VSHG分解・改造奮闘記
本レビューで対象とする精通度:★★★★★
(本サイト、及び、本作を含む各ジョイスティックに精通)
所要時間:約3分(最低限) or 約7分(たっぷり) or 約16分(全て)
「バーチャスティック ハイグレード(以下「VSHG」)」の改造方法をググっていて、個人的に困った事がありました。
それは、天板の開け方が詳しく書かれているサイトがなく、書いてあっても六角ナットはハサミやペンチで回せ、ぐらいな点です。
自分はペンチを持っていないし、ハサミで回そうにも思い切りが悪いのか、全くといって良いほど回せず。回し方のコツも未記載。
そこで僕は、最も確実にナットを回し、天板を開けるには7mmソケットレンチが必要だ、との結論に至りました。
そして3度のトライを経て遂に開けることに成功しました。
今回は、±ドライバーと7mmソケットレンチを用いた天板の開け方、及び、ピンセットを使ったボタンの着脱の仕方を紹介します。
ここで紹介する方法や工具よりもずっと効率の良い方法をご存じでしたら、是非とも教えてください。ただしハサミ等はなしで(笑)
↓今回使う工具の一覧。いずれもホームセンターで買える。
目次
最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、末尾が空欄の項目も是非読んで下さい。
目次より先に読んで頂いた項目です。
改造するにはまず天板から。という訳で天板の開け方を解説します。
ボタンを外したり付けたりする方法を解説します。
これまでの解説をまとめます。
本エッセイを通して得た思い出や経験について語ります。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
VSHGの天板を開けるには、まず裏の蓋から開ける必要があります。
ネジが6本あるので、プラスドライバーでサクッと外して開けます。
↓裏蓋を開けた直後。灰色の鉄板を外す必要はない。
ここで難関なのが六角ナットです。ナットを開けるには、7mmソケットレンチが必要なのですが、ナットの場所が非常に曲者です。
↓この六角ナットのせいで3度もトライする羽目に…。
具体的には、極めて深く狭い隙間だったり白の基板カバーが邪魔だったりします。
そのため、使う工具によっては物理的に直接アクセスするのが困難です。今回使う工具でも直接アクセス出来ませんでした。
プラスドライバーとソケットレンチの合体だとか、わざわざ基板カバーを外すだとかの二度手間が生じています。
前置きはこれくらいにします。
手持ちのラチェットハンドルセットは横向きにして回す設計でアクセス出来ないため、前述の通り無理やり合体させました。
↓ソケットレンチをパイルダーオン(違)!
非常に不安定なのですが、これでも回せるものです。
ちなみに、この合体の際に、マイナスドライバーに差し替えないと上手く合体できないので、ご注意を。
また、ナットが外れても、その感触が全くないため、ある程度回したところで確認しておくと、なお良いです。
前と比べてナットの外周が浮き上がっていればOKです。
なお、右上のナットのところには、何やら銀色の輪っかのカバーがありますが、恐らく外しても問題ないかと思われます。
↓ナットを外した図。
さて、一番の難関がやって参りました。
前述した通り、白い基板のカバーが邪魔で、直接アクセス出来ないのが、一番の難関たる所以です。
そうぼやいてても仕方ないので、まずはプラスドライバーでカバーを外すことから始めます。
カバーを外した後は、これまで通りナットを回してやれば良いです。
↓カバーを外した図。L2R2スタートセレクトの裏側でもある。
こうして全てのナットを外したら、いよいよ天板オープン…と言いたい所です。
が、ここで必ずカバーを元通りにするのを忘れないようにしましょう。
忘れてしまったが最後、L2R2などがボロボロと落ちてしまい、それを戻すための余計な作業を要する悲劇が待っています。
↓カバーを戻す図。とにかく、忘れた頃にトラブルが起こるものだ。
順番が前後しますが、全ての作業を終えたら、天板や裏蓋を元に戻します。
とはいえナットを全て戻さずとも、四隅だけ戻せば、まず天板が外れる事はないでしょう。もう二度と裏蓋を開けたくない?
