バーチャスティック ハイグレード

本レビューで対象とする精通度:★★★★★

(本サイト、及び、本作を含む各ジョイスティックに精通)

所要時間:約3分(最低限) or 約7分(たっぷり) or 約9分(全て)

 

概要

PS3から半年たらず、つまりPS3版VF5と同時発売のRAP3は、当時としては三和レバーの搭載と重量感が売りの高級路線でした。

しかしRAP3には決して見逃せない欠点があります。当時の家庭用ジョイスティックとしては高くデカい割に、ボタンが安物です。

また当時、主流の6ボタン汎用筐体に近い感覚を求めるには、右端のボタン2つが邪魔でした。[ソース元1] [同2]

そこに目を付けたセガのジョイスティックこそ、2007年にPS3版VF5と同時発売した「バーチャスティック ハイグレード」です。

RAP3より安く小さく三和ボタンも搭載し余分なボタン2つを排除と、RAP3のアンチテーゼとしての立場を追求しました。[ソース元1]

しかし本来は1週間後の発売を前倒しした弊害かリコール対象となり、1ヵ月弱もの空白期間を生んでしまったのです。[ソース元1]

それが祟ってかVSHGの後継品は、ごく少数ですが、他にない確かなアドバンテージは未だ愛好家の心を掴んで離さないのです。

リンドバーグユニバーサルキャビネット風のシックなデザイン。
 

 

目次

最低限の文章で済ませたい方には「」の項目のみ、たっぷり読みたい方には「」の項目も追加で読んで頂ければ幸いです。

それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、ぜひ末尾が空欄の項目も読んで下さい。

1.概要

目次より先に読んで頂いた項目です。

2.未だ色褪せない魅力 ☆

最新のジョイスティックと比べても色あせないVSHGの魅力を解説します。

3.Steamでの使い方 ☆

VSHGをSteamで使う為の方法を解説します。

4.まとめ ★

これまでの解説から、本作がどんな内容で、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。

5.思い出話

文字通り、本作に関する、個人的な思い出話です。

6.こちらもあわせてどうぞ

本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。

7.最後に

本ページについての、あとがきです。

 

2/7 未だ色褪せない魅力 ☆

2021年現在でも公式・非公式を問わず、主に海外製のジョイスティックが三和レバーやボタンを標準搭載しています。[ソース元1]

しかし、その多くはRAPV以上に高くデカかったり、非公式で不良品が混ざったりするとされ、気軽に買えるとは言い難い物です。

それに対しVSHGは三和としてはRAPV等よりも安く小さく、それでいてRAPVより重い2.8kgで抜群の安定性です。[ソース元1] [同2]

初回ロットかジャンク品でもない限り不良品に当たり難く、ボタンはファストン端子で繋がり交換し易いので中古でも安心です。

RAPVと異なりコード収納スペースはありませんがコード自体が1.8mと短く、左右の出っ張りなら僅かにあるので取り回しも大丈夫。

PS3版VF5に特化した結果、□ボタンと×ボタンが横並びである為、ボタンコンフィグが限られるPS1のゲームに合う事もあります。

確かに連射装置やL3ボタン等がなく、やや汎用性は低いですが、それでも7,678円以下ならSteam用としても申し分ないでしょう。

↓他よりボタンの同時押しが難しい、とされるが詳細は不明。
 

 

