鉄拳レボリューション
メーカー | バンダイナムコゲームス |
対応機種 | プレイステーション3 |
ジャンル | 3D対戦格闘 |
鉄拳シリーズは4000万本以上もの累計販売本数を誇る、シェアNo.1の3D格ゲーです。
一方で、その鉄拳とて、とっつき辛さやマンネリ感、そして実力格差という格ゲー全体の課題の克服までには至りません。
特に、タッグ2は開発者も認めるほど重厚長大化してコア層しか付いて来られなくなり、売り上げの低下が深刻化していました。
それとは別に世界規模、特に欧米におけるアーケード市場の衰退により、ゲーセン文化が消えてしまう恐れもありました。
そこで、タッグ2に付いて来れなかった層、並びに欧米に向けて鉄拳の新作を作る事となりました。
その結果、配信から2年で全世界で400万DLを記録する等、タッグ2に付いて来れなかった層の支持を得ることに成功しました。
そのゲームこそ、PS3専用の基本無料ダウンロードゲームとして2013年に配信された「鉄拳レボリューション」です。
鉄レボは2017年1月19日に配信終了しています。また3月20日にサービス終了し、以降プレイ不可能となります。
↓鉄拳7の布石としての使命を全うした重要なタイトルであった。
目次
最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。
それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、末尾が空欄の項目も是非読んで下さい。
鉄レボの概要を解説します。
金が掛かるからこそのゲーセンの魅力を、いかにして鉄レボがCSゲーに持ち込んだか解説します。
鉄レボで用意された強力な技が、いかに初心者の助けとなるか解説します。
鉄レボ独自の育成要素が、いかに鉄拳の原点に立ち戻っているか考察します。
シリーズを重ねるたびに長く複雑化した空中コンボを、鉄レボで少し戻された狙いを考察します。
基本無料となった鉄レボが失った点と、それでもなお光る点を考察します。
これまでの解説を踏まえ、鉄レボがどんなゲームで、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。
文字通り、鉄レボに関する、個人的な思い出話です。
本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。
本ページについての、あとがきです。
ゲーセンとCSゲーの決定的な違いは、1プレイにつき100円を使うか否かです。
同じ100円でもプレイ時間が1分になるか30分になるかは、あなたの腕前に掛かっています。
腕を上げれば上げるほど、調子が良ければ良いほど、勝ち続けられて100円で長く遊べるようになる達成感に充実感。
逆に腕や調子が及ばず、負ければ即ゲームオーバーとなって、余分に100円を入れさせられる緊張感に屈辱感。
これこそがゲーセンの魅力であり、CSゲーには、それが無い、と言われ続けて来ました。
しかし現実問題として、年間およそ500店舗ものペースで閉店する等、もはやゲーセンは身近な存在では無くなっていました。
このままでは、ゲーセンの魅力を味わう機会が損なわれてしまいます。
↓格ゲーの対人戦は特にゲーセンの魅力を引き出したジャンルであった。
そこで、鉄レボではソシャゲの「スタミナ制(注1A)」を参考とする事で、CSゲーにゲーセンの魅力を持ち込んだのです。
(注1A)プレイする度にスタミナを消費し、なくなると専用の有料アイテムを買わない限り一定時間プレイ出来なくなる制度。
具体的には、対CPU戦では1面で負けてゲームオーバーとなろうと、勝ち続けて全面クリアしようと、消費するスタミナは同じです。
さらに、「プレミアムコイン(注1B)」で対人戦に勝てば、使ったプレミアムコインが戻ってくるのです。
(注1B)1枚24〜30円で買えた。スタミナの残りに関係なく対CPU戦も対人戦もプレイ出来、かつ報酬も3倍以上となる。
つまり、鉄レボはスタミナ制とプレミアムコインによって、ゲーセンの魅力を完全に再現した初めてのCSゲーなのです。
確かにCSゲーとしては異質ですが、ゲーセンやソシャゲよりかはプレイや課金への抵抗感が小さい点も事実です。
かくして、鉄レボは鉄拳から離れていた層や初めて触れる層の支持を得て、彼らをコア層ともども鉄拳7へと誘う事となるのです。
↓買えなくなったが、ログインすれば1日3枚もらえる!
