ギルティギアイグザード レヴツー
本レビューで対象とする精通度:★★★☆☆
(2D対戦格闘を除くアーケード・家庭用ゲームに精通)
所要時間:約5分(最低限) or 約42分(たっぷり) or 約49分(全て)
注釈の注釈
「専門用語(注1A)」(本文)
本文で↑を押すと注釈を読めます。
注釈を読んでから、もう一度
「専門用語(注1A)」:注釈
↑を押すと、本文に戻れます。では下の本文を、どうぞ。
「レヴツー(注1A)」は「アークシステムワークス(注1B)」が2017年にゲーセン向けに発売した「格ゲー(注1C)」です。
1998年より続く「ギルティギアシリーズ(注1D)」は長い沈黙を経て2014年、格ゲーとしてもストーリーとしても完全復活を遂げました。
新章の序幕「サイン(注1E)」は、アニメそのものの3D映像が国内外で話題を呼び、ストーリーに大きく華を添えました。
格ゲーとしても、派手ながら高速化や先鋭化が過ぎた旧作から、派手さと緩急ある分かり易さを両立し新たなファンを付けました。
続く第2幕「レベレーター(注1F)」は、一貫して続いてきた因縁の決着に向けて大きく動いたストーリーが注目を集めました。
加えて、サインに欠けていた旧作の人気キャラの復活、更なる一発逆転性と公平性の追求により、大きく活気づきました。
そして終幕レヴツーにて、レベレーターに新キャラや新エピソードを追加し、3年以上続いたGGXrdの総決算を迎えるのです。
↓これがREV2(進化)だ!
(注1A)レヴツー:「ギルティギアイグザード レヴツー」の略称。本レビューで解説。
(注1B)アークシステムワークス:レヴツーを作ったゲーム会社。近年ドラゴンボールの格ゲーを手掛けた事で話題に。
(注1C)格ゲー:「対戦格闘ゲーム」の略称。大抵はストIIみたく2体のキャラが横向きに正対して戦うジャンルを指す。
(注1D)ギルティギアシリーズ:レヴツーを含む作品群。ファンタジーとSFの壮大なストーリーや、ハードロック系の音楽が魅力。
(注1E)サイン:レヴツーの前々作。レヴツーより前のストーリーが展開。サインから始まる新章を纏めて「GGXrd」と呼ばれる。
(注1F)レベレーター:レヴツーの前作。全ての要素がレヴツーに入っている他、これを持っていればレヴツーを2000円で買える。
目次
最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、ぜひ末尾が空欄の項目も読んで下さい。
目次より先に読んで頂いた項目です。
かつて対戦格闘ゲームの特権であった映像美を、如何にレヴツーが復権させたか考察します。
如何にレヴツーの映像美が、作風にまで良い影響を与えたか考察します。
レヴツーを象徴する派手で奥深い攻防を考察します。
オフライン派にも納得の、やり込み要素を解説します。
ネットワークを介した対戦の利便性を解説します。
これまでの解説から、本作がどんなゲームで、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。
文字通り、本作に関する、個人的な思い出話です。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
「レヴツー(注2Aa)」を初めとする「格ゲー(注2Ba)」の良さを語る上で、極めて魅力的なキャラ造形を外す事は出来ませんでした。
それは、画面に対して大きなサイズ、緻密なデザイン、そして多彩かつ滑らかな動作の全てを兼ね備えている点を意味します。
かつてゲームと言えば、豆粒の様な小さなキャラが、広大かつ複雑なフィールドをアクロバティックに駆ける内容が主流でした。
その内容で、うかつにキャラ造形を追求すると、視認性やスピード感を大きく損なった、面白くないゲームと化す恐れがありました。
それに対して、基本的に格ゲーは画面内に登場するキャラが2体と少なく、フィールドも平坦で狭い傾向にあります。
そのため、他のジャンルよりもキャラ造形を追求し易く、魅力的なキャラが所狭しと暴れ回る映像美を実現できたのです。
特に、1993年の「バーチャファイター(注2Ca)」は格ゲーだから出来たリアルな映像美で、新たなステップへと導く事となるのです。
↓ただ立っているだけでも躍動感を見せてくれる。
しかし、皮肉にも2Dから3Dという新たなステップへと導かれた点は、「格ゲー(注2Bb)」の利点を奪う結果を招いたのです。
3Dポリゴンが進歩すればする程、あらゆるジャンルで視認性、スピード感、そして映像美を兼ね備える事は容易くなる一方です。
それと共に、ほぼキャラに格闘しかさせられず、それ以外の方向で魅力を表現し辛い格ゲーの欠点が目立ち始めていきました。
そんな中、少なくとも映像美やキャラが目当てならば、敢えて格ゲーに拘る必然性が無くなっていった訳です。
映像美を抜きにしても、21世紀からは3Dで表現された、広大かつ複雑なフィールドを歩き回るゲームが好まれる傾向にあります。
その恩恵を活かし、2体と言わず数十体ものキャラが入り乱れる対戦ゲームも台頭し、新たなムーブメントとなりました。
一方、相変わらず格ゲーは昔ながらのスタンスを貫いています。面白さや人気は兎も角、時代に取り残された感は否めません。
あの「バーチャファイター(注2Cb)」とて時代と共に映像美や作風の利点を失い、事実上の終焉を迎えた点が、その象徴なのです。
↓スタンスから外れた格ゲーは、格ゲーとは扱われ難い。
そんな状況に待ったを掛け、再び「格ゲー(注2Bc)」だから出来る映像美を実現すべく現れたのが「サイン(注2Da)」です。
サインから「レヴツー(注2Ab)」に至るまで追求した映像美とは、3Dで2Dアニメの質感を実現する「トゥーンシェード」の洗練です。
トゥーンシェードは少なくともPS2の代より親しまれる一方、何かが違う、との感想を抱いてきた方も少なくない事でしょう。
結論から言うとサインは、その「何かが違う」を可能な限り排除し、ファンから驚きと賞賛を持って迎えられたのです。
