ネシカを斬る!

 

1/7 はじめに

時は2010年末、「タイトー(注1A)」はゲーセンの汎用筐体向けに「ネシカ(注1B)」なるサービスを開始しました。

これまで基本的に1台1本しか稼働できず、稼げずゲームを交換しようにも大金が掛かる等、ゲーセンに負担の大きい現状の打破。

汎用筐体のビデオゲーム、ひいてはゲーセンの復権を理想に掲げたネシカは、さながら救世主が如き存在として注目を集めました。

2012年に「セガ(注1C)」「オールネット(注1D)」を開始した他、2017年にネシカの後継となる「ネシカ2」が開始されました。

特にネシカ2は「格ゲー(注1E)」「オン対戦(注1F)」できる為、「鉄拳7(注1G)」に続き大きな投資に見合った利益が見込まれます。

よって、今やネシカは鉄拳や「ガンダム(注1H)」と肩を並べる程、商業的に成功した数少ないビデオゲームなのは確かです。

しかし、本当にネシカは救世主だったのでしょうか?ネシカで理想を果たせたのでしょうか?今ここで個人的な見解を述べます。

↓こんな感じのが汎用筐体。これで動くのを本ページでビデオゲームと呼称する。
 

注釈一覧(色の違う文字を押せば飛びます)

(注1A)タイトー:インベーダーを作ったゲーム会社。

(注1B)ネシカ:「ネシカクロスライブ」の略称。格安で入荷でき、かつ無料で新作が続々リリースされ、自由に交換できるサービス。

(注1C)セガ:今ぷよぷよを作っているゲーム会社。

(注1D)オールネット:「オールネットプラスマルチ」の略称。ネシカと同類のサービス。

(注1E)格ゲー:ストIIみたく横から見て正対したキャラ2体が戦うジャンル。操作に対する素早いレスポンスが命。

(注1F)オン対戦:ネットワークを介して世界中のプレイヤーと対戦する機能。多少レスポンスが遅く格ゲーとの相性悪し。

(注1G)鉄拳7:レスポンスの評価が厳しいゲーセンでも認められるレベルで、素早いレスポンスのオン対戦を実現した格ゲー。

(注1H)ガンダム:国民的ロボットアニメ。ビデオゲームとしては2対2の対戦ゲーム「ガンダムVSシリーズ」で有名。

 

目次

最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。

それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、末尾が空欄の項目も是非読んで下さい。

1.はじめに

本エッセイの、まえがきです。

2.理想と現実が乖離したラインナップ ★

格ゲーに偏ったラインナップが、如何にネシカの理想と食い違っているか考察します。

3.ネシカが残した負の遺産 ★

ネシカの導入を機に、如何に格ゲー以外のビデオゲームの扱いが悪化したか考察します。

4.ぼくのかんがえた さいきょうの ねしか ☆

ネシカやオールネットには、こうあって欲しかった、との個人的な願望を述べます。

5.まとめ ★

これまでの解説を、まとめます。

6.こちらもあわせてどうぞ

本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。

7.最後に

本ページについての、あとがきです。

 

