ぐわんげ
本レビューで対象とする精通度:★★★★☆
(本作を除く各ゲームに精通)
所要時間:約5分(最低限) or 約32分(たっぷり) or 約48分(全て)
注釈の注釈
「専門用語(注1A)」(本文)
本文で↑を押すと注釈を読めます。
注釈を読んでから、もう一度
「専門用語(注1A)」:注釈
↑を押すと、本文に戻れます。では下の本文を、どうぞ。
ぐわんげは「ケイブ(注1A)」が開発し、「アトラス(注1B)」が1999年にゲーセン向けに発売した「縦シュー(注1C)」です。
和風ゲームは戦国時代、縦シューはSFやミリタリーを、それぞれ題材とされるケースが多いです。
しかし、ぐわんげは、その何れにも属さない室町時代という、ゲームとしては極めて珍しい題材で話題を呼びました。
加えて、「井上淳哉(注1D)」による妖怪のデザインは、後に映画「妖怪大戦争」に関わる高クオリティで、見る者を圧倒しました。
縦シューとしても「式神(注1E)」で敵を蹴散らす独特の感覚や力強さが新風を吹き込み、唯一無二の名作と評されたのです。
2010年には「Xbox360(注1F)」で出して欲しいゲームの人気投票にて1位に選ばれ、めでたく出る運びとなりました。
オリジナルの忠実な復刻と、更なる式神の気持ち良さを追求した新モードの搭載により、永く愛される事となるのです。
↓式神という能力を身につけた者の物語り…
(注1A)ケイブ:ぐわんげを作ったゲーム会社。スマホゲーム「ゴシックは魔法乙女」は小林幸子とのコラボで話題に。
(注1B)アトラス:かつて、ぐわんげ以外にもケイブ黎明期のシューティングを発売したゲーム会社。
(注1C)縦シュー:実質インベーダーから始まったジャンル。大抵は自機と敵が縦向きに相対し、画面が縦長。
(注1D)井上淳哉:元ケイブ社員の漫画家。ぐわんげを基に2005年の映画「妖怪大戦争」の妖怪デザインを担当。
(注1E)式神:高威力かつ敵弾のスロー化や消去を行い、ついでに被弾した時のダメージを半減する、攻防一体の強力な武器。
(注1F)Xbox360:マイクロソフトが2005年に発売した家庭用ゲーム機。ぐわんげ含む一部は2014年発売のXboxOneでも遊べる。
目次
最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、ぜひ末尾が空欄の項目も読んで下さい。
目次より先に読んで頂いた項目です。
ぐわんげの操作方法やルールを解説します。
免許が無きゃ遊べない、とまで自虐された理由の解説と共に、その誤解を払拭します。
高いハードルを乗り越えた先にある、ぐわんげでしか味わえない魅力を考察します。
ぐわんげの制作から漫画家への転身に至るまでの井上淳哉の心境を考察します。
Xbox360で発売された、ぐわんげの特徴を解説します。
これまでの解説から、本作がどんなゲームで、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。
文字通り、本作に関する、個人的な思い出話です。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
ぐわんげは「式神(注2Aa)」が大きなウエイトを占めますが、それを除けば、やる事は一般的な「縦シュー(注2Ba)」と同じです。
つまり、「自機(注2Ca)」を動かして「ショット(注2Da)」で敵を撃ち敵弾を避けて先へ進み、最後に待ち構えるボスを倒すのです。
自機が地上の敵や敵弾に当たると体力が減り、3本ある体力が全て無くなるとゲームオーバーです。
基本的に先んじて敵を倒せば敵弾が減り、長生きし易くなりますが、それが難しくピンチに陥るケースもあります。
そこで「ボム(注2Ea)」を放てば、ピンチを脱する事が出来るのです。真っ直ぐのみならず、左右に振る事も出来ます。
1本の体力を失うと倒れ、ボムが1〜2つ補充されますが、倒れた時にボムを2つ以上持っている場合は補充されません。
よって、慣れないうちは倒れる前にボムを積極的に使うが吉です。ボムの使い所を考える計画性も、縦シューの醍醐味です。
↓ボムの振りは、ゲーム開始前に説明される。
しかし、ぐわんげにおいて「式神(注2Ab)」を抜きにしては、全く持って並み居る敵に太刀打ち出来ません。
「ショット(注2Db)」の攻撃範囲が狭く威力が小さく、場所によってはショットを遮られて敵に届かず、敵を倒し切れません。
更に、敵弾が多く速い上に、場所によっては足場が狭い為、避けるのも大変です。敵弾に当たれば1発で0.5本ものダメージです。
「ボム(注2Eb)」とて数が限られている為、おいそれと使っていては直ぐ尽きてしまいます。その後も容赦なく敵弾が襲い来るのです。
おまけに、浮遊する「アイテム(注2Fa)」の回収も一苦労なのでショット等の強化が出来ず、火力不足で敵に押され兼ねません。
まとめると、ぐわんげを一般的な「縦シュー(注2Bb)」と同じ感覚でプレイしていては、全く持って太刀打ち出来ないのです。
敵を倒し切れず敵弾を避け切れず1発の被弾が痛く、強化や補充も出来ず一方的に殺されるのみです。
中には、これでも全面クリアできる猛者も居ますが例外中の例外、選ばれし超人のみに許された道楽と言って良いです。
↓高い所にはショットが届かない。屋根に登るなんて出来ません。
そこで「式神(注2Ac)」の出番です。「ショット(注2Dc)」用のボタンを押し続けて展開し、式神を四方八方に動かせます。
ショットが届かない敵であろうと式神を重ねれば簡単に攻撃でき、かつショットよりも遥かに高威力で、簡単に一掃できます。
敵弾に重ねればピンク色になってスロー化します。それと同時に敵を倒せば、何と敵弾が消えて銭に変わり吸引するのです。
これなら、足場が狭くても「ボム(注2Ec)」が無くても、ガンガン突き進めます。被弾してもダメージを半減するので安心できます。