鉄拳は他の格ゲーとは異なりガチャプレイであっても、まるで上級者のような華麗な連続技を繰り出して楽しめるゲームです。
ただし、真の上級者となるには、自分だけでなく相手のキャラの技も覚えて対処しなければならない、険しい道を歩む事となります。
そこで、鉄レボで2種類の強力な技を用意する事で、険しい道を少しでも楽に歩んでもらおうとしたのです。
第1の技は、スペシャルアーツです。これは、赤いオーラを纏って一瞬だけ無敵になって強烈な一撃を叩き込む大技です。
いくらガチャプレイで楽しめるといっても、対人戦、それも上級者が相手では勝負になりません。
ポンポン浮かされたり壁際に追い込まれたりして、反撃の余地なく一方的にボコられるのみでした。
いざガードをしようにも、変幻自在に繰り出される多彩な技をガードし切る事など不可能で、やはり反撃の余地はありませんでした。
そこで、スペシャルアーツを用意する事で、上級者が相手でも反撃の余地を見出せるようにしたのです。
タイミングさえ合えば、上・中・下段どの打撃技だろうと投げ技だろうと、かわして返り討ちに出来ます。
よって、ボコボコにされがちな状況でもガード出来なくても、上手くスペシャルアーツを使えば簡単に仕切り直せるのです。
ただ、ガードされたり外したりすると、極めて大きな隙を晒してしまい、確実に手痛い反撃を喰らう、という大きな代償があります。
このため、慣れないうちはスペシャルアーツを連発し、慣れてきたら必要最小限に留める必要があります。
逆に、いかに相手にスペシャルアーツを出させるかを考える必要がある等、従来とはまた違った読み合いを生んだのです。
↓相手の攻撃と、かち合っても一方的に潰せるのだ。
このように、初心者にも反撃の余地を与えたスペシャルアーツですが、一方で駆け引きに水を差す嫌いは否めませんでした。
鉄拳には、多彩な技を上手く使い分けて相手のガードを抉じ開ける楽しさがあり、攻め重視の鉄拳と評されます。
しかし、攻める度に毎回スペシャルアーツで返されるのでは、ガンガン攻め込めずフラストレーションを溜め込みがちです。
確かに外せば隙だらけですが、発動の瞬間は完全に無敵でローリスクであるため、強すぎて大味な嫌いは否めませんでした。
それ故に、逃げ回ってスペシャルアーツ、という戦法を取られると対処が難しく、多少の自粛を強要される事態となったのです。
そうとも知らずスペシャルアーツを的確に使うプレイヤーは嘲笑の対象となる等、必ずしも受け入れられた訳ではありません。
よって、鉄拳7ではコンセプトはそのままに相応のリスクを背負わせる事で、初心者救済と駆け引きの両立を図る事となるのです。
↓従来の主力技がスペシャルアーツとなって弱体化したキャラも。
第2の技は、クリティカルアーツです。これは、青いオーラを纏って繰り出す技です。
他の技との違いは、当たれば一定の確率でクリティカルヒットとなって、より大きなダメージを与えられる点です。
鉄拳がガチャプレイでも楽しめる理由の一つに、技の数が多い点が挙げられます。
ただし、上達を目指すとなると、100以上もの膨大な数の技の中から使える技を探さねばならず、途方もない労力を要しました。
一応、インストカードには、いくつか技が抜粋されていますが、必ずしも使える技とは限らず焼け石に水でした。
そこで、クリティカルアーツを用意する事で、使える技を簡単に探せるようにしたのです。
いずれも威力が高めで、かつ反撃やカウンター狙いに使える早い技、立っている相手に効く下段技。
そして遠めの距離からの奇襲技と、一通りの役割の技が揃っています。
つまり、どの技を使えば良いか分からない初心者でも、まずは最低限これらを覚えれば良いのです。
それに加え、クリティカルアーツは演出も派手なので決めて楽しいし、相手が使ってきても比較的見切りやすいのです。
↓クリティカルヒットの瞬間。こちらは従来と同じ感覚で使える。
以上より、鉄レボはスペシャルアーツとクリティカルアーツによって、初心者の上達を促しています。
大味だの云々は兎も角、 従来の鉄拳で読まねばならなかったラッシュの数を10とすると、鉄レボでは3ほどでOKです。
また、使える技もクリティカルアーツとして用意されているので、多少は使える技を探す労力が減っています。
もちろん、それだけで上級者に勝てる訳では無いのですが、ガチャプレイを卒業しやすくなった点は大きいです。
つまり、相手のラッシュを読んで返り討ちにしたり、派手でカッコイイ技を効果的に繰り出して相手を圧倒したりする快感。
こうした格ゲーの魅力を、より簡単に味わえるようになった事を意味しているのです。
↓上達したければ、まずはコマンド表をチェック!