2/7 理想と現実が乖離したラインナップ ★

ビデオゲーム、ひいてはゲーセンが衰退した理由の一つに、格ゲー以外のビデオゲームの淘汰が挙げられます。

かつては格ゲー以外にも、1人もしくは2人で協力して遊べる様々なジャンルのビデオゲームが盛んにリリースされていました。

ジャンルの種類が多ければ、それなりの来客や利益を見込める他、安く小さいため多く置けて潰しが利く等、リスクも低いです。

ただし、80年代のビデオゲームは「ループゲーム(注2A)」が主流で、理論上の回転率が悪かったのです。

確かに、それが客に1コインで長く遊ぶため上達したい欲求を煽り、回転率が悪くとも1日1万円も稼いたヒット作もありました。

それでも少なくとも1986年から1991年にかけて近年の倍以上、つまり年間およそ1000〜2000店舗のペースで閉店していたのです。

つまり当時は、回転率が悪く儲からず閉店が相次ぐ暗黒期でもあり、客を満足させ回転率も良いビデオゲームを求められました。

↓信じ難い事だが当時、ループゲームでも6分に1回は遊ばれた計算となる。
 

彗星の如く1991年に現れたストIIとて、当初は「CPU戦(注2B)」メインの格ゲーの1つとして扱われ、人気も出ませんでした。

「対戦プレイ(注2C)」も認知されましたが、既存の「シングル台」では、1台の筐体に2人が隣り合わせで行うしかありませんでした。

よって、アメリカの盛況に反して赤の他人との関わりを避けたい日本人には合わず、対戦相手は知人のみに限られていたのです。

そこで、とあるゲーセンが独自に「対戦台(注2D)」を用意する事で、日本人にも対戦を促したのです。

つまり、関わらずに赤の他人と対戦できる様になってから、狙い通りストIIは客を満足させ回転率も良いビデオゲームとなりました。

対戦は最大でCPU戦の10倍以上もの回転率を誇り、それまでのヒット作の倍以上、つまり1日2〜3万円もの稼ぎを見せたのです。

その後、数年に渡って格ゲーのヒット作が続き、ゲーセンは格ゲーの対戦台に軸足を移す事となるのです。

1991〜1994年は店舗数が、ほぼ横ばいである上に、1993年のみ微増した点からも、格ゲーブームの盛況ぶりが伺えます。

↓シングル台と対戦台の簡単な図。対戦台は倍の場所を取る。
 

しかし、その盛況の裏で、皮肉にも格ゲーブームは少しずつ、しかし確実にゲーセンを蝕んでいったのです。

その場の利益を追求する余り、格ゲーの対戦台を中心に置いた結果、店内の大半が格ゲーで埋め尽くされました。

加えて、今日に至るまで同じタイトルの格ゲーを何台も置く反面、格ゲーでない対戦ゲームが対戦台に入るケースは少数でした。

このような極端な経営体質により、格ゲー並のポテンシャルを持ったゲームも潰され、ジャンルの種類を減らしていったのです。

さらに、初心者を狙った蹂躙や卑怯なプレイの横行、それらが原因の喧嘩など、対戦台であるが故のトラブルも多発しました。

そうして格ゲーが嫌になった客が他のジャンルに逃げようにも、既に周りは殆ど格ゲーばかりのディストピアと化していたのです。

嫌ならゲーセンに来るな。そんな傲慢が格ゲーブームを終わらせ、年間およそ1000店舗が閉店する第2の暗黒期を招いたのです。

後にヒット作が続く「大型筐体ゲーム(注2E)」に軸足を移すも、高くデカく潰しが利かない甚大なリスクに蝕まれる事となるのです。

↓2006年までの店舗数のグラフ(警察白書より)。赤ラインは暗黒期を示す。
 

一応、2002年からは概ね閉店ペースが暗黒期の半分に落ち着いたものの、右肩下がりである点に変わりはありませんでした。

それは100万円を優に超える大型筐体ゲームを好んで仕入れ、20万円ほどのビデオゲームを軽視する歪な経営体質が大きいです。

前置きが長くなりましたが、そんな苦境を打破すべく、「ブレイブルー(注2F)」の新作と共に30万円のネシカが登場したのです。

売れ行きこそ上々でしたが、残念ながらネシカを持ってしても閉店ペースに歯止めは掛からず、苦境の打破には至りませんでした。

それもそのはず、5年間でネシカ向けにリリースされた47(対戦台は39)タイトル中27タイトル、実に約6〜7割が格ゲーなのです。

その割には人気を博す格ゲーは片手で数えられる程度であり、その他大勢、特に格ゲー以外のジャンルは惨敗に終わりました。

オールネットに至ってはネシカ以上に酷く、むしろ格ゲー偏重を助長した結果が、2度も10年で店舗数が半減する惨状なのです。

ネシカがビデオゲーム、ひいてはゲーセンの復権を理想に掲げた点を考えるまでもなく、何とも皮肉と言う他ありません。

↓1996年、2006年、2016年の店舗数のグラフ(警察白書より)。30年で2割未満の店舗数。
 

注釈一覧(色の違う文字を押せば飛びます)