避ける事となっても、「自機(注2Cb)」も左右に超低速で動ける為、微調整が効き易く密度の高い敵弾を潜るように避け易いです。
もちろん、「アイテム(注2Fb)」も簡単に回収できて強化や補充も楽々で、十分に太刀打ち出来る様になる訳です。
更に、非常に有難い回復アイテムも、ほぼ式神があって初めて取れる者です。
つまり、ぐわんげは式神のウエイトが非常に大きく、それの駆使を前提として作られているのです。
↓ショットでは不可能な真横や後ろへのピンポイント攻撃も、式神なら可能。
以上より基本的に、ぐわんげは一般的な「縦シュー(注2Bc)」と同じく、敵を撃ち敵弾を避けるゲームです。
その上で、「式神(注2Ad)」の存在が大きなウエイトを占めており、他の縦シューと一線を画す独特の感覚を味わえます。
「ショット(注2Dd)」で倒し切れない敵も、多く速く避け切れない弾幕も、取れない「アイテム(注2Fc)」も、全て式神に御任せあれ。
敵の出現と同時に式神を重ね、爆弾を浴びせてスロー化させ、消して銭を吸引する一連の流れが基本となります。
そうして強引に道を切り拓き、銭をジャラジャラ吸引する唯一無二の戦略性と爽快感を味わうなら、ぐわんげで決まりです。
↓式神をグリグリ回すと、多くの敵弾を巻き込み消し易くなる。
(注2Aa)式神:高威力かつ敵弾のスロー化や消去を行い、ついでに被弾した時のダメージを半減する、攻防一体の強力な武器。
(注2Ab)式神:上記2Aaを参照。ストーリー上では、憑いた人間に驚異的な力を与える代わりに、1年で命を吸い尽くす神。
(注2Ac)式神:上記2Aa,2Abを参照。黄泉に潜む神を倒す事で、式神から解放される。その為に戦いに身を投じるのだ。
(注2Ad)式神:上記2Aa〜2Acを参照。人喰い、単純な殺人鬼、そして優しい狐が存在。それぞれの戦いの果てに見たものとは。
(注2Ba)縦シュー:実質インベーダーから始まったジャンル。大抵は自機と敵が縦向きに相対し、画面が縦長。
(注2Bb)縦シュー:上記2Baを参照。黎明期より派手に撃ちまくる快感を追求され、時代を経る度に戦略性も追求されてきた。
(注2Bc)縦シュー:上記2Ba,2Bbを参照。結果、マニア向けと化してしまったが、高い爽快感と達成感を味わえるジャンルである。
(注2Ca)自機:ぐわんげでは、プレイヤーが操る人間キャラを指す。
(注2Cb)自機:上記2Caを参照。長らくシューティングゲームは戦闘機が主役であった名残で、人間キャラでも自機と呼ばれがち。
(注2Da)ショット:ぐわんげでは、自機が敵に向けて放つ弾を指す。式神より弱いが、機動力に秀でる。
(注2Db)ショット:上記2Daを参照。一部のゲーセンでは、ショットと式神で共用するボタンを連打しなければ撃てなかった。
(注2Dc)ショット:上記2Da,2Dbを参照。しかし、大抵はショット専用のボタンを押しっ放しで撃てるので安心。
(注2Dd)ショット:上記2Da〜2Dcを参照。ショット専用のボタンを押しながら式神のボタンを押すと、普段より速く展開できる。
(注2Ea)ボム:ぐわんげでの正式名称は「八相弾」。数に限りがあるが、敵に大ダメージを与え、かつ敵弾を消去する。
(注2Eb)ボム:上記2Eaを参照。ぐわんげでは、最大で5つまでストック可能。
(注2Ec)ボム:上記2Ea,2Ebを参照。ボムを使い切る前に倒れてしまう事を、俗に「抱え落ち」と呼ばれる。
(注2Fa)アイテム:ぐわんげでは、道具を指す。主にショットや式神の強化、ボムの補充、そして体力の回復の4種類が存在。
(注2Fb)アイテム:上記2Faを参照。体力を回復するアイテムは串団子などの食べ物。
(注2Fc)アイテム:上記2Fa,2Fbを参照。その他は角樽、菩薩像、宝玉など、和風らしい外見。
このように、ぐわんげは「式神(注3Aa)」が強力ですが免許ゲー、つまり免許が無きゃ遊べないと自虐されるほど扱いが困難です。
何故なら、「自機(注3Ba)」と式神の両方を操作せねばならず、かつ安易な敵弾のスロー化で敵弾が固まってしまう為です。
式神の操作に夢中になると自機は、ほぼ棒立ちで無防備となってしまい、そこを突かれる事はザラです。
避けようと思っても超低速で左右にしか動けず難しいです。避けに集中する余り、式神が敵から外れるとピンチです。
かと言って慌てて式神を止めよう物なら、避けが間に合わないばかりか倍のダメージを受けて泣き面に蜂です。
さらに、敵弾をスロー化できる点は、逆に弾幕の塊を作ってしまい、墓穴を掘る事にも繋がり兼ねない諸刃の剣なのです。
これが大きく人を選んだ点を受けて後続の作品では、より簡単に良い効果のみ得られるよう苦心する事となるのです。
↓中には、スロー化させると自機を追尾する敵弾も。
しかし実際には、出来もしないのに無理して「式神(注3Ab)」を出し入れして、自分から操作を難しくしている一面もある筈です。
そこで、まずは「自機(注3Bb)」を一番後ろに置き、常に式神を出しっ放しにしてみては如何でしょうか。
そして、敵が出たら直ぐ式神を重ねるのです。出来れば式神をグリグリ回して周辺の敵や敵弾を巻き込むと、なお良いです。
これなら、よほど敵の撃破が遅れない限り大抵は、その場で敵弾を消せて安全に進める筈です。
もし敵弾を消し損なったり、移動が遅すぎたり弾幕が固まったりして避けられなくなったら、「ボム(注3Ca)」でフォローします。
途中まで敵弾がスロー化する分、敵弾を見てからボムを放つべきタイミングを判断するまでの時間が長く取れます。
加えて、判断を誤っても3発までは被弾しても倒れない為、一般的な「縦シュー(注3Da)」と比べてボムを使い切り易いのです。
ついでに、条件を満たして1本分以上の体力を回復できる機会が3度もある為、敢えて倒れてボムを補充する戦法も有効です。
↓自機の周辺で式神を回すだけで、意外と何とかなるかも?