育成システムもまた、鉄レボならではの要素です。
闘いを重ねてファイトマネーや経験値を一定まで稼ぐことで、3つのパラメーターの何れかを強化できます。
威力を高める「パワー」、体力を高める「タフネス」、そしてクリティカルや「レイジ(注1A)」の発生率を高める「スピリット」です。
(注1A)体力が一定値まで減った時、威力が上がる事。
一見すると鉄拳としては極めて異質なシステムですが、ある意味では鉄拳の原点回帰でもあるのです。
初期の鉄拳は、技の一発一発の威力が非常に大きく、1回の攻撃で5割ほどのダメージもザラでした。
空中コンボ等に至っては、近年の鉄拳からすれば極めてシンプルにも関わらず、7〜8割ものダメージを与える例もありました。
そのため上手くいけば5秒ほどでKO出来て爽快でしたが、シリーズを重ねるごとに一発の威力は抑えられる傾向にありました。
もちろん、それは格ゲーとしての質や奥深さを高めるためですが、昔を知る人には寂しさを感じる面もあるでしょう。
そこで、鉄レボで育成システムという体裁を取る事で、初期の鉄拳を思わせる爽快な威力を取り戻したのです。
まず、パワーを限界まで強化すると威力が約1.5倍となるので、1回の空中コンボで5割のダメージなど序の口です。
その上で、一部ステージで可能な床や壁のブチ抜きも絡めれば7〜8割と、シンプルながら初期の鉄拳なみの威力です。
こんなので瞬殺されるのは嫌だ、と思ったらタフネスの強化で対処できるので安心して下さい。
↓見よ満タンから、この減り!
こうして強化したキャラを格ゲーの対人戦に出せる点について、競技性を重視するコア層から苦言を呈される事もあります。
ただ、ある意味ではコア層にとっても、鉄レボは腕試しの絶好の場なのです。
オンラインの対人戦において、プレイヤーの腕前を示す段位は誰もが初段から始まり、近い段位の相手と対戦できる仕組みです。
ただ、勝率は考慮されないため、時に近い段位なのに腕前も勝率も段違いの相手と対戦する羽目となります。
こうなると、弱い側は実力差に絶望して離れ、強い側は張りが無い所か気まずくなり、お互い不幸でしかありません。
そこで、あえて強化したキャラを対人戦に出させる事で、腕前に差があっても互いに張りのある対戦の提供を図ったのです。
強いコア層ほど必然的に、あまり強化せずともグングン昇格できますが、その度に強化の進んだ相手が立ちはだかります。
いくらコア層とてパラメーター差による大きなハンデを覆す事は容易ではなく、常に張りのある対戦を楽しめる訳です。
逆に、腕前が及ばずとも強化を進めれば、いずれ勝てるようになる可能性があり、モチベーションを高めてくれます。
また、強化方針ひとつ取っても一撃必殺の威力重視、持久戦のタフネス重視、バランス型、果ては無強化の拘り派。
このように同じキャラであってもバリエーションに富んだ対戦風景は、コア層にとっても新鮮でしょう。
↓果たして無強化で、どこまで上がれるのか。
以上より、鉄レボは育成システムにより、初期の鉄拳なみの大きな威力や、実力差を埋めて張りのある対戦をもたらしたのです。
一方で、基本的に先に始めた方が早く強化できるシステムであるため、後から始めた初心者が入り辛くなった嫌いは否めません。
それでも、無理に対人戦をせずとも対CPU戦で、簡単操作でバーンと大技でブッ飛ばす爽快感を味わう事は出来るはずです。
特にパワーを強化するほど威力が上がり、更なる爽快感を味わえます。
近年なぜか忘れられがちな、勝ち負け以外の楽しさ。鉄レボの育成システムは、そうした鉄拳の原点を思い出させてくれるのです。
↓対人戦は対CPU戦に飽きてからでも遅くない。
鉄レボでは意見の分かれやすい空中コンボにおいても、ある程度の先祖返りが試みられています。
具体的には、鉄拳6とタッグ2に存在していた「バウンドコンボ(注1A)」が削除されたため、ほぼ鉄拳5に近い感覚です。
(注1A)空中コンボ中、相手を床に叩きつけてバウンドさせ、更に攻撃できるシステム。
ただ、鉄拳6から存在する床や壁のブチ抜きは残っており追撃も可能なため、長さ的には鉄拳5と鉄拳6の中間、といった所です。
シリーズを重ねるごとに、鉄拳は空中コンボが長くなる傾向にありました。