カクカクしつつもキビキビ動くリミテッドアニメ、1コマごとに調整された迫力ある嘘パース、そして鋭い陰影が大きいです。
その結果、ここぞとばかりにカメラアングルも、見てくれも、そして動きも「決まっている」2Dアニメの質感を見せつけたのです。
これは、カメラアングルやフィールドが大きく制限されている2D格ゲーだから出来る映像美と言っても過言ではありません。
追求を続けて4年、この映像美がドラゴンボールの格ゲーに応用され、名実ともに全世界を驚かせ賞賛させる事となるのです。
↓後から加わったキャラほど、より高いクオリティに。
(注2Aa)レヴツー:「ギルティギアイグザード レヴツー」の略称。本レビューで解説。
(注2Ab)レヴツー:上記2Aaを参照。1ラウンド目の視点移動や炎や雷に照らされる演出など、サインよりも高い表現力に。
(注2Ba)格ゲー:「対戦格闘ゲーム」の略称。大抵はストIIみたく2体のキャラが横向きに正対して戦うジャンルを指す。
(注2Bb)格ゲー:上記2Baを参照。同じ格ゲーでも派手さ命の2Dとリアルさ命の3Dに分かれる。ちなみにレヴツーは2D。
(注2Bc)格ゲー:上記2Ba,2Bbを参照。時代に取り残されたと書いたが、未だ根強く支持され海外で数百万も売れる格ゲーもある。
(注2Ca)バーチャファイター:セガの格ゲー。現実の格闘技さながらの映像美は人々の度肝を抜き、世に3Dポリゴンを広めた。
(注2Cb)バーチャファイター:上記2Caを参照。2010年を最後に新作が出ず、2015年にネットワークサービスも終了済み。
(注2Da)サイン:レヴツーの前々作。レヴツーより前のストーリーが展開。サインから始まる新章を纏めて「GGXrd」と呼ばれる。
「レヴツー(注3Aa)」が追求してきた映像美には、3種類の良い影響を作風に与える副次的効果もあります。
第1の影響は、展開の緩急です。
かつての「ギルティギアシリーズ(注3Ba)」は余りにスピーディーかつ先鋭化が過ぎた作風で、良くも悪くも玄人向けでした。
対戦動画のイメージに違わず、いったい何が起きているのか理解できず、頭や手が追い付かず多くのプレイヤーが脱落しました。
そこで、レヴツーでは映像美による派手な演出を利用し、うまく緩急を付ける工夫が施されています。
具体的には、「ダストアタック(注3Ca)」や大半の「覚醒必殺技(注3Da)」には、専用の演出が入って戦闘が一時停止します。
旧作よりかは停止する時間が長い分、頭や手が追い付き易く、脱落したプレイヤーへのアプローチに繋がっているのです。
↓ダストアタックが当たると視点が変わるので判断し易い。
展開の緩急は、それだけに留まらず、ゲームシステム的にも大きく後押しがされています。
特に、「ロマンキャンセル(注3Ea)」で起こるスロー化や、稀に発生する「デンジャータイム(注3Fa)」の搭載が大きいです。
かつての「ギルティギアシリーズ(注3Bb)」にはスロー化など無い上に、更に効果を高める難しいテクニックの修得が必須でした。
それによるスピーディーさや奥深さが魅力である一方、これまた頭や手が追い付かず多くのプレイヤーが脱落しました。
そこで、「レヴツー(注3Ab)」では前述のシステムを搭載する事で、更なる展開の緩急を試みたのです。
ロマンキャンセルすると、スロー化と共にキャラが光って暗転するため比較的、頭や手が追い付き易くなっています。
加えて、難しいテクニックが廃止され、ロマンキャンセルを使える機会が増えた為、より豊富な行動を取り易くなっています。
更に、デンジャータイムで運が良ければ上級者にギャフンと言わせる事も夢でなく、正にロマンに溢れているのです。
↓互いの攻撃が、ぶつかり合ったらデンジャータイムに用心。
第2の影響は、土俵際の駆け引きの強化です。
具体的には、瀕死になると「覚醒必殺技(注3Db)」の威力が上がり、かつ「一撃必殺技(注3Ga)」の仕様変更がなされています。
かつての「ギルティギアシリーズ(注3Bc)」では覚醒必殺技も一撃必殺技も、レヴツーと比べると地味な存在であったと思われます。
何故なら覚醒必殺技でコンボ技を締めるよりも、「ロマンキャンセル(注3Eb)」でコンボ技を伸ばす方が高威力である為です。
まして一撃必殺技には、決め辛く前後に「テンションゲージ(注3Ha)」が消滅してしまう甚大なリスクがあり、自殺行為も同然でした。
よって、上達すればする程、基本的には覚醒必殺技や一撃必殺技に頼る必要が無く地味な存在であったと思われる訳です。
しかし、「レヴツー(注3Ac)」では大半の覚醒必殺技や全ての一撃必殺技に、映像美をフル活用したド派手な演出があります。
地味なままでは折角の演出が無意味となり、かと言って強くすると大味なゲームと化してしまうジレンマがあった筈なのです。
↓なお、一撃必殺準備したままでは体力が減り続ける。
そこで、「レヴツー(注3Ad)」では一定の条件を満たした時のみ強化する事で、奥深さと演出のバランスを取るに至ったのです。
まず、瀕死の時の「覚醒必殺技(注3Dc)」はコンボ技の締めでも、下手な「ロマンキャンセル(注3Ec)」をも上回る程の威力です。
加えて、「BURSTゲージ(注3Ia)」も使った「バースト覚醒必殺技(注3Ja)」ならば、より高い威力で一発逆転を狙えるのです。
続いて、下記3つの条件を全て満たすと、「一撃必殺技(注3Gb)」に隙が無くなりコンボ技に組み込める様になります。
(1)自分が、あと1ラウンド取れば勝ち瀕死に近付くほど丈夫となり、かつ「サイクバースト(注3Ka)」を使われ易いですが一撃必殺技で、それらを封じてトドメを刺せます。
なお、時にバースト覚醒必殺技との使い分けが重要で、瀕死の相手に逆転され兼ねない土俵際の駆け引きが見所なのです。
↓カットインが入る物のみ、バースト覚醒必殺技として使用可能。
最後に、ストーリーの展開です。
「エピソードモード(注3La)」では各キャラごとに殆ど異なるストーリーが、フルボイスで3段階の寸劇に分かれて展開されます。