(注2A)ループゲーム:死ぬまで1コインで延々と続けられるゲーム。実質的には営業している12時間ぐらいが限界。

(注2B)CPU戦:1人で遊ぶ時、コンピュータが操るキャラを相手に戦う。基本的に負けない限り10試合ぐらい続けられる。

(注2C)対戦プレイ:2人で遊ぶ時、お互いが操るキャラ同士で戦う。基本的に勝てばループゲーム、負ければ即ゲーム終了。

(注2D)対戦台:2台の筐体を背中合わせで繋ぎ、1人1台でプレイできるようにした筐体。シングル台より心理的な負担が小さい。

(注2E)大型筐体ゲーム:専用の大きな筐体で遊ぶゲーム。例えば基本的に「太鼓の達人」の筐体では太鼓の達人しか遊べない。

(注2F)ブレイブルー:人気の格ゲー。アニメ調のファンタジーな世界観やキャラクターが特徴。

 

3/7 ネシカが残した負の遺産 ★

単にネシカは格ゲーばかりで共食いしたばかりでなく、実に3種類もの負の遺産までビデオゲームに残しました。

第1の負の遺産は、ネシカでなく格ゲーでもないビデオゲームの撤去です。

一応、対戦台のネシカでも、格ゲー以外のビデオゲームの大半を遊ぶ事は出来ます。

しかし、それが仇となり、多くのゲーセンがビデオゲームを対戦台のネシカで済ませて残りを撤去する暴挙に出てしまったのです。

ただでさえビデオゲームの撤去が著しいのに、なまじネシカが出たばかりに、余計ビデオゲームの撤去を助長した点は皮肉です。

仮にビデオゲームを残したとしても、ラインナップがネシカと被ってしまった場合、そのゲーセンは独自の強みを失う事となります。

逆に、既にネシカ入荷済みで、ネシカにある格ゲーの元のマシンを後から入荷する愚策で、更なる客離れを招く例もあったのです。

↓愚策は入荷価格や従量課金制などを考慮しての事だろうが…。なお、数年後に潰れた。
 

第2の負の遺産は、対戦台のネシカ特有の制約です。

ふつうビデオゲームには、「インストカード(注3A)」が添付され、かつ隣り合わせで2人同時プレイ出来る環境があります。

ところが対戦台のネシカには、その何れも欠けており、極めて窮屈な環境でのプレイを余儀なくされるのです。

結果、インストカードが無ければ遊び方が分からず、遊び方が分からなければ遊ぶ気になれない負の連鎖が待っています。

また対戦台であるが故に、2人同時プレイの醍醐味であるコミュニケーションを取る事も出来ず、遊びの幅が狭まってしまいます。

さらに、反対側の台から見て「デモ画面(注3B)」と勘違いして意図せず乱入、という互いに不幸な事故も起きた事もあるそうです。

確かにゲーセンの中には、インストカードを添付せず、かつ1人でしか遊べない環境もあります。

それでも、対戦ゲームでないビデオゲームを対戦台で遊ばせた例はネシカ以外では珍しく、また無理のある環境だったのです。

↓告知されるもネシカで出なかったゲームも少なくない。
 

最後に、縦画面ゲームの画面サイズの縮小化です。

ふつう縦画面ゲームは、そのまま画面を縦にして、ブラウン管の汎用筐体なら3:4で29インチの画面いっぱいに映します。

近年、容易に縦画面に出来る家庭用のモニタが増えてきたとは言え、画面サイズ的には、まだまだ汎用筐体に分があります。

ところが、対戦台のネシカでは、せっかくの縦画面ゲームも、横画面のサイズに合わせて縮小されて映されてしまうのです。

具体的には19〜20インチ、実に3割以上も縮小されます。家庭の方がマシなレベルです。

シングル台が稀なら縦画面のネシカは、もっと稀です。何しろ、ネシカの縦画面ゲームは両手で数えられる程度なのですから。

確かにゲーセンの中には、縦画面ゲームを横にしてしまっている微笑ましい環境もあります。

それでも、正規に画面サイズを縮小した例はネシカ以外では珍しく、ネシカ独自の縦画面ゲームを潰すには十分すぎました。