特に、鉄拳6でバウンドコンボ等が、タッグ2で更に「タッグアサルト(注1B)」が追加された事で、一回りも二回りも長くなったのです。
(注1B)バウンドさせた後、2人がかりで攻撃できるタッグ時のみのシステム。
もちろん空中コンボはガンガン殴る爽快感や読み合いの拙さのカバー等、努力の分だけ成果が出やすい点において魅力的です。
また、あと少しで負けそうになった時、1回の空中コンボで勢いをつけて逆転する高揚感は、ギャラリーにも伝わる程です。
↓一応、一部の技にバウンドコンボの名残あり。
一方で、空中コンボには2つの負の側面があります。
1つ、喰らっている側は、ただ一方的に殴られるのを黙って見ているしかなく不快になりがちである点です。
もう1つ、喰らわせる側も、習得には多大な労力が掛かるし、繰り返すうちに作業的となって飽きてしまう危険性もある点です。
特に、タッグ2では空中コンボの重厚長大化が過ぎたために負の側面が顕著となり、コア層しか付いて来られなくなってしまいました。
状況にもよりますが、下記の通り空中コンボから更に3〜4段階に渡ってボコボコにされる様は、やり過ぎの域に達していたのです。
(1)壁にぶつけられる
(2)バウンドさせられる
(3)タッグアサルトで1人目から攻撃される
(4)2人目から攻撃される
そこで、鉄レボでタッグ制を廃止し、かつバウンドコンボを削除する事で、コア層以外の復帰を呼び掛けたのです。
これによって、下記の通り空中コンボを喰らっても基本的には2段階ほど済み、それなりに労力や長さが軽減されています。
(1)壁にぶつけられる
(2)攻撃される
それはつまり、壁際でボコボコにされる時間が短くなって理不尽さが軽減され、立て直しが楽になった事を意味します。
ただ、まだまだキャラによっては長く難しく、逆にバウンドコンボ肯定派には短く物足りず、どっちつかずの様相を呈したのも事実。
この反省から鉄拳7では「スクリューコンボ(注2A)」を導入し、長めの空中コンボと壁際での立て直しの両立を図る事となるのです。
(注2A)バウンドコンボに近いが、壁際では出来ない点が大きな違い。
↓長さを纏めると、「タッグ2>6>7>鉄レボ>5」か。
以上より、鉄レボは鉄拳から離れていた層や初めて触れる層に向けたタイトルです。
しかし、基本無料であるが故に良くも悪くもシンプルとなった要素が2つ存在します。
第1の要素は、キャラの少なさです。
キャラは全員で29人なので、タッグ2の半分以下の人数しかいない上に、最初に選べるのは、わずか8人です。
残りは基本的にログインやバトルを重ねてポイントを稼ぐ、もしくは1人700円払う事で使えるようになります。
個性的なキャラの多さも売りの鉄拳において、愛用したキャラが居ない、もしくは居たとしても要課金のキャラ格差は致命的です。
鉄拳から離れていた層が鉄レボで復帰しようにも、キャラ格差を前にプレイ意欲を削がれたとしても、無理のない事です。
もちろん、初めて鉄拳に触れる層にとっては、キャラ選びや対策に時間を掛けずに済むため、むしろプラスに作用しています。
最初の8人は扱いやすさに秀でた人気キャラであるため外れを引きにくく、やり込むたびにキャラが増えていく楽しみもあります。
確かにキャラ格差は問題ですが、初めて鉄拳に触れる層に向けて、あえて削除に踏み切った点は英断なのです。
↓課金は、すぐ好きなキャラを使いたい時の最終手段。
第2の要素は、モードの少なさです。本作には、オンライン対戦、対CPU戦、そして練習の3つしか主なモードがありません。
その上に対CPU戦にはシリーズ伝統のエンディングがないので、実質ただの模擬戦と化してしまっています。
練習についても、棒立ちの相手を殴る以外に出来る事は無いため、空中コンボや難しい技の練習くらいにしか役立ちません。
さらに、オンライン対戦が出来る一方で、通常の対戦モードが存在せず、兄弟や友人らと隣り合わせでの対戦も不可能です。
このように、ボリュームがグングン増えていった従来の鉄拳よりもシンプルで、一人で黙々と対戦する以外の遊びに乏しいです。