そのうち最初と最後が、まるでアニメ映像のように展開されるのです。
中間は戦闘中と同じ映像ですが、場面ごとに適切なモーションを上手く使われており、見応えは十分です。
「ストーリーモード(注3Ma)」に至っては、寸劇どころか1クール+αもの長さのアニメ映像が展開されます。
そう、下手な商業アニメをも上回るクオリティのアニメ映像が、新たに買うなら4800円ほどで楽しめるのです。
よって、ストーリーモードだけを見ても一般的なアニメと比較して、破格のコストパフォーマンスである点は間違いありません。
これもひとえに、完全にアニメそのものな映像美があってこそ、です。
↓関連するキャラ同士で、ストーリーが複雑に絡み合う。
以上より、「レヴツー(注3Ae)」が持つアニメそのものの映像美は、作風に良い影響を与えました。
スピーディーな展開への緩急、土俵際の駆け引きの強化、そしてアニメの様に魅せてくれるストーリー。
いずれも、かつて脱落したプレイヤーはもちろん、全く新しいファンをも引き込むパワーに溢れているのです。
↓渾身の一撃!!そのパワーは天変地異を引き起こす。
(注3Aa)レヴツー:「ギルティギアイグザード レヴツー」の略称。本レビューで解説。
(注3Ab)レヴツー:上記3Aaを参照。ロマンキャンセルのスロー化に伴い、難しい青キャンは廃止。
(注3Ac)レヴツー:上記3Aa,3Abを参照。旧作でも演出は凝っていたが、ドット絵ゆえに限界があったのも事実。
(注3Ad)レヴツー:上記3Aa〜3Acを参照。ただ、こちらはこちらで演出が長くなった点は意見が分かれる所か。
(注3Ae)レヴツー:上記3Aa〜3Adを参照。ちなみにPS3でプレイするには前作「レベレーター」が必要。
(注3Ba)ギルティギアシリーズ:レヴツーを含む作品群。ファンタジーとSFの壮大なストーリーや、ハードロック系の音楽が魅力。
(注3Bb)ギルティギアシリーズ:上記3Baを参照。青キャンと言って、難しいテクニックでエネルギー消費を半減させられたとか。
(注3Bc)ギルティギアシリーズ:上記3Ba,3Bbを参照。ちなみに初代のみ一撃必殺技も覚醒必殺技も、何もかも強すぎた代物とか。
(注3Ca)ダストアタック:出が遅く隙が大きいが、立った状態でしかガード出来ない攻撃。当てればコンボ技で大ダメージを狙える。
(注3Da)覚醒必殺技:いつでも出せる必殺技よりも強い「超必殺技」。一定のエネルギーが必要で、出すのも難しい。
(注3Db)覚醒必殺技:上記3Daを参照。使い勝手はキャラにもよるが、概ね威力や無敵時間に優れ、劣勢を覆し易い。
(注3Dc)覚醒必殺技:上記3Da,3Dbを参照。瀕死の時は威力が約1.2倍となる。
(注3Ea)ロマンキャンセル:一定のエネルギーを使い、より高度な攻め込みや危険の回避、そしてフェイント等を可能とする行動。
(注3Eb)ロマンキャンセル:上記3Eaを参照。当然ながらコンボ技を伸ばすには、それなりの練習が必要。
(注3Ec)ロマンキャンセル:上記3Ea,3Ebを参照。加えて、コンボ技の途中で相手に中断させられる事もあるデメリットもあり。
(注3Fa)デンジャータイム:3カウント後、10秒だけ突入。この間に1発だけ喰らうと隙だらけとなる、文字通り危険な時間。
(注3Ga)一撃必殺技:文字通り相手を一撃で倒す大技。出すには、まず隙だらけの「一撃必殺準備」を経る必要あり。
(注3Gb)一撃必殺技:上記3Gaを参照。実際にコンボ技に組み込むにはテンションゲージが100%必要。
(注3Ha)テンションゲージ:便宜的に述べてきた「エネルギー」の事。前進や攻撃など積極的な行動で最大100%貯まる。
(注3Hb)テンションゲージ:上記3Haを参照。ロマンキャンセルに25〜50%、(バースト)覚醒必殺技に50%が必要。
(注3Ia)BURSTゲージ:体力ゲージ下の「BURST」の文字。バースト覚醒必殺技を使える時は水色に輝き雷が、ほとばしる。
(注3Ja)バースト覚醒必殺技:覚醒必殺技よりも強い「MAX超必殺技」。1.25〜1.5倍の威力で、無敵時間も更に長い。
(注3Ka)サイクバースト:BURSTゲージ全てを使って近くの相手を吹っ飛ばす緊急回避技。これで相手のコンボ技を中断できる。
(注3La)エピソードモード:いわゆるCPU戦。コンピュータが操る相手と戦い、全8戦を勝ち抜く。
(注3Ma)ストーリーモード:エピソードモード後の物語を繰り広げる。専門用語が出たら△ボタンで調べられる。
「レヴツー(注4Aa)」を初めとする「格ゲー(注4Ba)」の魅力には、シンプルな目的に対する戦術や戦略の奥深さが挙げられます。
目的は、ただ一つ。先に相手の体力ゲージを0まで減らす事のみです。相手に攻撃を当てれば、体力ゲージを減らせます。
ただし、攻撃をガードされては相手の体力ゲージをロクに減らせないばかりか、反撃される恐れがあります。
そこで、適切なフットワークやガードで相手の攻撃を捌き、こちらの攻撃を当てる為の戦術や戦略が求められます。
固いガードには近付いて投げ飛ばし、しつこい投げには打撃で追い払い、執拗な打撃にはガードで様子見、と言った三すくみ。
加えてジャンプに必殺技、はたまたフェイントも絡めた多種多様な戦術や戦略が予想され、完璧に読み切るのは困難です。
その上で出来るだけ相手の弱点や癖を読み、練習してきたコンボ技で叩きのめして勝つ爽快感、それが格ゲーの魅力なのです。
↓キャラが違えば戦術や戦略も全く違ってくる点も奥深さの所以。
そんな「格ゲー(注4Bb)」の中でも「レヴツー(注4Ab)」は、際立って攻めて攻めて攻めまくる派手な高揚感を追求しています。
地上、空中を問わず前方へのダッシュが速く、概ね好きな順に5つの攻撃ボタンを押して、流れる様な連続攻撃を繰り出せます。
攻撃後も、間髪入れず必殺技を出したりジャンプしたり、ジャンプ後にダッシュしたりして、怒涛の勢いで絶え間なく攻め込めます。
「テンションゲージ(注4Ca)」があれば「ロマンキャンセル(注4Da)」で、更なる勢いで、変幻自在に攻めて相手を圧倒できるのです。