なら、ナットのカバーだけ穴にはめて、その上からテープでも貼り付けると、良いのではないでしょうか。ただし保証はしません。
あるいは、RAP EX SEなどに使われている同じサイズの六角ネジに交換する、という手もあります。
それを探すのは面倒ですが、より安全ですし、何より裏蓋を開けてナットを外したりする手間が省けるメリットがあります。
↓写真はRAPだが、これならラチェットハンドルセットを使って直接回せる。
こうして全てのナットを外したら表に戻して、いよいよ天板オープンです。その際、レバーを持ち上げてやると簡単に開けられます。
↓この瞬間のために、長い長い苦労があった。
天板を開ける、という第1のミッションは、これにて終了です。続いて、ボタンの着脱に取り掛かります。
ボタンの着脱に重要なのは、ボタンと配線の色を間違えないことです。下表は、ボタンと配線の色の相関です。
△:黄 | ○:橙 | L1:赤 |
□:紫 | ×:青 | R1:緑 |
ファストン端子は硬くて手で引っこ抜けないので、まずは手で端子を軽く持ち上げます。
そのままの状態で、続いてピンセットを端子の隙間に差し込み、上側へひねると、てこの原理により軽く持ち上がります。
後はボタンを外して交換するなり端子の接点を綿棒で擦るなりしてから、ファストン端子をカチッと鳴るまで深く差し込めばOKです。
ただ、ボタンを外す際に、側面の突起が凹んだまま戻ってこなくなる事があるので、外すなら交換する時だけにしましょう。
余談ですが、突起が凹んだボタンをそのまま付け直した後から、そのボタンの押し心地が少しだけ鈍くなってしまいました。
↓モノによっては、マイナスドライバーでも可能らしいので、お好みで。
VSHGの天板を開けるには、最低でもプラスドライバーと7mmソケットレンチが必要です。
前者は裏蓋および白いカバーを開けるために、後者は六角ナットを外して天板を開けるために、それぞれ必要です。
白いカバーはL2R2等と直結しているため、くれぐれもその部分のナットを外した後は、カバーを戻すのを忘れないようにしましょう。
必要に応じて、ピンセットでボタンのファストン端子を外すなり、天板を手間なく開けるための工夫なりを各自で行うと良いです。
VSHGは、まず中古でしか手に入りません。
なのでボタンなどの効きが悪くなったら、ぜひ天板を開けて手入れして、末永く使ってあげてください。
↓数あるPS3用スティックの中でも特にコスパに優れるスティックだ。
ジョイスティックの改造は本エッセイの6年前にRAP EX SEを買った時からの憧れでした。
改造すれば、効かなくなったボタンを交換して蘇らせられる。
ボタンの配置を変えてキーコンフィグなしで理想のボタン配置に出来る、何よりちょっとカッコいい―――。
そう思って、先に±ドライバーやピンセットを買いました。
が、結局これといって改造に踏み切らざるを得ないほどのトラブルはなく、そのまま4年が過ぎました。
↓SEは天板のネジが六角レンチで回せるので楽。
そんな僕が改造に踏み切ったのは、中古でVSHGを買ってからでした。
このVSHG、しょっぱなから△ボタンや○ボタンの効きが少し怪しい代物だったのです。
ただ、分解するのも面倒で、1年くらいそのまま使っていましたが、使えば使うほど、その怪しさが確信に変わっていきました。
どれくらいかというと、○ボタンを10回押して1回しか反応しない事もあるほどです。
なので、鉄拳などでは肝心なところでボタンが効かずに負けまくる始末でした。
これじゃあお話になんない、ということで重い腰を上げて、ボタンが効くようにするために改造する決心を固めました。
ただ、この改造のために3回もトライして、途方もない時間を要することになるとは、まだ知る由もありませんでした。
↓これ1本で±両方に使えるが、短くて持ち辛いのが欠点。
まず1回目のトライです。裏面を開けるまでは良かったですが、蓋を開けてみると、中には見慣れない形をしたネジ、六角ナットが。
どうすれば六角ナットを回して外せるのか皆目見当もつかず、一旦ここで分解を断念せざるを得なくなりました。
これにて、1回目のトライは終了です。後にSEでないRAPには六角ナットが使われている事が分かりました。
そして、それを7mmソケットレンチで回せる事も。VSHGも同じかどうか、ここで思い切って試してみるのも良いだろう。