その代わりに、互いの回線さえ良ければ、オンライン対戦では対CPU戦と、ほぼ遜色ない環境を実現しています。
よって、ボリュームよりも安く快適にオンライン対戦できる環境が欲しい、というニーズには、しっかりと応えていたのです。
↓育成システムにキャラの解禁と、やり込み要素は申し分ない。
鉄レボは、3つの点において鉄拳から離れていた層、及び、初めて鉄拳に触れる層へのアプローチを試みた実験作です。
第1に、基本無料とゲーセンの合わせ技です。
スタミナ制、及び、勝てば戻ってくるプレミアムコインを活かし、CSゲーで初めてゲーセンの魅力を再現した唯一無二のゲームです。
また、キャラやモードを最小限に抑える事で、入り込み易さや対戦環境の充実が図られています。
第2に、初心者向けの強力な技です。
無敵のスペシャルアーツと主力のクリティカルアーツは、読んでブチのめす格ゲーの魅力を初心者に提供しました。
最後に、独自の育成システムです。
格上との実力差を埋める他、パワーを限界まで強化した時の爽快かつハチャメチャな威力は、初期の鉄拳を思わせました。
一方で、スペシャルアーツは強すぎる余り、攻め重視の駆け引きに水を差し、試合展開を大味としていた嫌いは否めませんでした。
また、短くなった空中コンボも、まだまだ初心者には長く難しく、上級者には短く物足りずと、どっちつかずの様相を呈していました。
それでも、鉄レボはタッグ2で取りこぼした新規・復帰ファンや、安く快適にオンライン対戦したい層からの支持を得たのは確かです。
こうして鉄レボで残した成果や課題は鉄拳7に活かされ、オンライン対戦もあって歴代最高の稼ぎを見せる事となるのです。
既にサービス終了しておりプレイ不可能ですが、鉄レボがなければ鉄拳7は存在しなかった、と言えるほど重要なタイトルです。
↓未発売の鉄ストに備えた飛び道具も。
鉄拳シリーズは初代から鉄拳5までの10年間、欠かさずプレイしていました。
しかし、鉄拳5辺りから、かつて程の進化を感じられなくなり、より長くなった空中コンボに付いていけなくなり、徐々に飽きていました。
そして鉄拳6とタッグ2はゲーセンで少しプレイした程度でした。
その頃にはゲーセン離れや格ゲー離れをしていたのを差し引いても、やはりマンネリ感があって長続きしませんでした。
具体的には、鉄拳6はバウンドコンボとかいって、空中コンボが長くなっただけじゃないか、という感じでのめり込めませんでした。
タッグ2に至っては、鉄拳6がタッグになっただけじゃないか、という感じで余計のめり込めず、次第に鉄拳から離れていました。
そんな調子だったので、鉄レボも2ヶ月くらいスルーしていましたが、無料だし、せっかくだから、と思って始めました。
↓もちろん、ボタン配置は自由に設定可能。
最初こそ、愛用のレイ・ウーロンが居なくて戸惑い、さっそく例のキャラ格差の洗礼を受けたものです。
それでも、すぐ割り切って昔使っていた一八をマイキャラとして、一通りCPU戦をこなしてから、意気揚々と対人戦へ参加しました。
初戦は忘れもしない、マーシャル・ロウとの対戦です。最終ラウンドまで粘るも、パラメータ差が決め手となって黒星が付きました。
そこで、今度は適当にパラメータを上げて第2戦に臨むも、今度はパラメータ0の初心者が相手で、あっさりと勝ってしまいました。
嬉しさよりも、空しさや申し訳なさがこみ上げてきた瞬間でした。
これを機に、実力だけで勝ったと胸を張れるように、すぐさま1回だけ無料で使えるパラメータ初期化アイテムを使いました。
そして以後、1200円だけ課金してパラメータ0で戦い続けること1年半、1000勝近く、15段(闘拳)の戦績を収めて今に至ります。
その過程で、実力もパラメータも、ずっと上の猛者とばかり当たって、1〜2段降格するスランプに陥ったことが何度もありました。
それを克服するために考えたのが、事前に試験勉強をすることです。鉄拳なんも関係ねぇ〜、とお思いでしょう。
しかし、確かに学説の通り(?)、確かな手応えがありました。
一通り勉強をした後に鉄拳をプレイすると、そうでない場合と比べて一回り頭が冴えた状態で戦えたのです。
さらに、それまで2〜3割だった勝率も、倍近くにまで上がるケースもあったのです!