もしガードされ続けたとしても、基本的に自分のテンションゲージや相手の「リスクゲージ(注4Ea)」が蓄積する分、優勢を保てます。
その勢いで相手を転ばせた後は、起き上がりを狙って次なる猛攻を仕掛けて、また転ばせ、といったサイクルが見込めます。
一方、そんな猛攻に対して逃げ腰でいると、テンションゲージが貯まり難くなり気絶し易くなるペナルティを受ける事となります。
このようにレヴツーは、攻めて攻めて攻めまくる事を推奨したゲームです。緊張の果てに、至福の高揚感が待っているのです。
↓相手の起き上がりに飛び道具を重ねるのが無難。
しかし、攻められる側とて黙ってサンドバッグとなる必要は無く、防御の手段も豊富に用意されているのです。
まず、空中に吹っ飛ばされたりゴロゴロさせられたりしても、「受け身(注4Fa)」を取って追撃を逃れる事が出来ます。
仮に転ばされて起き上がりを狙われたとしても、即座に必殺技を出して返り討ちにも出来ます。
続いて「テンションゲージ(注4Cb)」があれば、相手を引き離したり弾いたり、ガード後すばやく反撃したり出来るのです。
何より「BURSTゲージ(注4Ga)」があれば、「サイクバースト(注4Ha)」で危機を脱して主導権を奪い返す事も、夢では無いのです。
とは言え、これらを乱用すれば攻めに使うゲージが無くなりジリ貧に陥ったり、読まれて潰されたりする恐れがあります。
それはサイクバーストとて例外では無く、使い所を間違えれば効果が薄いどころか逆効果にもなり兼ねません。
その場の窮地を凌ぐ他、時に先を見据えた戦略的撤退も求められる等、頭脳戦も勝敗を左右する重要なポイントなのです。
↓慣れないうちは、早めにサイクバースト。
以上より、「レヴツー(注4Ac)」は攻めて攻めて攻めまくる派手な高揚感や、防御面の頭脳戦を追求した作風です。
紹介した例の他にも、ハイリスクハイリターンな必殺技を「ロマンキャンセル(注4Db)」してリスクを無くす攻防一体の手もあります。
このように、取れる行動が極めて多く、派手で奥深い駆け引きを楽しめるが故に、実にハードルが高い部類に入ります。
ダッシュやコンボ技の忙しなさに慣れた上で、各種ゲージを見て適切な行動を瞬時に判断し、実行しなければ勝てないのです。
それが出来ず、ただただサンドバッグにされ続けた苦い経験をされた方も、少なくない事でしょう。
確かに、かつての「ギルティギアシリーズ(注4Ia)」より格段に易しいのですが、根本的に玄人向けである点は否めません。
それでも崖っぷちの中、相手の一瞬の隙を付いて形勢逆転し、勝った時の快感を経験してきた方が多い点もまた事実なのです。
相手の猛攻をクールに凌ぎ、こちらの猛攻で相手を圧倒する血沸き肉躍る高揚感を味わえるゲーム、それがレヴツーなのです。
↓これで、おしまいだッ!!(時に自分が)
(注4Aa)レヴツー:「ギルティギアイグザード レヴツー」の略称。本レビューで解説。
(注4Ab)レヴツー:上記4Aaを参照。ストIIとは全く異なる作風だが、根っこのジャンケン的な駆け引きは共通している筈。
(注4Ac)レヴツー:上記4Aa,4Abを参照。ちなみに弾き動作を長時間続け、そのまま殴り返す事も可能。
(注4Ba)格ゲー:「対戦格闘ゲーム」の略称。大抵はストIIみたく2体のキャラが横向きに正対して戦うジャンルを指す。
(注4Bb)格ゲー:上記4Baを参照。必殺技と言えば波動拳(飛び道具)、昇龍拳(対空技)、そして竜巻旋風脚(突進技)が有名。
(注4Ca)テンションゲージ:前進や攻撃など積極的な行動で最大100%貯まる。勝敗に関わらず次のラウンドへ移ると0%に。
(注4Cb)テンションゲージ:上記4Caを参照。引き離すのは時間に比例した量、弾くのは25%、反撃するのは50%が必要。
(注4Da)ロマンキャンセル:25〜50%のテンションゲージで、より高度な攻め込みや危険の回避、そしてフェイント等が出来る行動。
(注4Db)ロマンキャンセル:上記4Daを参照。ただし、そういう必殺技を空振りするとロマンキャンセルも不可能に。
(注4Ea)リスクゲージ:正式名称「R.I.S.C.レベルゲージ」。普通にガードすると増加。そのまま喰らうと被ダメージが上がる。
(注4Fa)受け身:レヴツーでは、空中で体勢を整えて着地する動作を指す。ダメージを抑えるのが目的である点は原義と同様。
(注4Ga)BURSTゲージ:体力ゲージ下の「BURST」の文字。時間経過で全ての文字に色が付くとサイクバーストが可能に。
(注4Ha)サイクバースト:BURSTゲージ全てを使って近くの相手を吹っ飛ばす緊急回避技。これで相手のコンボ技を中断できる。
(注4Ia)ギルティギアシリーズ:レヴツーを含む作品群。ファンタジーとSFの壮大なストーリーや、ハードロック系の音楽が魅力。
これまで述べた通り「レヴツー(注5Aa)」は玄人向け、と言わざるを得ません。強い人に勝ちたいなら、なおさらです。
そもそも「格ゲー(注5Ba)」自体の根本的な作りからして玄人向け、と感じたとしても無理ありません。
よく上級者が繰り出す華麗なコンボ技は格ゲー最大の華ですが、それを真似するには大変な苦労が必要です。
まず基礎の基礎を身に付けた上でスポーツの様な反復練習をし、更に確実に決める為の立ち回りや読み合いが不可欠です。
逆に、初心者にありがちな適当にボタン連打するプレイではペチペチするだけで、華麗なコンボ技など夢のまた夢だったのです。
そこで、レヴツーでは「スタイリッシュモード(注5Ca)」を搭載し、初心者のプレイでも華麗なコンボ技を現実の物としたのです。
これを選び、難易度を最も簡単とし、よほど猪突猛進してばかりでなければCPU戦でボロ負けする事は、そうそう無いでしょう。
↓それでも負けるなら、ポーズしてアドバイスを読んで再戦だ。
これでCPU戦をクリア出来る様になる事で、実に3種類もの、やり込み要素が楽しめます。
第1のやり込み要素は、ギャラリーの解禁です。