このように、慣れないうちは下手に「式神(注3Ac)」を出し入れして混乱するよりも、常に式神を出しっ放しの方が簡単と言えます。
個人差はあるかと思われますが、概ね4面まではクリアできます。ステージは全部で6面なので、全体の2/3をクリアできる訳です。
流石に、それ以降は厳しいですが、逆に言えば残りの1/3をクリアしたくなった時に、初めて式神の出し入れが必要となるのです。
常に式神を出しっ放しにしていると、敵弾をスロー化している間にササッと横に逃げたくなる衝動に駆られる事でしょう。
ああ、式神を出している間も、もっと速く移動できれば、余分な「ボム(注3Cb)」を撃たずに済むのに、と。
そこで一旦、式神で敵弾をスロー化し、すぐ式神を引っ込めて「ショット(注3Ea)」に切り替えれば、ササッと横に逃げられるのです。
この積み重ねは、つまりボムを節約でき、より苦手な箇所にボムを回し、より楽にゲームを進められる事を意味します。
そうして困難に打ち勝った時、何事にも代え難い達成感を味わえるのでは無いでしょうか。
↓己が不運を呪うが良い!この攻撃で出し入れの基礎を試される。
以上より、ぐわんげは「式神(注3Ad)」の出し入れが難しいですが、常に式神を出しっ放しにしていれば十分に先に進めます。
敵が出たら直ぐ式神を重ねれば、大抵その場で敵を倒せて敵弾を消せて安全に進める筈です。
しくじっても敵弾をスロー化でき、かつ体力に余裕がある分「ボム(注3Cc)」でフォローし易く、それだけ楽に進める訳です。
式神の出し入れの意識は、常に式神を出しっ放しで全体の2/3をクリアしてもなお、飽き足らなくなってからでも遅くはありません。
単に扱いが困難なだけでなく、段階を経て成長していけるだけの余地と深みこそが、ぐわんげの「免許ゲー」たる所以なのです。
↓更なる高みを目指したくば、屍を越えてゆけ。
(注3Aa)式神:高威力かつ敵弾のスロー化や消去を行い、ついでに被弾した時のダメージを半減する、攻防一体の強力な武器。
(注3Ab)式神:上記3Aaを参照。道中とボス戦とでは、式神を展開した直後の出現場所が異なる。
(注3Ac)式神:上記3Aa,3Abを参照。道中では常に自機の前方で展開される為、式神を見失い辛く敵を倒し易い。
(注3Ad)式神:上記3Aa〜3Acを参照。ボス戦では式神を引っ込めた時の場所で展開される為、細かい避けに集中し易い。
(注3Ba)自機:ぐわんげでは、プレイヤーが操る人間キャラを指す。
(注3Bb)自機:上記3Baを参照。ぐわんげにおいて、あえて敵に近付くメリットは殆ど無い。
(注3Ca)ボム:ぐわんげでの正式名称は「八相弾」。数に限りがあるが、敵に大ダメージを与え、かつ敵弾を消去する。
(注3Cb)ボム:上記3Caを参照。ぐわんげでは、2つ以上持って倒れると、補充されない代わりに持っているボムは、そのまま。
(注3Cc)ボム:上記3Ca,3Cbを参照。よって、体力の回復を見越してボムを使わないのも手だが程々に。
(注3Da)縦シュー:実質インベーダーから始まったジャンル。大抵は自機と敵が縦向きに相対し、画面が縦長。
(注3Ea)ショット:ぐわんげでは、自機が敵に向けて放つ弾を指す。式神より弱いが、機動力に秀でる。
かくして、ぐわんげの「免許」を取得した先には、実に3種類もの唯一無二の魅力が待っています。
第1の魅力は、「式神(注4Aa)」ならではの力強さです。
単に敵弾をスロー化したり消去したりするだけなら、ぐわんげの前後に出た「シューティング(注4Ba)」でも出来ます。
しかし、それにはタイミングが難しかったり、専用の細かなリソースが必要であったりするケースが多く、気軽には行えません。
しかし、ぐわんげなら気軽に式神を展開し、敵弾のスロー化や消去と共に、派手な爆風を持って敵を蹂躙できるのです。
また、ぐりぐりと敵に式神を重ねたり、いったん敵弾をスロー化した隙に逃げたりする感覚。
そして、細かくボタンを押したり放したりして移動速度や式神の位置を調整するテクニカルさは、ぐわんげ独自の物なのです。
↓図体のデカいボス敵には、下手に敵弾をスロー化させぬよう式神を重ねよう。
第2の魅力は、空間を感じさせるステージ構成です。
一般的な「縦シュー(注4Ca)」と言えば、戦闘機が空を飛ぶ以上、真っ直ぐ進むだけのステージである事が大半です。
それに対し、ぐわんげは地上を歩き、かつ式神がある点を活かしたステージ構成となっています。
具体的には、真っ直ぐ歩くだけでなく、横や後ろへも歩く他、移動範囲は見た目通りの地形によって決まります。
加えて、「ショット(注4Da)」が届かない高い所にも敵が居る表現がなされています。
一方、これが仇となり、こちらが地形に邪魔されるのに対し、敵は地形の影響を受けず一方的に攻撃してきて不公平です。
それでも基本的に平面の縦シューにおいて、これほど立体的な空間を表現した点は、実に珍しいと言えましょう。
↓ここは、敵弾を遮断できる数少ない地形。
最後に、敵味方を問わず凝りに凝ったキャラのデザインや演出です。
「自機(注4Ea)」が歩く時は常に進行方向に沿って歩いており、止まっている時は足を止めて立っています。
また、キャラによっては「式神(注4Ab)」を動かす事でスムーズに向きが変わるので、見応えがあります。
もちろん、敵キャラも雑魚に過ぎない武士や農民とて、武器を振りかぶって攻撃する動作にも抜かりはありません。
何より、多彩な妖怪のデザインは、後に映画「妖怪大戦争」に関わる事となる程の高いクオリティを誇っているのです。
生物の敵を撃破した時は血と同じ色の爆発を起こす等、雰囲気と「シューティング(注4Bb)」らしさを突き詰めた表現です。
そんな、おどろおどろしい妖怪たちと戯れられるシューティングは、ぐわんげを置いて他に無いのです。
↓それだけに、式神の爆風で隠れてしまうのが惜しい。
以上より、ぐわんげは「式神(注4Ac)」の力強さ、ステージ構成、そして演出どれを取っても唯一無二の一級品です。
確かに、ぐわんげは大きく人を選びます。式神のみならず、グロテスクな演出や妖怪が嫌いな方には、とても勧められません。
