よく敵を倒せるようになります。
具体的には、なかなか敵を捕捉できない時は減速しながら旋回することで捕捉しやすくなるし、捕捉しても距離が遠い時は加速すれば一気に距離を詰めて攻撃できます。
この一連の流れにより、スピードに緩急がついて、よりメリハリのあるゲーム展開となるし、加速状態でのみ受けられる送風ギミックで、より高い没入感を味わえます。
さらに、素早く敵を倒し続けたり、加速状態かつ真正面に敵を捉えたまま倒したりすればボーナススコアを得られる、というご褒美まで用意されています。
以上より、スロットルレバーの使いこなし一つで、ゲームの単調さは薄れ、没入感も更に高まって、よりマッハストームを面白くプレイできるはずです。
スロットルレバーを加えてもまだ単調だ、という方は、より高いスコアを目指す「スコアアタック」己の限界に挑戦されてはいかがでしょう。
公式サイトに記載されている通り、スコアアタックで欠かせないボーナスは、下記の3種類です。
(1)敵を素早く連続で倒し続ける「コンボボーナス」
(2)加速して敵に接近し、ど真中で撃つ「ダイレクトシュート」
(3)マシンガンでトドメを刺す「ガンキルボーナス」
これらを獲得するためには、即座に敵を見つけてど真中に捉え、マシンガンで仕留め続ける必要があります。
しかし敵とて、撃たれるものかと言わんばかりに蝶のようにヒョイヒョイ動き回るため、上手いことど真中に捉えるのは困難です。
また、低速で捉えたとしても加速しなければならず、加速したらまた逃げられることもザラです。
よしんばダイレクトシュートできる状況に持ってきても、マシンガンで仕留めるのは至難の業です。
何故なら、マシンガンは直線・低威力・数秒で止まる連射の三拍子が揃っており、せっかくマシンガンを当ててもすぐ逃げられてしまうためです。
かといって下手にミサイルに頼ると、あっさり倒してしまってガンキルボーナスなし、なんて悲劇も。
ついでに、あまりガンキルボーナスに拘ると、今度は破壊に時間がかかってコンボボーナスを得られなくなってしまう、というジレンマも漏れなく付いてきます。
こうしたジレンマを前に、いかに自分の腕前やプレイスタイルに合った稼ぎ方を考え、突き詰めていくか、という試行錯誤の余地もまた、マッハストームの面白さの一つです。
以上より、マッハストームはシンプルな内容でありながら没入感やスコア稼ぎの緊張感を味わえるゲームです。
一方、下記の2種類などの理由により、特にシューティング好きのゲーマーからは不評がちです。
(1)全5面のうち1回1面しか遊べない拝金主義
(2)ステージの攻略法を開拓する要素の希薄さ
確かに、マッハストームはさほど攻略法を考えなくても最後まで遊べてしまうゲームですし、1回3分ほどで終わってしまうため、ゲーマーには物足りない面もあります。
しかし、裏を返せば従来のようにパターン作りに忍耐を強いられたり、30分もの間ずっとノーミスのプレッシャーに耐え続けたりする必要がない、という見方も出来ます。
もちろんパターン作りやプレッシャーからの忍耐もまたシューティングの良さですが、一方でサクッと遊んでストレス解消するには不向きで、人を選ぶ嫌いがある点も事実です。
また、それとは別に、シューティングは最初から最後まで1から同じ順番でステージを攻略する形式がほとんどで、一度に繰り返し遊ぶには辛い面もあります。
それに対してマッハストームは、そうした忍耐を一切必要とせず、また順番など関係なしに好きなステージを1つだけ選べるようにする等、サクッと繰り返し楽しめる作風に特化しています。
つまり、マッハストームは人を選びがちな従来のシューティングに対する、ある種のアンチテーゼなゲームなのです。
それでいて、スコアアタックによるパターン作りの面白さと、それをミスなく実践するプレッシャーは、まさしくシューティングのそれで、突き詰めればゲーマーも納得ではないでしょうか。
マッハストームの売りは、アーケードならではの圧倒的な没入感と、シューティングらしからぬシンプルでサクッと繰り返し遊べる手軽さです。
それが時に不評を買う事もありますが、スコアアタックによるストイックな面白さと奥の深さは、まさにシューティングならではです。
以上より、マッハストームは家庭より凄いゲームをしたい、手軽にストレス解消したい、上昇志向を満たしたい、という方にオススメのゲームです。
マッハストームには、同社の看板フライトシューティング「エースコンバット(以下「エスコン」)」シリーズを手掛けるスタッフが主に関わっています。
また、マッハストームと並行して本家エスコンの最新作である「インフィニティ」の開発も進められ、マッハストームの半年後にPS3で配信開始されています。
何故そのような方針が取られたかというと、低迷が続く戦闘機ゲーム、ひいてはエスコンを再び復活させるためです。
昨今、キャッチーなキャラクターとシンプルな内容を前面に出したゲームが人気を博す一方、エスコンのような戦闘機ゲームは難しい、マニアックと避けられる傾向にあります。
また、エスコン自体にもマンネリ化は避けられず、それを打破すべく新しい試みをしては不評を買い、ますますファンに見限られる、という課題があります。
↓エスコンの未来に無限の可能性を(「エースコンバット インフィニティ」より)。
こうした課題を前に、スタッフは3つの段階を経て、エスコンの復活を試みています。