まず、「エピソードモード(注5Da)」をクリアする事で、クリアしたキャラのオープニングとエンディングが解禁されます。
キャラは全部で25人いるので、1日1人クリアするだけでも1ヵ月ぐらいは遊べる計算となります。
更に、クリアする度に「W$(注5Ea)」が手に入ります。これを稼ぐ事で、より多くの内容を解禁できる様になるのです。
解禁できる内容はポスター等のイラスト、一部のボイス、旧作の一部の曲、そしてキャラの別カラーなど多岐に渡ります。
特にボイスはゲーム中でカットされた部分、「ロケテスト(注5Fa)」でのみ聴けた台詞、そして声優のコメントなど聴き応え抜群です。
オープニングとエンディングも含めて実に300を超える数の内容なので、全て解禁するだけでも長い時間、楽しめる事でしょう。
↓ただ、残念ながら寸劇は観られず。
ただし、ギャラリーを直接、解禁するには1つ辺り500〜10000「W$(注5Eb)」と高額で、コンプリートには途方もない金額が必要です。
そこで、「釣り(注5Ga)」をする事で、格安かつ効率よく解禁できる様になるのです。
加えて、釣りならば1人を除き「サイン(注5Ha)」に登場する16キャラ分の「システムボイス(注5Ia)」を入手できる点が大きいです。
システムボイスは全25キャラ分がDLCとして3000円で買えますが、それに抵抗のある方も少なくない事でしょう。
しかし、運よく釣りで入手できれば、わざわざ買わずともキャラの個性が発揮されたシステムボイスを楽しめるのです。
オプションで再生するシステムボイスを毎回ランダムで変える事も出来、より新鮮な感覚でゲームに臨めること間違いなしです。
気に入ったら釣りで手に入らない9キャラ分のうち好きなキャラを300円で買うか、いっそ3000円で全て買うのも良いでしょう。
ただ、釣りを続けるほどハズレを引かされがちで非効率となります。それからギャラリーを直接、解禁するのが近道です。
↓システムボイスを16キャラ集めるのに時間が掛かる。
第2のやり込み要素は、「ギルティギアシリーズ(注5Ja)」の辞典です。
ギルティギアシリーズの世界に関する出来事や用語を読む事が出来、「ストーリーモード(注5Ka)」を進める度に追加されます。
ギルティギアシリーズは20年近くの間に、ゲームの内外で本編のみならず数多くの番外編が展開されてきました。
時に、それらのストーリーまでもが本編に関わる上に、当の本編が別ジャンルとなった事もあり、ファンは混乱しました。
一方で、なかった事にされた設定も少なくないとされ、全体のストーリーを追いかけるのは著しく困難と言わざるを得ません。
そこで、辞典を用意する事で、ギルティギアシリーズの壮大すぎるストーリーを追いかける余地が出来たのです。
ストーリーの幹根に関わる重要な内容からトリビア的な裏設定、そして開発スタッフまで、これ1つで全て読み尽くせます。
実に400以上もの内容が収録されており、読んだ内容に関連した別の内容を次々と読んでいくだけでも、長く楽しめる筈です。
↓小説やパチスロが本編に関わると言うのだから驚きだ。
最後に、充実した練習モードです。
これまで「スタイリッシュモード(注5Cb)」で、やり込み要素を堪能できる、と書きました。
しかし、スタイリッシュモードには勝手に「テンションゲージ(注5La)」を使ってまで弱いコンボ技を繰り出してしまう欠点があります。
それはつまり、自ずとコンボ技の威力が減り、テンションゲージを使った行動を取り辛くなり、上を目指せない事を意味します。
そこで、練習モードを活用する事でスタイリッシュモードを卒業し、上を目指す事が現実的となるのです。
まず「チュートリアル(注5Ma)」でフットワークやガード、基礎的な攻撃、そして「ロマンキャンセル(注5Na)」について学べます。
ただ学べるだけでなく、横スクロールアクション然とした構成であり、経験者にとっても新鮮です。
一通りクリアすると、今度はミニゲームが解禁され、スコアも競える等、やり込みのみならず友達とも楽しく遊べるのです。
↓習うより慣れよ。
それに慣れてきたら今度は、「COMBO(注5Oa)」や「ミッション(注5Pa)」で更なる上達が見込めるのです。
加えて、いずれも相当な数の題目が用意されている点が特徴です。
具体的には、ミッションだけでも全部で100以上あり、COMBOに至っては必殺技も含め、1キャラごとに30以上もあります。
つまり、単純計算で25×30=750という、やり込み要素として申し分ない数の題目が用意されているのです。
もちろん、後の題目ほど難しくなる為、全てクリアするには一筋縄では行かず、やり応えは十分です。
一つ一つ題目をこなさんと四苦八苦し、みごと成功し身に付けた時の達成感は、楽器や音楽に通じる物があります。
全てと言わず、半分ほどクリアしてCPUに楽勝できる様になった時、何事にも代え難い充実感を味わえる事でしょう。
そして難易度を上げて「エピソードモード(注5Db)」をクリア出来れば、より楽しく効率よく「W$(注5Ec)」を稼げるのです。
↓COMBOを基に、自分なりのコンボ技を編み出そう。
以上より「レヴツー(注5Ab)」には、無理して対戦しなくても十分に楽しめるだけの、やり込み要素があるのです。
最低難易度かつ初心者向け操作で、各キャラのストーリーを解禁しつつ、ギャラリーの解禁に乗り出せます。
ストーリーと言えば、かなりの大ボリュームの辞典を読みふける事で、理解を深めつつ長い時間を潰せます。
それに飽きたら練習モードで、やり込み要素を楽しみつつ上達し、より効率よく解禁できます。
確かに他のジャンルと比べてセンスが求められる上に、成功に向けた手本やヒントの教示に乏しい嫌いは否めません。
特に、タイミング命の題目において、具体的なタイミングが全く教示されない点は、不親切と言わざるを得ません。
それだけに試行錯誤の末に成功した時の達成感も、ひとしおなのです。
そしてコンプリートを果たし、CPU相手では物足りなくなった貴方の為に、対戦という次なるステップが用意されているのです。