しかし、それ故に、他に代用が効くゲームが無く未来永劫、唯一無二の輝きを放つゲームそれが、ぐわんげなのです。
↓体力によって出たり出なかったりする、ろくろ首。びびります。
(注4Aa)式神:高威力かつ敵弾のスロー化や消去を行い、ついでに被弾した時のダメージを半減する、攻防一体の強力な武器。
(注4Ab)式神:上記4Aaを参照。敵に式神を重ねると、無数の爆弾が投げ込まれ爆風が巻き起こる。
(注4Ac)式神:上記4Aa,4Abを参照。爆風は爽快感に秀でるが、折角の演出を覆い隠す諸刃の剣でもある。
(注4Ba)シューティング:実質インベーダーから始まったジャンルの総称。近年FPSだけ指して、こう呼ばれる事も。
(注4Bb)シューティング:上記4Baを参照。SFやミリタリーの世界観が多い事から、爆発とは切っても切れない関係に。
(注4Ca)縦シュー:移動範囲を制限し、敵味方の攻撃を遮るタイプの地形は、縦シューでは珍しい。
(注4Da)ショット:ぐわんげでは、自機が敵に向けて放つ弾を指す。式神より弱いが、機動力に秀でる。
(注4Ea)自機:ぐわんげでは、プレイヤーが操る人間キャラを指す。
冒頭で述べた通り、ぐわんげのデザインや演出は、主に「ケイブ(注5Aa)」時代の「井上淳哉(注5Ba)」が手掛けた物です。
しかし皮肉にも、その拘りとゲームとしての面白さの両立が如何に困難であるかが、浮き彫りとなっていったのです。
それを象徴するのが、「某プログラマー(注5Ca)」の「戦車だせ!戦車!」発言です。言うまでも無く世界観を無視しております。
面白おかしく語られがちな発言ですが、本人としては至って真面目にゲームとしての面白さを追求しての事です。
発言のカラクリは、戦車なら砲台を360度回して自在に弾を撃てるが、ぐわんげの敵キャラでは、それが出来ない点にあります。
ボスキャラも同じく、生き生きと動く演出と手応えのある弾幕とのバランス取りに苦慮したと語られています。
にも関わらず、爽快感を生む「式神(注5Da)」の爆風が、折角の演出を覆い隠してしまう点は、氏にとって余りに皮肉でした。
↓木製戦車は某プログラマーの要望の現れなのか。
次回作の「シューティング(注5Ea)」でも、ぐわんげ程で無いにしろ演出とゲームとしての面白さを巡って衝突が相次ぎました。
この時点でシューティングの開発予算が減った事もあり、「井上淳哉(注5Bb)」は自身の拘りを貫けないと悟ったと思われます。
最終的には組織で働く以上、自分ひとりの頑張りが報われない現実を目の当たりにし、「ケイブ(注5Ab)」の退社に至ったのです。
その後、自身の拘りを貫ける職業として、本格的に氏は漫画家としての活動を開始して今に至ります。
漫画「BTOOOM!」はアニメ化、その後も一時期は連載を掛け持ちする等、売れっ子漫画家として名を馳せる事となるのです。
しかし、まるっきりケイブと縁を切った訳では無く、漫画家となってからも多かれ少なかれケイブ関連の仕事を受ける事もあります。
時にゲーム全体に関わっては、相変わらず「某プログラマー(注5Cb)」と仲良く喧嘩してファンを熱く、ほっこりさせた物でした。
氏にとって某プログラマーは拘り故に衝突する相手であると同時に、最も印象に残り尊敬する先輩でもあるのです。
↓妖怪大戦争のコンペで描かれた絵に、猫蜘蛛と似た妖怪が。
(注5Aa)ケイブ:ぐわんげを作ったゲーム会社。スマホゲーム「ゴシックは魔法乙女」は小林幸子とのコラボで話題に。
(注5Ab)ケイブ:上記5Aaを参照。「世界一弾幕シューティングゲームを作って販売した会社」としてギネス認定された。
(注5Ba)井上淳哉:元ケイブ社員の漫画家。ぐわんげを基に2005年の映画「妖怪大戦争」の妖怪デザインを担当。
(注5Bb)井上淳哉:上記5Baを参照。氏のゲームではキャラの声も担当し、ベジータの様だと評された事もある演技でも人気に。
(注5Ca)某プログラマー:明言はされていないが、現ケイブ取締役副社長の「池田恒基」氏を指す説が有力。
(注5Cb)某プログラマー:上記5Caを参照。氏は昇進を続けても尚、精力的にゲーム制作に取り組み名(迷)台詞を残してきた。
(注5Da)式神:高威力かつ敵弾のスロー化や消去を行い、ついでに被弾した時のダメージを半減する、攻防一体の強力な武器。
(注5Ea)シューティング:実質インベーダーから始まったジャンルの総称。近年FPSだけ指して、こう呼ばれる事も。
以上より良くも悪くも、ぐわんげは他の一般的な「縦シュー(注6Aa)」とは一線を画す、独自の作風を持ったゲームです。
中でも「式神(注6Ba)」は後の縦シューに大きな影響を与え、いかに敵弾を消していくかの戦略性を問われる事となるのです。
このように、縦シューを語る上で欠かせない、ぐわんげですが、実に11年もの間、家庭用ゲーム機では出ませんでした。
恐らく、ぐわんげ自体の不発や縦シューの低迷により、「アトラス(注6Ca)」が利益を見込めない、と判断した為と思われます。
設立当初の「ケイブ(注6Da)」は受託開発のみで、1999年までに作った5つの縦シューのうち4つがアトラスからの発売でした。
そのうち半分しか当時の家庭用ゲーム機では出ず、それらも出荷本数が少なくプレミア化してしまいました。
その後、アトラスは縦シューの発売から手を引いた事もあり、長い間ぐわんげの復刻は絶望視されていたのです。
↓なお家庭用ゲーム機の、ぐわんげとアトラスの関与の程は不明。
状況が変わったのは2009年、「Xbox360(注6Ea)」で初めて自社発売した「シューティング(注6Fa)」が商業的に成功した時です。
それを皮切りに、これまで家庭用ゲーム機で出なかった「ケイブ(注6Db)」のシューティングが、Xbox360で続々と出ました。
予定したシューティングと別に、期間限定で人気投票を行い、1位になったゲームをダウンロード配信する企画も行われました。
その企画で1位となったゲームこそ、ぐわんげなのです。特に海外ファンの人気が後押しとなった、とされます。