(1)マッハストーム → 戦闘機の格好よさ、爽快さ → 戦闘機ゲームへの関心
(2)エスコン∞ → より一歩踏み込んだ自由度の高さ → エスコンへの関心
(3)エスコン次回作 → これまでにない感動 → エスコン復活
つまり、マッハストームはエスコンの入り口のさらに入り口としての役割も担っているため、あのような作風となった訳です。
エスコンファンでマッハストームに否定的な方も、この経緯を知れば、少しは溜飲を下げられるのではないでしょうか。
なお、(3)については、多分に主観を含んでいますが、いずれ辿る道であると考えています。
↓あくまで自由に空を飛びたいならエスコンを遊ぼう(「エースコンバット インフィニティ」より)。
僕は去年から実に1年もの間、ゲームセンター通いをやめていました。
一番の理由は、ゲーセン特有の喧騒と言えば聞こえの良い、ノイズまみれでロクに音も聞き取れない、家庭以下のゲーム環境に耐えられなくなったためです。
それに加えて色々な事があって、完全にゲーセンに見切りを付けていました。余談ですが、これは一時期サイト休止を余儀なくされた最初のきっかけでもあります。
そんな僕が再びゲーセンに足を戻したきっかけこそ、そう、マッハストームです。
あの「絆」の筐体を使ったゲーム、すなわちゲーセンの喧騒とは無縁の空間で、家庭では到底味わえない興奮を味わえる―――。
そう、僕が長年ゲーセンに望みながらも完全には叶う事のなかった夢が、マッハストームで現実のものとなる!と知った時、かつてない程わくわくしたものです。
一度患ったゲーセンアレルギーを治すのに、稼働開始から半年以上も掛かりましたが、その間ずっとマッハストームへの興味が消えることはありませんでした。
そして、職場の同僚に誘われて世界コスプレサミットへ行くも、それほど楽しめなかった僕は、口直しとばかりに遂にマッハストームと対面する決意を固めました。
それはつまり、あれほど嫌だったゲーセンに再び戻ることを意味します。
ですが、マッハストームを遊ぶためなら、ゲーセンに戻っても良い、と思いました。
そして、筐体の内部へ入り込み、面前で広がる光景に軽くクラクラしつつも100円玉を投入し、ゲームスタートしました。
その瞬間、ゲーセンの喧騒を無にする、けたたましい飛行音に包まれ、興奮は最高潮となりました。
これだ…これだよ。僕はこの没入感をゲーセンに求めていたんだ。家庭では到底実現できない、アーケードならではの興奮をゲーセンに求めていたんだ。
たまらず一気に全ステージをプレイし、締めに100円を追加投入してエクストラミッションもプレイし、一気に700円も消費して満面の笑みでゲーセンを後にしました。
既にゲー募で1円単位の消費に慣れていたため、初めこそ消費金額に戸惑いましたが、これほどの没入感を味わえるなら安いものだ、と考えを改めました。
今後ともマッハストームだけといわず、この筐体みたいな没入感を色んなゲームで味わわせて欲しい…と思ったのも束の間、僕は凄く残念な情報を目にしました。
それは、マッハストームの出回りが極端に悪いとされることです。どれくらい出回りが悪いかというと、東京都でさえ10店舗に満たず、設置店舗ゼロの都道府県まであるほどです。
それを知って、やっぱりゲーセンはゲーセンなんだ、と意気消沈したものです。
まあゲーセンへの愚痴はさておき、いつゲーセンからマッハストームが消えても悔いを残さぬよう、遊べるうちに遊べるだけ遊んでおきたいものです。
マッハストームに続くエスコンへの入り口である、基本無料のエスコン最新作です。マッハストームにない自由さが、ここに。
・アフターバーナー クライマックス
現実離れしたスピード感と一騎当千が売りの戦闘機シューティングです。ステージ攻略に精を出したい欲求を満たしてくれます。
ゲーセン向け小型カラオケボックスです。pod筐体と同じく密閉型の筐体で、ゲーセンの喧騒をものともしない優れた音響空間です。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
ドンパッチン以来、実に2か月ぶりとなるゲームレビューです。
ネットでは否定まみれの中、1つくらいマッハストームを褒めちぎったサイトがあっても良いだろう、と思い、あえて絶賛しています。
画像も何枚か用意していましたが、諸事情で全て没とさせて頂きました。代わりの画を一つも用意できなかった点は心残りです。
エスコンAHの新システムうんぬんの話に関しては、体験版を1回プレイしただけで、よくわからなかったため、カットさせて頂きました。
ちなみに思い出話には、僕が妄想していたシューティングと似てる!との話も書くつもりでしたが、痛い上に冗長なので没にしました。
なお、エスコン復活うんぬんの下りは、下記のインタビュー記事を参考とし、独自にまとめたものです。
http://www.4gamer.net/games/242/G024222/20131212047/
http://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/20140201_637765.html
2016/09/17 「ちょいKARA」へのリンクを追加
2014/10/17 「エースコンバット インフィニティ」へのリンクを追加
2014/08/15 初公開