↓順を追って、膨大すぎる行動やテクニックを覚えられる。
(注5Aa)レヴツー:「ギルティギアイグザード レヴツー」の略称。本レビューで解説。
(注5Ab)レヴツー:上記5Aaを参照。新キャラの追加に合わせて題目も追加。
(注5Ba)格ゲー:「対戦格闘ゲーム」の略称。大抵はストIIみたく2体のキャラが横向きに正対して戦うジャンルを指す。
(注5Ca)スタイリッシュモード:初心者向けの操作モード。ボタン連打でコンボ技が出来、コマンド入力なしでも必殺技を出せる。
(注5Cb)スタイリッシュモード:上記5Caを参照。ただ、コマンド入力なしで出す必殺技は、ありと比べて弱くなる事も。
(注5Da)エピソードモード:いわゆるCPU戦。コンピュータが操る相手と戦い、全8戦を勝ち抜く。
(注5Db)エピソードモード:上記5Daを参照。最低難易度でも、上手にプレイし過ぎると難易度が上がってしまうので注意。
(注5Ea)W$:「ワールドドル」というゲーム内通貨。エピソードモードの難易度が高いほど、多く貰える。
(注5Eb)W$:上記5Eaを参照。エピソードモードのクリア以外にも多く貰える方法あり。
(注5Ec)W$:上記5Ea,5Ebを参照。50万W$の消費によりPS4(3)のトロフィーが解禁。
(注5Fa)ロケテスト:ゲーセンのゲームにおいて人気や改善点を洗い出すべく、完成前のゲームを期間限定で一般公開する事。
(注5Ga)釣り:いわゆるガチャ。1回200W$で1つのギャラリー等をランダムで解禁する。10回まとめて引く事も可能。
(注5Ha)サイン:レヴツーの前々作。レヴツーより前のストーリーが展開。サインから始まる新章を纏めて「GGXrd」と呼ばれる。
(注5Ia)システムボイス:様々な状況を告げるナレーション音声。例としては「○○VS××」など。
(注5Ja)ギルティギアシリーズ:レヴツーを含む作品群。ファンタジーとSFの壮大なストーリーや、ハードロック系の音楽が魅力。
(注5Ka)ストーリーモード:エピソードモード後の物語を繰り広げる。専門用語が出たら△ボタンで調べられる。
(注5La)テンションゲージ:前進や攻撃など積極的な行動で最大100%貯まる。勝敗に関わらず次のラウンドへ移ると0%に。
(注5Ma)チュートリアル:レヴツーでは、主に基本操作を学べる。原義通り、キャラによる個別指導で進行。
(注5Na)ロマンキャンセル:25〜50%のテンションゲージで、より高度な攻め込みや危険の回避、そしてフェイント等が出来る行動。
(注5Oa)COMBO:各キャラごとに用意された題目と同じ必殺技やコンボ技を実践していくモード。
(注5Pa)ミッション:実戦で、よくある状況のシミュレーションで、与えられた指示通りに行動していくモード。
「格ゲー(注6Aa)」と言えば対戦、対戦と言えば格ゲー、と言っても過言でない程、両者は密接に結び付いています。
人間同士の対戦とCPU戦の違い、それは相手の豊富な行動パターンや強さです。
確かにCPU戦も難易度が何段階にも分かれており、最高難易度となると生半可な腕前では太刀打ち出来ません。
しかし、それでも行動パターンは限られており、腕前が上がるほど物足りなさを感じてしまう方もいらっしゃる事でしょう。
そこで対戦に乗り出せば、CPU戦と一線を画す豊富なプレイを楽しめる様になるのです。
同じキャラでも、その人の個性や心理によって全く違う行動パターンとなり、プレイヤーの数だけ無限の可能性があるのです。
一方、CPU戦より遥かに強すぎて嫌にもなりましょうが、100時間どころか一生かけても極められない世界、それが対戦なのです。
↓やり込み要素は有限だが、対戦は無限なり。
しかし、2000年代半ば頃まではゲーセンにしろ家にしろ、満足に対戦するのは極めて困難でした。
長らく腕自慢の知らない人と対戦できる場として、ゲーセンが重宝されましたが、決して少なくない障害を乗り越えねばなりません。
具体的には、78デシベルもの騒音、宙に舞う副流煙、そして一部マナーの悪い相手を前にしても折れない精神力が必要です。
加えて、負けた時点でゲームオーバーなので、対戦で負け続ければ、あっという間に100円玉が次々と財布からバイバイします。
ついでに、後から「乱入(注6Ba)」する場合はウォームアップすら出来ず、ぶっつけ本番で実力を100%発揮するのが難しいです。
逆に、意に反して無断で乱入されて一方的にボコられる事など日常茶飯事です。同じくらいの腕前の相手など、そうそう居ません。
一方、家で対戦するのは輪をかけて困難です。仮に人を呼んだ所で、お互い本気を出せる満足な対戦が出来るとは限りません。
このように、余程の幸運や精神力、そして財力が無い限り、満足に対戦するのは極めて困難だったのです。
↓ゲーセンではボタン配置が限られる点も辛い。
一応ごく少数ながら、その時期の家庭用の「格ゲー(注6Ab)」にもネットワーク対戦できた物はありますが、普及しませんでした。
何故なら、専用の周辺機器が必要で利用料金も高額、多少の操作遅延がありゲームに支障をきたす等の問題があった為です。
よしんば、それらの問題を受け入れたとしても、数年でサービスが終了してしまいネットワーク対戦できなくなってしまうのでした。
しかし2000年代後半、転機が訪れました。ネットワークやハード・ソフト側の進歩で、本格的に前述の問題が解決されたのです。
その流れに乗るべくネットワーク対戦が搭載された格ゲーが急増し、にわかに活気づいた点が記憶に新しい方も居るでしょう。
それはつまり、かつての様な幸運や精神力、そして財力が無くとも、容易く満足に対戦できる事を意味しているのです。
むろん、ゲームや回線にも左右されますが、概ねCPU戦と遜色ない程度に操作遅延が抑えられている点は言うまでもありません。
後に格ゲーのネットワーク対戦はゲーセンにまで広がる等、格ゲーに無くてはならない存在へと成長する事となるのです。
↓精神力うんぬん以前にゲーセンが無い。
これまで述べた点は家庭用の「レヴツー(注6Ca)」とて例外では無いばかりか、実に2つの強みを抱えています。