この結果を喜ぶ声は国内外から上がり、1200円ほどの低価格ながら、7000円ほどのゲームと遜色ない品質で好評を博しました。
一方、日本で一番人気だったとされる「エスプレイド(注6Ga)」の配信が御流れとなった点は、一部に遺恨を残したと思われます。
2位以下も検討する、とのコメントに反し、2位のエスプレイドの配信には終始、消極的であった点も、遺恨に輪をかけていました。
挙句、プロデューサーの自信作の別ジャンルのゲームも、シューティングの新作も軒並み不振で、地盤が揺らぐ事となるのです。
↓元々1800円ほどで売る予定だった事もあり、採算は厳しかった様だ。
さておき、「Xbox360(注6Eb)」版ぐわんげの長所は3種類あります。
第1の長所は、「青版(注6Ha)」の収録です。主な変更点は「式神(注6Bb)」や銭の取り易さの強化、後半の難易度の調整です。
オリジナルでは式神で消去し損ねて式神から離れた敵弾が急に速くなる上に、再びスロー化して消去するのが困難でした。
よって式神を使いこなせず、しくじると対処が困難となり、にっちもさっちも行かなくなり、多くのプレイヤーが離れてしまったのです。
一方、式神を使いこなすと今度は後半で体力を回復できる機会の多さから、ぬるいゲームと見做される事もありました。
かと思えば、最後の最後で極端に難しくなる等、大味かつ持ち上げて落とす陰険さを前に、あちこちで音を上げられました。
他にも、敵に「ショット(注6Ia)」を当てるだけで銭を取るには、前提条件として銭を1000以上も集めなければなりませんでした。
故に、ある程度の上達が必要で、一見さんには面白く無かったのです。かなり快感なだけに由々しき事態だったのです。
↓最後の最後は、ひたすら避け、あるのみ。まさに地獄だった。
そこで、「青版(注6Hb)」では多岐に渡る変更を施す事でオリジナルの、ぐわんげが抱えた問題点の改善を試みたのです。
具体的には、一度でも「式神(注6Bc)」に重ねた敵弾は、離れても完全には元通りにならず、元の色とピンクで点滅します。
点滅する敵弾は少し遅めで、かつ式神で別の敵を倒しても消去される為、比較的しくじっても対処し易いのです。
その代わりに、後半からボスが非常に強くなった為、式神を使いこなしても体力を回復できても全く、ぬるくありません。
逆に、最後の最後は簡単になった為、持ち上げて落とし、また持ち上げる感じとなり、オリジナルよりかは陰険さが薄れています。
ついでに、銭を集めずとも敵に「ショット(注6Ib)」を当てるだけで銭を取れる様になり、一見さんでも快感を味わえます。
このように、オリジナルが抱えた取っ付き辛さや大味な陰険さを改善し、より高い爽快感を追求したのが青版なのです。
惜しむらくは限定公開であった点ですが、このたび家庭用ゲーム機にてオリジナルと共に復刻された点は賞賛に値します。
↓このボスが巨大化するのは、式神の爆風で隠れた無念ゆえか。
第2の長所は、独自の「Xbox360(注6Ec)」モードの追加です。主な変更点は、「式神(注6Bd)」の大幅な強化、並びに操作方法です。
ぐわんげは、式神の操作が難しく人を選ぶゲームと言われました。その最大の理由は操作方法に他なりません。
つまり、「方向キー(注6Ja)」が1つ、との制約で、式神を展開しつつ「自機(注6Ka)」を自由に動かせない点が大きかったのです。
かくして、式神を展開しなければ弱すぎて押され、式神を展開すれば殆ど棒立ちで避けられないジレンマが人を選びました。
そこで、Xbox360モードではオリジナルをベースとしつつも、方向キーが複数ある点を活かし、ジレンマの改善を図ったのです。
具体的には、左側の方向キーで自機の移動、右側の方向キーで式神の移動が出来る為、ほぼ棒立ちのストレスとは無縁です。
ついでに、式神を展開している間は全ての敵弾がスロー化し、消去される等、大幅な強化がなされ難易度が大きく落ちました。
代わりにコウモリが絶えず現れ続け、常に忙しない操作が必要です。それもメリハリある面白さと、難易度低下の為なのです。
↓このコントローラのうち灰色の丸い部分が方向キー。
最後に、画面サイズの調整や集中練習において快適さを追求したサービスです。
具体的には、画面下部の体力を左右の余白に表示でき、その上でゲーム内の画面サイズを拡大できます。
また、「中断セーブ(注6La)」や「ステージセレクト(注6Ma)」により、任意の箇所を繰り返しプレイ出来ます。
縦画面のゲームを横長のテレビで再現する以上、一回り以上は画面サイズが小さくなってしまう点は避けられません。
まして、ぐわんげでは画面下部は体力を表示する領域として完全に仕切られている為、余計に小さい感じがしました。
更に、ゲーセンと同じく毎回最初から始めるのでは、後半に辿り着くまでが大変であり、練習が疎かとなりがちでした。
そこで、前述のサービスを追加する事で、少しでも画面を見易く、かつ後半の集中練習が出来るよう改善に至ったのです。
何事にも代え難い、ひたすらトライして苦手を克服できた時の達成感。それを味わえるだけの下地が十分に備わったのです。
↓例えばボス戦の前に中断セーブすれば、ボス戦を集中練習できる。
以上より、「Xbox360(注6Ed)」版ぐわんげは作風の好き嫌い、プレイ経験を問わず、関心のある全ての方に向けた決定版です。
まずはXbox360モードをプレイし、「式神(注6Be)」で敵弾ごと敵を粉砕し、銭をジャラジャラと吸引する爽快感を味わいましょう。
一方で、絶えず現れるコウモリの処理に追われる忙しなさは、オリジナル等に慣れたプレイヤーにとっても新鮮な楽しさです。
ぐわんげは、純和風の世界観と「井上淳哉(注6Na)」の魅力的なキャラ、この両方を篤と味わえる唯一無二のゲームです。
よって、「縦シュー(注6Ab)」好きは元より、和風や妖怪、そして井上淳哉が好きならば、なおさら手に取るだけの価値はあります。
Xbox360モードを抜きにしても、オリジナルの忠実な復刻に加えて快適に楽しめるサービスも充実して、今は1029円です。