そう思い7mmソケットレンチにも使えるラチェットハンドルセットを買いました。ここで2回目のトライです。前回の様に裏面を開けて。
六角ナットを回そうとラチェットを近付けた、その時です。何とラチェットが溝に入れられず、物理的にアクセスできなかったのです。
横向きのラチェットに対し、溝は縦に深く狭いので当然ですが、想定外の事態にしばし呆然として、そのまま2回目のトライも終了。
買って後悔しかけた矢先、RAP EX SEの六角ネジ用のドライバーもある事に気付いたので、まあいいか、と溜飲を下げました。
↓回すのに必要な六角ネジは、左側の下から3番目の「4」だ。
そして最後のトライです。
これで何とかならないのか、と思い、ダメもとで±ドライバーと前述のラチェットに付いた7mmソケットレンチを合体させました。
そして恐る恐る回してみると…、なんとナットが外れたのです。
VSHGにもRAPと同じ六角ナットが使われていることが分かったと同時に、長く悩まされ続けた難題を克服できた瞬間です。
そうして遂に念願の分解に成功し、僕は喜びに打ち震えました。遂に、僕はこの領域に達したのだ、と。
ですが結局のところ、綿棒でファストン端子の接点を擦る程度では、いくらかボタンの効きがマシになる程度でした。
さすがに10回中1回しか反応しない、なんて事は起きにくくなりましたが、忘れた頃に効かなくなる事に変わりはありませんでした。
根本的な解決には、やはり新品のボタンを買って交換するしかないのか、と思いました。
↓ちなみに先端にある金具は、外したナットである。
ですが、この分解・改造にチャレンジして本当に良かったと思っています。これは今回の件に限らないと思います。
これまで漠然と苦手だなぁ、難しそうだなぁ、と思っていた事に取り組んで成功させると、何かしらの自信がつくものです。
もちろん、時には一筋縄ではいかないでしょう。現に、今回だけに限っても、六角ナット一つ外すのに相当な時間を費やしました。
そんな時だからこそ、どうすれば解決できるかを調べ、考え、実行し、ダメだったら一から、やり直すのが大切ではないでしょうか。
今回、調べた限りでは±ドライバーとソケットレンチを合体させるだとかピンセットでボタンを外すだとかは全く書かれていません。
それでも諦めずに、自分なりに頭をひねらせ、試行錯誤した結果、みごと目標を達成することが出来たのです。
ジョイスティックの分解・改造は長持ちさせる他、分解の過程を通して苦労し克服する達成感を味わう切っ掛けにもなります。
今のスティックならVSHGの要領で分解・改造できる筈なので是非チャレンジしてみては、いかがでしょうか。ただし自己責任でね。
↓改造できれば中古でも安心。
本エッセイで対象としたジョイスティックです。
・心に火をつける言葉
荒んだ気持ちを新たにする名言集の解説本です。その一環としてチャレンジの大切さも説いています。
キーコンフィグが保存されないため、どのスティックでも無改造では少しだけ不便なテニスゲームです。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
本エッセイのタイトルは2度も途中で変えています。
1つ目はうろ覚えですが「VSHG 天板の開け方」、2つ目は「VSHGの天板開け奮闘記」というものでした。
これらの仮題からも分かるかと思いますが、初めは分解を主題としており、改造うんぬんはオマケのつもりでした。
後で両方とも主題とした際に、可能な限り整合性を取ったつもりですが、4/7まとめを初め、所々に名残があるかも知れません。
余談ですが、まずはゲー募録を先に追い付かせるために公開を後回しにしようかと思いました。
ところが、それまでずーっとゲー募録ばかりなのも何なので、今ここで公開しました。
VSHGのリンク追加に合わせて文章量を調整し、冒頭の配置を変え縦画面デバイスで画像サイズが拡大するよう更新しました。
今と異なるスタイルで書いた文章を落とし込むのに苦労しました。極力、元のニュアンスを保ったつもりですが如何でしょうか。
公開以来、他所で紹介される程の好評を得た反面、六角ナットの数の記載が混同を招いた様です。お詫びして削除いたします。
2021/11/30 「バーチャスティック ハイグレード」へのリンクを追加
2015/04/17 「PS3版パワースマッシュ3」へのリンクを追加
2015/01/14 初公開