1つは、「ランクマッチ(注6Da)」における段位の決め方です。
レヴツーでは、最初の10戦までの勝率に応じて、然るべき段位に決まる方式を採用しています。
「サイン(注6Ea)」を始め一般的な「格ゲー(注6Ac)」では、誰もが最低段位からスタートする方式です。
しかし、それでは勝率1%の初心者と、勝率100%近くの上級者が同じく低い段位に混在してしまう致命的な欠点があります。
その先に待つのは、一方的な試合展開ばかりで初心者も上級者も得しない、ランクマッチの趣旨が崩壊した地獄絵図です。
そこで、レヴツーでは然るべき段位に決まる方式とする事で、より同じくらいの腕前の相手と対戦し易い環境を用意したのです。
確かに段位決定後は勝率が考慮されず完璧とは言えませんが、格ゲーとしては抜きん出て有意義な対戦を楽しめる事でしょう。
↓10段まで降格なしだが、勝てなければ昇格する事も無い。
もう1つは、1〜2回までの連戦です。
他の「格ゲー(注6Ad)」では、1回の対戦で相手と別れさせられる物が大半でした。
よって、結果を問わず不完全燃焼な感じが残ってしまう他、また1から相手の探し直しで時間が掛かる問題点がありました。
逆に、何回も連戦できてしまう物では、途中でダラダラしたり、勝ち逃げがトラブルの原因となったりして、やはり問題でした。
そこで、「レヴツー(注6Cb)」では両者が希望するならば、もう1〜2回その相手と対戦できるよう改善したのです。
具体的には、どちらかが先に2勝した時点で、自動的に相手と別れる様になっています。
これにより完全燃焼でき、即座に連戦でき、ダラダラする事なく充実感あふれる対戦を楽しむ事が出来るのです。
変わらず1回で勝ち逃げ出来る点を除き、みごと前述の問題点を解消してみせた所以こそ1〜2回まで、という制限なのです。
↓精神衛生的にも、同じ相手に2敗したら退くが吉。
このように、「レヴツー(注6Cc)」のネットワーク対戦は、段位や連戦において強みを持っている一方、欠点も2つあります。
具体的には、「アーケード待ち受け(注6Fa)」に掛かる検索時間の長さ、及び、相手が見つかった時の不便さです。
概ねアーケード待ち受けでは検索に数分も掛かる上に、一区切り付いたりメニューを開いたりする度に1から探し直しです。
よしんば相手が見つかっても、一区切り付く前にOPTIONSボタンを押せねば対戦できず、また1から探し直しなので不便です。
押さなくて良い設定もありますが、×ボタンで拒否できてしまう為、うっかり拒否する事故が多発する欠陥設定に過ぎません。
よって、探し直しが起き辛い「トレーニング(注6Ga)」以外のモードでは、いつまで経っても対戦できない事態もザラなのです。
一応、こちらから対戦相手を指名できますが、それでは回線速度の指定が反映されず、使い辛い点が実に残念です。
ただ、これらの欠点を考えても、レヴツーのネットワーク対戦は極めて高品質で、熱い対戦を保証してくれるのです。
↓トレーニングでも体力を弄ってKOすると一区切りとなる点に注意。
(注6Aa)格ゲー:「対戦格闘ゲーム」の略称。大抵はストIIみたく2体のキャラが横向きに正対して戦うジャンルを指す。
(注6Ab)格ゲー:上記6Aaを参照。近年はネットワークを介してアップデートを繰り返す運営方針が定着。
(注6Ac)格ゲー:上記6Aa,6Abを参照。キャラごとに段位が独立しているケースが多く、初心者いじめは深刻化する一方。
(注6Ad)格ゲー:上記6Aa〜6Acを参照。ただ、購買層たるコアなファンの反発を恐れてか、なかなか改善に踏み切られない。
(注6Ba)乱入:格ゲー始め対戦ゲームでは、CPU戦をプレイ中の相手に対戦を挑む行為を指す。
(注6Ca)レヴツー:「ギルティギアイグザード レヴツー」の略称。本レビューで解説。
(注6Cb)レヴツー:上記6Caを参照。厳密にはレヴツー発売直前に、前作「レベレーター」でも連戦が可能となった。
(注6Cc)レヴツー:上記6Ca,6Cbを参照。ちなみに、2つの欠点はサインの時から存在し、全く改善されなかった。
(注6Da)ランクマッチ:連勝で上がり、連敗で下がる段位を基に、近い段位(≒腕前)のプレイヤーと対戦できる方式。
(注6Ea)サイン:レヴツーの前々作。レヴツーより前のストーリーが展開。サインから始まる新章を纏めて「GGXrd」と呼ばれる。
(注6Fa)アーケード待ち受け:対戦相手を検索しながら一部の別のモードをプレイして時間を潰せる機能。
(注6Ga)トレーニング:自主練習をするモード。コンボ技のダメージ比較や、体力が無限のCPU戦などが可能。
数ある「格ゲー(注7A)」の中でも「レヴツー(注7B)」は、突出した映像美や攻めまくる高揚感、やり込み要素を持ったタイトルです。
3Dでありながら2Dアニメの質感を徹底再現した映像美は、世に格ゲーの底力を見せつけました。
その魅力は緩急ある作風、とりわけ商業アニメと遜色ない規模や品質のアニメ映像にまで広がり、新たなファンを付けました。
一方、「ギルティギアシリーズ(注7C)」特有の苛烈な攻めに防御面の頭脳戦も求められ、根本的に玄人向けの嫌いは否めません。
しかし、初心者向け操作でストーリーや練習モードなど大ボリュームの、やり込み要素を楽しめる余地は残されています。
それでも飽き足らなければネットワーク対戦で、一生かけても極められない深い世界が、貴方を待ち受けているのです。
以上より、レヴツーは派手で奥深い格ゲーをしたい、安く新作アニメを観たい、という方にオススメです。
↓初めてのギルティギアシリーズとしても悪くない。
(注7A)格ゲー:「対戦格闘ゲーム」の略称。大抵はストIIみたく2体のキャラが横向きに正対して戦うジャンルを指す。
(注7B)レヴツー:「ギルティギアイグザード レヴツー」の略称。本レビューで解説。
(注7C)ギルティギアシリーズ:レヴツーを含む作品群。ファンタジーとSFの壮大なストーリーや、ハードロック系の音楽が魅力。