一方、音楽面ではフェードアウトが無く一部が流れず、「ネームエントリー(注6Oa)」が丸ごと削除される等、細かな不満もあります。
それでもXbox360版が、ぐわんげの決定版である点に変わりは無く、今後もXbox360の系譜が続く限り、愛され続けるのです。
↓Xbox360モードでは画面の後ろでなく、中央に陣取るのがコツ。
(注6Aa)縦シュー:実質インベーダーから始まったジャンル。大抵は自機と敵が縦向きに相対し、画面が縦長。
(注6Ab)縦シュー:上記6Aaを参照。Xbox360モードでも画面全体の認識力や動体視力が必要なのは否めない。
(注6Ba)式神:高威力かつ敵弾のスロー化や消去を行い、ついでに被弾した時のダメージを半減する、攻防一体の強力な武器。
(注6Bb)式神:上記6Baを参照。なお銭を多く取るとスコアが上がるが、それによるメリットは無い。
(注6Bc)式神:上記6Ba,6Bbを参照。ボスなど硬い敵に式神を重ね続けると、銭が貯まっていく。
(注6Bd)式神:上記6Ba〜6Bcを参照。Xbox360モードでは式神を敵に重ねていてもショットを撃てるので、誰もが億万長者に。
(注6Be)式神:上記6Ba〜6Bdを参照。しばらく式神を敵に重ねないでいると、一転して貧乏人から再スタートに。
(注6Ca)アトラス:かつて、ぐわんげ以外にもケイブ黎明期のシューティングを発売したゲーム会社。
(注6Da)ケイブ:ぐわんげを作ったゲーム会社。スマホゲーム「ゴシックは魔法乙女」は小林幸子とのコラボで話題に。
(注6Db)ケイブ:上記6Dbを参照。それまで家庭用ゲーム機で出たケイブのゲームは、全て他社による発売だった。
(注6Ea)Xbox360:マイクロソフトが2005年に発売した家庭用ゲーム機。ぐわんげ含む一部は2014年発売のXboxOneでも遊べる。
(注6Eb)Xbox360:上記6Eaを参照。完全新作か否かを問わずシューティングが多数発売され、当時のファンのオアシスとなった。
(注6Ec)Xbox360:上記6Ea,6Ebを参照。ゲーセンで遊べないXbox360だけの形式だから、Xbox360モード。そのまんまである。
(注6Ed)Xbox360:上記6Ea〜6Ecを参照。既に生産終了したため新たに、ぐわんげを遊ぶならXboxOneを買うのが良いかも。
(注6Fa)シューティング:上記6Aaの縦シューを含む一ジャンルの総称。ちなみに横向きの物を「横シュー」と呼ぶ。
(注6Ga)エスプレイド:超能力を持った少年少女の戦いを描く縦シュー。アトラス発売。後に同じ主要スタッフが、ぐわんげを制作。
(注6Ha)青版:2007年末に行われたケイブ主催のイベントでのみ遊べた幻のバージョン。
(注6Hb)青版:上記6Haを参照。当時はケイブの新作が家庭用ゲーム機で出ず、また入荷するゲーセンも少なかった。
(注6Ia)ショット:ぐわんげでは、自機が敵に向けて放つ弾を指す。式神より弱いが、機動力に秀でる。
(注6Ib)ショット:上記6Iaを参照。青版でもショットを当てるだけで銭を取るには、事前に式神を敵に重ね続ける必要あり。
(注6Ja)方向キー:意図した方向に動かす為の装置。主に十字型を指すが本レビューでは便宜上、2つのスティック型も含める。
(注6Ka)自機:ぐわんげでは、プレイヤーが操る人間キャラを指す。
(注6La)中断セーブ:ゲームの途中で進行状況を保存して中断し、次に遊ぶ時に続きから再開できる機能。
(注6Ma)ステージセレクト:中断セーブと別に、任意のステージを選んで遊べる機能。ただし開始地点はステージの最初のみ。
(注6Na)井上淳哉:元ケイブ社員の漫画家。ぐわんげを基に2005年の映画「妖怪大戦争」の妖怪デザインを担当。
(注6Oa)ネームエントリー:高得点ならゲーム終了後、名前を入力できた。残念ながらXbox360版では、この時の音楽を聴けず。
ぐわんげは、数ある「ケイブ(注7A)」作品は疎か「縦シュー(注7B)」全体の中でも、ひときわ異彩を放つ唯一無二のゲームです。
「式神(注7C)」によって敵弾ごと敵を粉砕する力強さ、スロー化して退路を確保する戦略性など、独特な感覚を楽しめます。
その扱い、特に「ショット(注7D)」との使い分けこそ難しいですが、中盤までは式神を出しっ放しで良い為、習熟の余地は十分です。
習熟すると、独特な感覚に加え、空間を感じさせる室町時代の世界観、おどろおどろしい多彩な妖怪の活き活きとした動き。
そして、それらも含めて「井上淳哉(注7E)」が手掛けた魅力的なキャラやストーリーを、存分に堪能できるのです。
「Xbox360(注7F)」版はオリジナルの忠実な復刻に加え、習熟せずとも更に深く容易く、ぐわんげの魅力を味わえる決定版です。
以上より、ぐわんげは妖怪や和風が好き、他で味わえない感覚や力強さを堪能したい、という方にオススメです。
↓公式サイトで矛盾に気付いたら喰われるよ(嘘です)。
(注7A)ケイブ:ぐわんげを作ったゲーム会社。スマホゲーム「ゴシックは魔法乙女」は小林幸子とのコラボで話題に。
(注7B)縦シュー:インベーダーよろしく上向きの小さな人間キャラを操り、敵を撃ち敵の弾を避けるタイプのゲームジャンル。
(注7C)式神:高威力かつ敵弾のスロー化や消去を行い、ついでに被弾した時のダメージを半減する、攻防一体の強力な武器。
(注7D)ショット:ぐわんげでは、自機が敵に向けて放つ弾を指す。式神より弱いが、機動力に秀でる。
(注7E)井上淳哉:元ケイブ社員の漫画家。ぐわんげを基に2005年の映画「妖怪大戦争」の妖怪デザインを担当。
(注7F)Xbox360:マイクロソフトが2005年に発売した家庭用ゲーム機。ぐわんげ含む一部は2014年発売のXboxOneでも遊べる。
ゲーセンで少しプレイして3面まで進みましたが、どうしても式神の煩わしさが頭をよぎり、入り込めませんでした。
それから5年、そろそろリベンジしたいと思った頃に、ちょうどXbox360版が出ると聞いて、すぐ購入しました。