3/7 Steamでの使い方 ☆

レヴツー等、PS4中期に出た格ゲーの一部はレガシーコントローラーに対応しますが、GGSTなど後期の格ゲーは非対応です。

仮に対応しても操作遅延などの問題があります。ましてVSHGはボタン配置が他と異なる為、押し間違いが起きがちです。

しかし嘆くのは早いです。PS3と一部PS4だけでなく、少しの作業でSteamでも使える様になります。まずBigPictureモードにします。

続いて上の歯車マーク、コントローラ設定と進みPlayStation設定サポートを選んでチェックを入れ、VSHGをUSB端子に挿します。

そして検出されたコントローラ、レイアウトの決定を選び、キーボードとVSHGで1つ1つのボタンに役割を与えてセーブするのです。

光ったボタンや方向キーと同じ様に入力すれば良いですが、ボタンの位置はXbox準拠なので特に決定ボタン等に注意しましょう。

言い換えれば決定ボタン等も自由に決められるので、PS3の時と違って他のジョイスティックと同じボタン配置にも出来るのです。

↓セーブ後に変更する時は、まずキーボードの方向キーとEnterで。
 

大抵のゲームは、これとゲーム内のボタンコンフィグで十分ですが中には雷電IIIなどキーボードでしか操作できない物もあります。

そんな時は、まずライブラリから該当するゲームを選び、ゲームの管理、コントローラ設定と進めていきます。

ここで注意すべきは方向キーです。初期設定の十字キー上下左右では反応せず、キーボードの矢印に変更せねばなりません。

十字キーを選び、変えたい方向を選び、それと同じ方向の矢印を選べば変更完了です。4方向すべて変えて初めて反応します。

次はボタンです。雷電IIIを例に挙げると、Zキーがショット、Xキーがボンバーです。同じ様に当てはめたいボタンを選びます。

これまた注意点です。もし前述のレイアウト決定でPS3に準拠した場合、〇×が逆となってしまうのです。まるでPS5ですね。

その時は〇にZキー、×にXキーを当てはめればアーケード版と同じとなります。決定とキャンセルが逆なのは諦めましょう。

この様に面倒ですが、慣れればPS3等よりも遥かに自由なボタンコンフィグが可能となり、VSHGの可能性も広がるのです。

↓例えば全てのボタンにZキーを当てはめる、なんて事も可能。
 

 

4/7 まとめ ★

PS3やSteamでも使えるジョイスティックの中でもVSHGは、価格・サイズ・操作性のバランスが取れた稀有なジョイスティックです。

RAPV等よりも安く小さく、三和レバーやボタンを搭載し、それでいて重いので抜群の安定性です。ボタンも交換し易いです。

RAPVと異なりコード収納スペースはありませんがコード自体が1.8mと短く、左右の取っ手ならあるので取り回しも問題ありません。

PS3版VF5に特化した結果、□ボタンと×ボタンが横並びである為、ボタンコンフィグが限られるPS1のゲームに合う事もあります。

その分、PS3や一部PS4ではボタン配置が他と異なり押し間違いが多いですが、Steamなら少しの作業で解決できるのです。

確かに連射装置やL3ボタン等がなく、やや汎用性は低いですが、それでも7,678円以下ならSteam用としても申し分ないでしょう。

以上より、VSHGはPS3やSteam等のアケゲーが好き安い・小さい・三和の三拍子こそ至高、という方にオススメです。

↓未だPS3本体でしか遊べないアーケードゲーム等も少なくない。
 

 

5/7 思い出話

分解エッセイを書く程、愛用しつつもV4静音を買ってからは押し入れ直行でしたが、PS1のイシターで再度お世話になりました。

アーケード版と同じボタン配置で遊べるのは、PS1用の左端にL1ボタンがあるジョイスティックかVSHGしかない訳ですね。

仮にアケアカでイシターが出て完璧に復刻したとしても、物理的にVSHGほどのアーケード感覚は難しいのでは、と思うと奇跡です。

なお△ボタンの位置が全然パワスマ3に合わない、足並みの揃わなさがセガらしい所ですかね。まあ、同時押しで事足りますが。

ところでレビューの為に久々に使いましたが変わらず、どっしりとした感じや6ボタンの機能美が不思議と心地よく感じられます。

ただ変換機に繋いでもSwitchでは使えず残念でした。Steamでも作業が必要でしたし、USBが古すぎるのが原因なのでしょうか。

余談ですが昨今の汎用筐体は家庭用と同じ8ボタンが主流で、しかもセガまでビュウリックス配置だそうで、時の流れを感じます。

↓この僅かな出っ張りで、かなり持ち上げ易い。
 

 

6/7 こちらもあわせてどうぞ

・VSHG分解・改造奮闘記

タイトル通りVSHGの天板を開け、ボタンを交換するまでのエッセイです。なおレバーには全く触れていないので、あしからず。

・イシターの復活

思い出話で触れた「イシター」です。アーケードのアクションRPGで、ナムコミュージアムVOL.4に収録されています。

・JZW-Shop コントローラー変換アダプター

思い出話で触れた、VSHGには非対応の変換機です。お手持ちのコントローラーの一部をSwitch、PS3、PCで使えます。

・VGF掲示板

検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。

 

7/7 最後に

「ロケテストもどき」とは本サイトにおいて、ゲリラ的に期間限定で制作途中のコンテンツを公開する事です。

旧サイト時代の7年目にレビューした事がある為、本サイトも7年目を迎えた今がレビューの好機と思い作る事としました。

なおSCE云々の下りは明確なソース元がなく真偽不明の情報です。あえて当時の文章を、そのまま載せますが、ご注意ください。

旧サイト時代はRAP3との比較がメインでした。今回は現行のジョイスティックと比較しましたが結局、似た感じとなりましたね。

最初は三和レバーの操作性を解説する予定でしたが、他にも三和レバーのジョイスティックがあると分かったので、やめました。

またSteamの下りに苦労しました。決定ボタン等を検証する為に、色んなゲームのボタンコンフィグを何度も試して回りました。

また初回のレイアウト決定を再現する為に、わざわざ調べまくってメモ帳からSDLなんちゃらを消す等しました。

2021/11/30 正式公開

2021/11/20,23,25,27 ロケテストもどき実施

 

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