サインの時から、ずっとソル一筋です。ソル使いが最も多いので、対戦を通して相手から盗んだテクニックは実に多いです。
特に、ずっと重宝しているのが、相手の起き上がりに対する下記3段階の攻めです。
(1)飛び道具
(2)即座にロマンキャンセル
(3)ダストアタック
経験上、これが高確率で決まるんですよ。とは言えガードされると危険なので、割と博打なのですがね。
遅らせて足払いか投げで崩そうにも、前者はテンションゲージ75%なければ低威力、後者はタイミングが難しいのがネックです。
あとガーキャンにも弱いですが、それを逆手に取って後ろダッシュで避けて渾身のパンチ!でKOした瞬間は最高の気分でした。
↓後ろダッシュ中は無敵なのだ。
ところで一貫してGGXrdは「格ゲー」初心者に向けた配慮をアピールしてきました。
かつて僕はストIIや鉄拳などで格ゲー慣れしつつもギルティギアが大の苦手でしたが、そのアピールで手を出し数年ハマりました。
一方、某所では同じくアピールで手を出した格ゲー初心者は、全く付いていけず不満を抱く皮肉な事態となっていました。
某所の指摘は概ね納得のいく文章だと思いますが、ネットワーク対戦ありきでCPU戦に全く触れられていない点が気掛かりです。
もともと格ゲーはCPU戦ありきで、それでは物足りなくなった方が、「俺より強い奴」を求めて対戦に乗り出していった筈です。
その過程をすっ飛ばして、いきなりネットワーク対戦に乗り出して玉砕して文句いってるとすれば、さすがに反応に困ります。
確かにCPU戦と対戦は別物、との意見もありますが、それでもCPU戦で身に付けた基礎は、決して無駄では無いのです。
逆に言えば、いかに抵抗なくCPU戦や練習から、ネットワーク対戦へと段階的に乗り出して頂くかが、今後の鍵となる事でしょう。
↓最も、そんな過程ふまなあかん時点で嫌や、と言われると否定できないが。
初心者と言えば、初心者向けロビーには19段であっても入れる点から格ゲーファンと、それ以外との温度差を実感しました。
もともと「初心者」とは、その道に入ったばかりで未熟、習い始め、覚えたての人を指す言葉です。
しかし、どうにも格ゲーファンやメーカーにとっての初心者とは、上級者より弱い人すべてを指して呼んでいる気がしてなりません。
その結果、中級と上級の間ぐらい強い人までもが自分を初心者と思い込み、初心者向けロビーに引きこもっていきました。
そして、本来の意味の初心者が、次々と自称初心者に狩られ続けて、嫌な思いをして離れていく深刻な事態を招いたのです。
この点は格ゲーファンのモラルの問題だけでなく、メーカー側の曖昧さも原因と考えられます。
格ゲーファンの自己申告やモラルに任せず、段位や戦績から「あなたは十分に強い」と認めて自信を持たせる対応が必要です。
あと、謙遜のつもりで初心者を自称している方は、もっと自信を持って頂いて良いと思います。嫌味ならば、お好きにどうぞ。
↓「強いプレイヤーは入場できません」とあるので19段は「弱い」らしい。
色々と書きましたが、2000円とは言えレヴツーを買って満足しています。
思えばレベレーターの時は、PS+のセールが無かった為に、3ヵ月ほどで退会して、それきりでした。
なので、レヴツーがレベレーターの時と変わり映えしなくても、それなりに新鮮な感覚で楽しめた訳です。
ただ、思ったより新キャラ2人と戦えなかった点が心残りです。特にアンサーは820試合で5回しか戦えていないのですよ。
サインの時から活躍しており、決して魅力や人気は低くないと思いますがねぇ。だからと言って僕が使うのは遠慮しますが。
そうそう、インタビューからして今回でGGXrdは終わりの様ですね。ストーリー的にも、そろそろ潮時でしょうし。
ただ、レヴツーのアフターストーリーで完結するのか気掛かりです。まだまだ残された謎は少なくない事ですしね。
あれで打ち止めだと悲しいです。最も、それはそれでXrdに続く完全新作への期待が掛かるので、気長に待つとしますか。
↓こんな思わせぶりな演出で打ち止めだと、むしろネタになるかも。
GGXrdの第2幕です。レヴツーから新キャラと新エピソードを省いた代物ですが、PS3でレヴツーをプレイするなら必須です。
・鉄拳7
同時期に家庭用が発売された3D格ゲーです。まるで映画のようにストーリーが展開し、シームレスで戦闘シーンへと移ります。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
「ロケテストもどき」とは本サイトにおいて、ゲリラ的に期間限定で制作途中のコンテンツを公開する事です。
レヴツーのレビューは7項目で行うか、はたまたレベレーターをレヴツー仕様に作り替えるかで迷いました。
ただ、単品でアーケード版やパッケージが稼働および発売している点から、完全新作としてレビューする事としました。
レビューのコンセプトは、インタビューで語られた制作コンセプトに則った、「GGXrdを整える」です。
つまり、これまで本サイトでレビューしてきたGGXrdの2作の内容を包括し、1つのゲームとして改めてレビューする事が目標です。
よって、続編の割には第1作目のような感じのレビューであり、ほとんど追加要素に触れていない点は、意見が分かれるかも。
ぐわんげの時の反省から、対象とする精通度に沿った解説や注釈を意識しました。
具体的には、レヴツーの前に格ゲー自体の映像美や特色を解説する事で、格ゲーに詳しく無くても読めるよう意識しました。
また 今回から、より多くの方に注釈のシステムを認知して頂きたく、説明を強調しました。
最後に某所の方へ、もし最高難易度のCPU戦をクリア済みでしたら、ごめんなさい。リンクミス等も、ごめんなさい。
ドラゴンボールファイターズのリンク追加に合わせ、所要時間の表示、目次の色付け等の修正を行いました。
2021/06/16 「PS4版ドラゴンボールファイターズ」へのリンクを追加
2018/02/16 正式公開、レベレーターのリンクミスを修正
2018/01/28〜31 第1回ロケテストもどき実施