当時ケイブの開発日誌では、投票とは無関係に、ぐわんげを右スティックで云々と書かれており、期待に胸ふくらませました。
まず手始めにサクッとXbox360モードを全キャラでクリアしましたが、実に7年間、オリジナルや青版をクリア出来ませんでした。
当時でもオリジナルで最終ボス最終形態まで辿り着いていましたが、そこで長く長く躓いていたのです。
ボムが効かない、でっかい玉が邪魔、そして相変わらずの弾幕と、当時の僕を躓かせるには十分すぎました。
特に、2周目でも無いのにボムが効かない点や、作風と無関係な隙間抜け勝負であった点は、ただただ苦痛だったのです。
↓青版はと言うと、後半のボスが強くて…。
Xbox360モードは確かに楽しいですが、それはそれでオリジナルより式神が強くなり過ぎて、ダレる感じは否めませんでした。
そうして事前の期待と裏腹に長続きせず、長らく熱心にやり込む事は無かった、と記憶しています。
転機が訪れたのは7年後、M2ショットトリガーズが始まってからの事です。
よく考えてみれば、コンセプト的にも合致するしXboxOneでも遊べるし、レビューに向いてるんじゃね?と思って再開しました。
最終ボス最終形態に備え、ボムを使わない攻略法を試みた事もありましたが、難し過ぎる上に有難味が薄く断念しました。
直前までが完璧でも、肝心の最終形態が全く安定しないのは相変わらずで、マグレに頼る他ありませんでした。
途方に暮れた頃、何気なくネットサーフしていると、最終形態では右側に居ると楽、との重大なヒントを掴みました。
それを機に、ギリギリとは言え格段に安定して最終形態を倒せる様になり、積年の恨みを晴らすに至ったのです。
↓素直にボムを使い切ってから倒れる方が楽でした。
それから青版もクリア出来ました。後半が難しいと言う割には、実際に難しくなったのはボスだけで拍子抜けでした。
むしろ強くなった式神や弱くなった最終形態を考えると、体感的にはオリジナルより楽じゃないの?とさえ考えました。
ともあれ初プレイから数えて10年ごしの悲願を果たせて良かったです。ぐわんげは楽しいです。
つい最近になって公式サイトを見て、ゲームで語られない設定を知りました。それに関連して某サイトに関して思う所があります。
某サイトでは、「レーザー出せ!レーザー!」等と書いたり、シシンのエンディングについて「薄情者め!」と叩いていたりしました。
そして某サイトは忌み嫌われていました。僕も正直どうかと思いましたが、一概に忌み嫌うのも如何な物かと思いまして。
字面だけ見れば前者は某プログラマーと、どっこいどっこいですし、後者も予備知識なしでは確かに困惑しても仕方ないかな、と。
なお、某サイトの管理者に関してはノーコメントで。日常生活でも、人の振り見て我が振り直せ、と良く言われます。
↓設定からして最もストーリー上で重要な人物だが使い辛い。
本レビューを作る際、全然ゲームしない人に何回か見て頂いた事で、如何に僕の見通しが甘いか思い知らされました。
従来通り詳しい人向けに書きつつも、専門用語の注釈を入れて、全然ゲームしない人でも読める様に意識したつもりでした。
ところが、初めのバージョンでは注釈が最初の1回のみであった為、専門用語を理解されず2/10でリタイアされてしまったのです。
加えて、攻略指南ばかりで内容が伝わらない、1/10の「時代は室町〜」が紛らわしい、と指摘され、僕は危機感を覚えました。
そこで、少しでも内容が伝わるようにと書き直し、かつ何度でも注釈を入れ続けた事で何とか、ほぼ最後まで読んで頂けました。
しかし、クオリティの高さや粘り強さを評価されつつも、今度は「誰に向けて書いているのか」と指摘されたのです。
全然ゲームしない人でも、という割に、肝心の根本的な構成が完全に詳しい人向け、というチグハグさが理由だと思います。
後日、Xbox360モードを見せた所、何が何だかサッパリ、と完全にリタイアされ、僕の考えは完全に崩されてしまったのです。
↓Xbox360モードは終始、銭がジャラジャラうるさいのも大きいかも。
この一件の前後で、初代ドラクエの初回テストプレイが散々な結果で、後に改善して成功した、との裏話を思い出していました。
しかし、考えてみればRPGに詳しくない人向けのドラクエとて、既存のファミコンゲームに詳しい事を前提としていた筈です。
そういう意味では、全然ゲームしない方に向けて、ぐわんげを勧めるには、余りにマニアック過ぎて無理があったかな、と。
そうでなくても全然ゲームしない、妖怪や井上淳哉のファンに勧めるにも僕自身の造詣が浅すぎて、やはり無理な話でした。
やむなくシューティングに詳しい人向け、と定めたら定めたで、インベーダーよろしく、だのプリクラだのの注釈が浮いていました。
1週間で丸ごと文章を作り直す訳にもいかず、注釈をシューティングに詳しい人向けに少し書き直す程度に留まりました。
それも限度があり、かねてより言われてきた「詳しい人向けだね」という言葉の重みを、身を持って痛感させられました。
ただ、ショックを受けて悪い事ばかりでなく、誰に向けて書くか、という新たな課題が見つかった事には本当に感謝しています。
↓継続は力なり。
では、最後に人気投票の結果を基に、2017年時点における複数のカテゴリに分けて紹介します。
カテゴリ外でも関連するゲームは適宜、補足します。なお、携帯アプリやスマホに関しては除外します。予め、ご了承ください。
1/5 生産中の現行ハードで遊べるゲーム
ぐわんげ(1位、XboxOne)、怒首領蜂(3位、Vita)、虫姫さま(6位、Steam)、弾銃フィーバロン(7位、PS4)
首領蜂(圏外、Vita)、ケツイ(圏外、3DS・PS4予定)、怒首領蜂大復活(圏外、Steam)
特に注目すべきはフィーバロンとケツイでしょうか。フィーバロンは当時、移植を告知されつつも実現したのは7年後の事でした。
ケツイに至っては、詳細は省きますが曰くつきの事件の影響の大きさを伺わせます。
また、5年以上もケツイが移植されなかった時期を思うと、3度も移植され、もうすぐPS4でも出る事は涙なしには語れません。