↓ネシカでないが、こんな感じに縮小される。
 

以上より皮肉にもネシカは、ネシカでなく格ゲーでもないビデオゲームの撤去を推し進めてしまいました。

代わりに与えられた対戦台のネシカは、決して以前のビデオゲームに取って代わる存在ではありませんでした。

具体的には、インストカードや2人同時プレイに大きな制約が生じ、かつ縦画面ゲームは画面サイズが縮小されてしまっています。

このような窮屈なプレイ環境で客が納得する筈も無く、まして格ゲーファンが振り向く筈も無く、残ったのは廃墟のみでした。

確かにネシカには一旦お蔵入りとなった後、「家庭用(注3C)」を経て晴れてネシカでゲーセンデビューしたゲームもあります。

また近年、旧作のアフターサポート終了が相次いでおり、絶滅の危機に陥った旧作の救済を担っている点も事実です。

よって、一概にネシカが負の遺産を残してビデオゲームにトドメを刺した、と決めつけるのは間違いなのかも知れません。

それでも、そのゲームで十分に利益を出せるだけの環境までは用意されず、結局トドメを刺した格好となった点は何とも皮肉です。

↓挙句、ゲーセンの設定によっては、こんな事態も。
 

注釈一覧(色の違う文字を押せば飛びます)

(注3A)インストカード:ゲームの遊び方やルールを記した小紙。ビデオゲームの場合、筐体の上部に貼り付けられる。

(注3B)デモ画面:誰も遊んでいない時に映される、そのゲームのデモンストレーション。対戦台では実に紛らわしい。

(注3C)家庭用:ニンテンドースイッチや3DS、PS4などで遊ぶゲームの事。

 

4/7 ぼくのかんがえた さいきょうの ねしか ☆

これまで、ネシカに関して厳しく書いてきました。ここからは、個人的にネシカには、こうあって欲しかった3種類の願望を語ります。

第1の願望は、タイトー自身による幅広いジャンルのビデオゲームの拡充です。

思えば、一番初めにブレイブルーしか出さなかった時点で、ネシカが格ゲーありきで固められてしまう点は明白でした。

そこで、最低でもタイトー自身がシングル台や縦画面に向けたゲームを、それぞれ1つずつ同時に出すべきでした。

具体的には、シングル台には「スピカアドベンチャー(注4A)」、縦画面にはインベーダーが該当します。

これで少なくとも今よりかはシングル台や縦画面ゲームにも光が当たった事でしょう。

さらに、これらのセット販売で従量課金の軽減など、積極的にビデオゲームを根付かせる工夫が見られなかった点は残念です。

↓他にもシューティングを筆頭に、タイトーで出せる弾は幾らでもあった筈なのだ。
 

従量課金について踏み込みます。料金を問わずネシカで1回遊ばれると、30円をタイトー含むメーカーに支払う必要があります。

その代わりに、30万円で入荷でき、かつ無料で新作を続々リリースされる、というメリットをゲーセンは受けられる訳です。

とは言え、少しでもゲーセンの取り分が多いに越した事はありませんが、そうすれば今度はメーカーが苦しくなります。

そこで僕の考えた施策がセット販売です。対戦台「V」と別に、シングル台専用「A」と縦画面専用「B」のネシカも一緒に販売します。

加えて、AとBの両方を稼働させているゲーセンにはタイトーへの支払いを免除、つまりゲーセンの取り分を10円増やすのです。

1回100円で1日1万円稼ぐ場合、1日で1000円、1ヵ月で3万円、1年で36万円もの差があるならば、ゲーセンの答えは一つでしょう。

一方、支払いを免除されるタイトーが苦しそうですが、元々Vが売れていて、さらにAとBも売れる点を考えれば大丈夫でしょう。

余談ですが、後の鉄拳7は早期の予約で同様の施策を行い、商業的に成功しました。真っ先にネシカがやるべき事だったのです。

↓1回100円での従量課金の分配例。タイトーのゲームなら…?
 