こうして、勉強も鉄拳も、大抵は楽しく取り組めるようになったとさ、めでたし、めでたし。お陰様で、合格して資格を取れました。
↓段位(腕前)の近いプレイヤーと戦う設定にも出来る。
その後も1年ほどプレイし続けましたが、PS4やGGXrdを買ってからは、ほとんどプレイしなくなってしまいました。
よって、鉄レボがサービス終了する事も、ネットサーフしている時に、たまたま知ったのです。発表から1ヵ月後の事です。
それで慌ててプレイを再開し、長年パラメーター0でプレイした拘りを捨てて、パワーとスピリットを強化しました。
これまで妙な使命感やプライドのせいで、パワー200の爽快な威力を味わって来なかった事を後悔したものです。
とはいえ、今までは強化しまくったプレイヤーに対し、買っても負けても謎の優越感に浸れて良かったですが。
今度は逆の立場になって、かなり気まずくなったものでした。他の人も、パラメーター0の僕と戦って気まずかったのかなぁ。
個人的には、余った経験値やファイトマネーを初心者の方に献上してプレミアムコインを得られる制度が欲しかったです。
これなら、初心者は直ぐ強化できて、パラメーター0に拘る人は多く対戦できて、ウィンウィンだったと思います。
それが実現不可能でも、パラメーター0なら昇格し易いとか、プレミアムコインを得られやすいとか、見返りが欲しかったです。
何か見返りがあれば、腕試しも兼ねてパラメーター0で戦う人が増えて、初心者も対抗できたでしょうに。まあ今更ですが。
あと、空中コンボも、もう一回り短くしても良かったのでは、と思います。それこそ鉄拳3ぐらいに。
ともあれ、ご多分に漏れず、鉄レボで久々に鉄拳にハマり、後でタッグ2の家庭用も買って、合わせて楽しんでいます。
何より6月1日に出る鉄拳7の家庭用が待ち遠しいです。かくして、まんまとバンナムの策略にハマった僕なのでした。
↓鉄レボオリジナルキャラ「エリザ」の明日も決まった。
・鉄拳7
シリーズ最新作です。鉄レボの大味さを改善し、初心者救済と奥深い駆け引きの両立が図られています。
鉄レボと同じくPS3で基本無料化された、ナムコの名作フライトシューティングです。
鉄レボが消えてもゲーセン魂は不滅なり!そんな方に読んで頂きたいエッセイです。
検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。
鉄拳レボリューションのレビューは旧サイト最後のメインコンテンツです。
それをVGF仕様に修正し、空中コンボの解説を加えただけのバージョンを水面下で作り、2015年頃には、ほぼ完成させていました。
コンテンツの制作が、どうしても間に合わない時に備えて代理として用意していましたが、使われる事なくお蔵入りかと思われました。
ところが、サービス終了を知って、当初のバージョンをベースにしつつも、ほぼ一から作り直し公開する決心をしたのです。
といっても、あれはあれで纏まっていると思うため手を加える余地が少なく、当初の内容を膨らませる程度に終始しました。
それでも育成システムと空中コンボの解説には相当に手を加えており、それなりに苦労しました。
威力に触れる際、カウンター等の倍率を加味した最大威力を計算したかったですが、正確な倍率が分からず断念しました。
あと、育成システムありきの対人戦について、差別化も兼ねて一旦は初心者狩りの温床、と敢えて否定的に書きました。
ただ、読んで気持ちの良い文章とは思えず、結局は少し否定意見を残しつつ当初のバージョンに近い前向きな感じに戻しました。
エリザの飛び道具にも触れれば良かったのかも知れませんが、あまり使っておらず項目数も足りないため、やめておきました。
あと、本ページの公開に合わせて、ゲー募などで実に18つものページにリンクを張る事となり、とても大変な思いをしたものです。
2017/02/14 初公開