なお、どちらもM2ショットトリガーズで蘇った、という共通点があります。エムツーさまさま、ですね。
2/5 Xbox360で発売されたゲーム
ピンクスゥイーツ(5位)、むちむちポーク(8位)
両者はスタッフや作風、そして人気に共通点がある為か、ケイブでは唯一カップリングで移植されました。
投票前の話ですが、古い作品をパッケージで出して欲しい、との要望に対し、カップリングなら可能、と回答されました。
また、投票後に2位以下のゲームも検討する、とコメントされましたが、カップリングで発売されたのは、この2作のみでした。
ちなみに虫姫さまと大復活はXbox360のパッケージで発売され、怒首領蜂はインスタントブレインにオマケ収録されています。
ケツイもまた、5pb社からXbox360やPS3のパッケージで発売され、曰くつきの事件で失った名誉を挽回する事となるのです。
3/5 Xbox360より古いハードで発売されたゲーム
エスプガルーダ(9位、PS2)、鋳薔薇(10位、PS2)
両者ともオリジナルから程なくしてPS2に移植された物の、今の現行ハードで遊べない点は、ケツイ等とは対極的と言えます。
なお、虫姫さまもPS2版が出ている他、Vitaで遊べる首領蜂と怒首領蜂も元はPS1版です。
ちなみに曰くつきの事件の犠牲となった怒首領蜂大往生も、PS2版が高い評価と売上を記録しましたが現行ハードで遊べません。
このように虫姫さまを除き、PS2で出たゲームが現行ハードで遊べない逆転現象が起きており、早期の解消が望まれます。
4/5 未だ家庭用に移植されていないゲーム
エスプレイド(2位)、プロギアの嵐(4位)、怒首領蜂II、パズル!!虫姫たま、魚ポコ(圏外)
魚ポコと虫姫たまを除いて他社が版権を持っており、高い知名度と裏腹に移植は絶望的とされています。
特に、怒首領蜂IIはケイブのライセンス提供でIGS開発、日本ではカプコン発売なので、権利関係は複雑と思われます。
カプコンと言えば投票前に、プロギアの嵐は無理、と断言されました。これと別に、カプコンで実施された総選挙で1位となりました。
ぐわんげとエスプレイドの版権はアトラス持ちとされますが、一方でケイブの公式サイトに掲載されており、真相は不明です。
エスプレイドが日本で最も票を集めていた、とされるにも関わらず、惜しくも1位を逃した点はレビューで述べた通りです。
仮に、これら、特にプロギアの嵐や怒首領蜂IIが1位になった所で、本当に配信する気だったのか、知る由もありません。
5/5 番外編
デリソバデラックス(圏外)
TBS系列「東京フレンドパーク」の同名のアトラクションのゲーム化で、セガサターン専用の非売品です。ケイブが開発しました。
なぜ投票しようと思ったのか。なぜ投票を受け付けたのか。なぜ載せたのか。そしてTBSは、この事を知っているのか。
全ては謎に包まれています。ある意味、プロギアの嵐や怒首領蜂IIなど、デリソバデラックスの前では赤子同然です。
長くなりましたが、以上で紹介を終えます。そう言えば当時、どのゲームが出て欲しいか語り合ったっけなぁ。懐かしいです。
↓なかなか新記録を更新できないです。
本サイトにおける、ぐわんげオリジナル攻略の目次です。
・エスプガルーダ
ファンタジーの世界観が目を引く縦シューです。専用のリソースで敵弾のスロー化や消去が出来、ぐわんげの完成系と言えます。
・源平討魔伝
純和風の世界観が目を引く横スクロールアクションです。伝奇モノの様な話といい、ぐわんげに与えた影響の程が伺えます。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
「ロケテストもどき」とは本サイトにおいて、ゲリラ的に期間限定で制作途中のコンテンツを公開する事です。
中旬には正式公開できる進み具合でしたが、念には念を入れてロケテストもどきを2回して例年通り、大晦日に正式公開です。
普通ここで本サイトの制作秘話を書きますが、余りに長くなり過ぎたので思い出話に移しました。
今回より、最初に「本レビューで対象とする精通度」というのを明示する事としました。
これは、どれだけタイトルやジャンルに精通していれば、滞りなくレビューを読めるか、を表しています。
ぐわんげを例に挙げると、今のところ下記の6通りに分けていますが、タイトルやジャンルによって変わる場合もあります。
(星5)ぐわんげに精通ただ、これも微妙です。星3だからってスマホゲームに精通しているとは限らず、星の内容が完全に逆転する事もあるでしょう。
本レビューでも星4ですがゴ魔乙がある以上、星1〜2に配慮して方向キーの注釈を、そのまま残しています。
今後、誰に向けて書くかは、コンテンツの性質も考えた上で、じっくり考えていきます。もちろん可能な限りクオリティも維持します。
基本的にガレッガのレビューを下敷きとしましたが、予想以上にハマった箇所もあって驚きました。
井上淳哉氏に纏わる話は、氏のWebアーカイブ等を元に書きました。原文は個人を特定せず、戦車「だせ」と書かれたのですよ。
投票結果は旧サイト時代から4〜5年も温めており、必ず本レビューで公開する気でいました。
当初は表テーブルを用いて6/10で載せる予定でしたが、スマホでのレイアウトや注釈を考慮した結果、今の形に落ち着きました。
段階式攻略法のリンク追加に合わせ、注釈の方針と画像サイズを除き今のスタイルに更新しました。
一時期は画像の表示領域も拡大しましたが、わざわざ小さいサイズを無理やり拡大する事に疑問を感じ、やめました。
ついでに、せっかくなので、旧サイト時代に未完成のまま、お蔵入りとなったバージョンを編集し、載せました。
未完成な点を差し引いても今とは全くスタイルが異なる上、完全にPCに特化したレイアウトにつき見辛さは、ご容赦ください。
2019/11/16 「ぐわんげ 段階式攻略法」へのリンクを追加
2017/12/31 正式公開
2017/12/16〜23 第2回ロケテストもどき実施
2017/11/26〜30 第1回ロケテストもどき実施