第2の願望は、「DBAC(注4B)」専用、つまり32:9の超横長画面と4人同時プレイに対応した筐体のリサイクルです。

せっかくタイトーにはDBACと言う、ネシカのコンセプトに合致した筐体があるので、そちらへの展開も期待していました。

80年代から90年代初頭に掛けてタイトーは12:3、もしくは8:3の超横長画面の大型筐体ゲームを4つリリースしていました。

いずれも名作ですが、当時は家庭用での完全な復刻が絶望的で、かつ老朽化などの問題により、さながら絶滅危惧種でした。

それとは別に、当時は各メーカーが主にシングル台を2台使って3〜4人で遊べるビデオゲームを盛んにリリースしていました。

しかし、それらも格ゲーと比べてコスパに劣って淘汰される、あるいは2人までしか遊べない設定で置かれるのが大半でした。

そんなゲームに光を当ててこそ、相乗効果でビデオゲームが盛り上がるのではありませんか。

確かに採算が合わないかも知れませんが、及び腰で何とかするには、ネシカが掲げた理想は余りにも高すぎたのです。

↓ちなみにDBAC筐体のコントローラは汎用筐体と同じ。
 

最後にネシカとは無関係ですが、オールネットによる「バンナム(注4C)」「pod筐体(注4D)」のリサイクルです。

かねてよりセガとバンナムはライバルであると同時に、共同開発プロジェクトも多く深い関係を築いていました。

せっかくなので、その関係を活かしてセガにはバンナムも巻き込んでpod筐体に向けてもオールネットを展開して欲しかったです。

pod筐体は新旧を問わずセガやバンナムが得意とする3D系のゲームとの相性が抜群です。

操縦桿や銃で敵を撃つゲーム、車を運転するゲーム、そしてスポーツ物のビデオゲームも、pod筐体なら新鮮な感覚で楽しめます。

的外れかと思われましょうが、 元々pod筐体の試作段階の時点で、そのように色々なゲームへの対応を考えられていたのです。

何より、セガには「セガ3D復刻プロジェクト(注4E)」をヒットさせた実績があるので、pod筐体でも十分に受け入れられる筈です。

バンナムとしても持て余し気味なpod筐体をリサイクル出来て良いと思いますが、近年のゲーセンに鼻で笑われるのでしょうか。

↓pod筐体の力は、まだまだ完全に引き出されたとは言い難いのだ。
 

以上で、「ぼくのかんがえた さいきょうの ねしか」とでも言うべき願望を終えます。最後はオールネットでしたが。

さらに個人的な話をさせて頂くと、当時の僕はゲーセンに通いつつも、格ゲー以外のビデオゲームの冷遇に辟易していました。

ちょっと人気ゲームに浮気すると、すぐビデオゲームが撤去されるから浮気せずに遊ばないと、と言った不安で一杯でした。

それだけに、「ちょいKARA(注4F)」やDBACと同時期にネシカも発表された時、遂に救世主がやってきた、と安堵しました。

ちょいKARAやDBACとネシカのハイブリッド、及び、それによる未来のゲーセン像を夢見てタイトーに応募した事もありました。

ところが、ネシカに触れて感じたのは疑問だけでした。格ゲー多くね?同じシリーズを2つ同時?シングル台は?縦画面は?あれ?

そんな疑問を何度も旧サイトのブログで訴え続けるも、全く持って相手にされず、タイトーにも落ち、僕は意気消沈していました。

それからも色々あってゲーセンから離れた僕ですが、ゲーセンを通して学んだ事は、本当に沢山ありました。反面教師ご苦労さま。

↓ちょいKARA、DBAC、そしてネシカ。当時のタイトーは輝いて見えた。
 

注釈一覧(色の違う文字を押せば飛びます)

(注4A)スピカアドベンチャー:傘を持った女の子が主人公の、マリオみたいな横スクロールアクションゲーム。

(注4B)DBAC:「ダライアスバースト アナザークロニクル」の略称。多彩な海洋生物ボスが目を引く横スクロールシューティング。

(注4C)バンナム:「バンダイナムコエンターテインメント」の略称。ガンダムや太鼓の達人を作っているゲーム会社。

(注4D)pod筐体:ドームスクリーン型の大型筐体。主にガンダムやスターウォーズのゲームに使われる。

(注4E)セガ3D復刻プロジェクト:ニンテンドー3DS向けに、セガの名作を立体視に対応させて復刻するプロジェクトのブランド。

(注4F)ちょいKARA:ゲーセン向け小型カラオケボックス。立ったまま1曲100円で歌える。

 

5/7 まとめ ★

時は2010年末、タイトーによりビデオゲーム、ひいてはゲーセンの復権を理想に掲げたネシカを開始され、後続も現れました。

しかし、商業的な成果は兎も角、約6〜7割が格ゲーのネシカで理想を果たす事など、あまりに無理のある話だったのです。

確かに、回転率が悪く閉店が相次ぐ暗黒期を一時的にでも食い止めた要因は、対戦台のストIIによる格ゲーブームが大きいです。

…ところが皮肉にも、それが格ゲー偏重の傲慢な経営体質を固め、自ら客を追い出して第2の暗黒期を招いた経緯があるのです。

むしろネシカがゲーセンの傲慢さ、つまりネシカでも格ゲーでもないビデオゲームの撤去を助長する等、負の遺産を残しました。

勿論ネシカの功績もありますが、タイトー自身がゲーセンの体質を踏まえた積極的な工夫をしてくれれば、と思わずにいられません。

本エッセイを読んだ貴方が、ネシカは救世主だったか、ネシカで理想を果たせたか考える切っ掛けとして頂ける事を望みます。

↓ネシカもまたゲーセンに潰された被害者だったのかも知れない。
 

 

6/7 こちらもあわせてどうぞ

・僕はタイトーでゲーセンを救おうとしていました

かつて就活生であった頃、僕の考えた筐体を武器にタイトーを志望しました。それと関連したゲーセン観を述べるエッセイです。

・ダライアスバースト アナザークロニクル

本エッセイで触れた特徴に加えて、ボディソニックやヘッドホン端子の搭載により、高度な臨場感を楽しめます。

・マッハストーム

本エッセイで触れたpod筐体で出た、トップガンよろしく戦闘機モノの3Dシューティングです。

・VGF掲示板

検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。

 

7/7 最後に

もともと本エッセイは「ネシカクロスライブ」と言うコンテンツとして、ネシカ自体のレビューを書く予定でした。

ただ、オールネットやpod筐体にも触れたり、もっと踏み込んでゲーセン観を語ったりしたい、と思いエッセイに改めました。

内容自体は、たびたび旧サイトのブログで書いた事と大差ないですが、店舗数の引用で格段に説得力が増したと思います。

華やかなイメージのあった80年代や90年代後半こそ実は閉店ラッシュの時期だった点は、自らグラフ化して初めて知りました。

今回、それらを指して暗黒期としましたが、あくまで店舗数を見ての事なので、ご了承ください。

ネシカのゲームの総数と格ゲーの数は、ピクシブ百科事典を参考とさせて頂きました。

ところで、格ゲーに偏っただの対戦ゲームを潰しただの云々については、反論の余地もあるかと思われます。

例えば当時も格ゲーだけでなく雷電、ぷよぷよ、リッジレーサー、そしてバーチャコップ等、色々ヒット作があっただろう、とか。

あるいは、ループゲームが減って全体の回転率が良くなって、格ゲー以外のビデオゲームも稼ぎが増えたはずだ、とか。

その辺の事情に加え、当時の設置台数や稼ぎ、ゲーセン内での立ち位置などは僕も知りたいので、ぜひ教えて頂きたいです。

余談ですが、第1回ロケテストもどきの時点では、ストIIと対戦台の逸話を記されたサイトを見つけられませんでした。

後で見つかって安堵しましたが、敢えてリンク貼りは控えます。知りたい方は「ストii 対戦台 西谷」で検索して下さい。

第1回ロケテストもどきの最中に、「4/7」で述べた従量課金やセット販売に関する詳細を加え、かつ画像をグラフに差し替えました。

 

当初このまま正式公開する予定でしたが、リアルで貴重な反応や御意見を頂く機会があり、急きょ改良を加えました。

具体的には、注釈の仕方を一新し、詳しい人にしかピンと来ない箇所を修正した上で、第2回ロケテストもどきを実施しました。

特に注釈が大きいです。これまで多すぎると文章として破綻し、少なすぎると理解できなくなり、そのバランス取りに苦労しました。

一応、検索して最初に出る紹介文で理解できるか否かで注釈する単語を決めてバランスを取っていましたが、限界もありました。

そこで、ご意見を機にwikiタイプを閃き、文章として破綻せず理解しやすい理想的なバランスを実現できた、と自負しています。

作業し始めは非常に大変で辟易していましたが、すぐに慣れて楽しく半日で終わらせてしまいました。

何より、注釈に回して空いたスペースを使って、主文も注釈も、より多くの情報を書き込めるため、改良できて良かったです。

2017/07/15 正式公開

2017/06/27〜30 第2回ロケテストもどき実施

2017/05/30〜31 第1回ロケテストもどき実施、「4/7」を加筆・修正

 

VGFコンテンツ一覧へ移動

VGFトップページへ移動