タイムクライシス

メーカーナムコ
対応機種プレイステーションほか
ジャンルガンシューティング

 

 

 

 

1/10 撃って隠れろ。

ガンシューティングゲーム(以下「ガンシュー」)というジャンルは、銃で敵を撃つ分かりやすさから、今なお幅広く支持されています。

しかし、それまで発売されたガンシューの多くは「撃たれる前に撃つ」がモットーで、撃てなければ即ダメージという厳しさでした。

そんなガンシューの常識を変えるべく作られたガンシューには、「隠れる」という防御の概念を盛り込まれました。

それは厳しさの緩和に加え、攻撃と防御を使い分けるメリハリと戦略性をも兼ね備えた、全く新しいガンシューの誕生を意味します。

そして2017年現在、ガンシューとしては最も息の長いシリーズとなり、ゲーセンやナムコの定番ガンシューとなりました。

そのガンシューこそ、ナムコがアーケードで1996年にシリーズ第1弾として稼働した「タイムクライシス(以下「タイクラ」)」です。

↓この頃から映画的な演出を意識していた。
 

 

目次

最低限ここだけでも読んで頂きたい項目には「★」、出来れば合わせて読んで頂きたい項目には「☆」が付いています。

それらを読んでもなお飽き足らないのであれば、末尾が空欄の項目も是非読んで下さい。

1.撃って隠れろ。

タイクラの概要、並びに、タイクラが出る前のガンシューティングを取り巻く状況について解説します。

2.「隠れる」ことの優しさと一体感 ★

「隠れる」ことが、いかに従来のガンシューとは一線を画す、とっつき易さを生み出しているか解説します。

3.初代タイクラの難しさ ★

タイクラ2以降にはない、初代タイクラ独自の難しさを一般的な視線から解説します。

4.難しさ故の魅力 ★

初代タイクラ独自の難しさを、いかに2以降とは違った魅力を生み出しているか、という異なる視線から考察します。

5.タイムアタックの楽しさ ★

1秒でも早いクリアタイムを競うコツや魅力について解説します。

6.家庭用について ☆

PS版の追加要素や「ガンコン」について解説します。

7.まとめ ★

これまでの解説を踏まえ、タイクラがどんなゲームで、どんな良さがあって、どんな方に向いているかを解説します。

8.思い出話

文字通り、タイクラに関する、個人的な思い出話です。

9.こちらもあわせてどうぞ

本ページと何かしらの関連性や共通点を持つコンテンツを3つ紹介します。あと掲示板もどうぞ。

10.最後に

本ページについての、あとがきです。

 

2/10 「隠れる」ことの優しさと一体感 ★

冒頭でも述べたとおり、従来のガンシューのほとんどは「撃たれる前に撃つ」がモットーです。

↓このバズーカ兵をすぐ撃てなければ即ダメージ。従来なら。
 

具体的には敵の出現パターン、つまり敵が出てくる場所やタイミングを覚え、出てきた敵を正しい順番で素早く、かつ正確に撃たなければなりません。

また、正義の味方たるもの、撃ってくださいと言わんばかりに不意に現れる民間人を、決して撃ってはなりません。

それが出来なかったが最後、あなたはダメージを受けます。

↓この車に即刻6発撃てなければ即ダメージ。従来なら。
 

つまり、敵の発見が遅れればダメージ、敵を撃ち損ねればダメージ、先に倒す敵を間違えればダメージと、常に死と隣り合わせです。

それとは別に、ガンシューにおいてプレイヤーが1度に撃てる弾数は限られており、続けて撃つにはリロードする必要があります。

ただ、そのリロードには「画面外を撃つor向ける」という方法が大半で、不自然な上にリロード後に再び銃口を素早く元に戻す手間を強いられます。

そんな戦場を生き延びる=ゲームクリアには記憶力、反射神経、そして射撃のセンスを磨くのみ、という厳しい作風が、ガンシューの常識でした。

↓赤兵を先に撃てなければ即ダメージ。従来なら。
 

そんな常識を覆すタイクラの動作こそが、「隠れる」です。これは、ガンコンのAボタンを放すことで、攻撃できない代わりに完全無敵となる動作です。

つまり、タイクラなら上記3パターンのような、撃ち損ねて従来ならばダメージ必至の状況に陥っても、すぐ隠れればダメージを受けずに済む訳です。

そのような緊急回避はもちろん、いったん隠れて敵の攻撃をやり過ごして反撃、という安全を重視した戦法を取ることも出来る等、格段にとっつき易くなっています。

また、隠れる動作はリロードも兼ねているため、従来と違っていちいち銃口を明後日の方向に向ける必要がなくなり、リアリティと快適さも増しています。

↓弾切れで「RELOAD」と出てなくてもリロード可能。
 

リアリティといえば、「隠れる」という動作はアクション映画でもお馴染みであるため、まるで自分が映画の主人公になったかのような一体感をもたらします。

タイクラに夢中になる余り、敵の攻撃を隠れて避ける瞬間、ついつい身体も一緒に動かしてしまった経験は、プレイヤーなら誰もが一度は通る道ではないでしょうか。

この点だけでも、いかにタイクラが従来のガンシューよりも優しく、かつ物語に没入できる一体感を持っているかが、お分かり頂けたでしょうか。

↓ついでに、戦闘中にひょっこり現れる民間人もいない。
 

 

3/10 初代タイクラの難しさ ★

前項では、タイクラは隠れられるので従来よりも優しい、と書きましたが、では誰でも簡単にクリアできるヌルゲーなのか、という疑問が浮かぶでしょう。

結論から言うと、それは間違いであり、タイクラならではの従来とはまた違った難しさ、それも初代タイクラ独自の難しさもあります。その難しさは2種類あります。

第1の難しさは、時間制限の厳しさです。

タイクラは従来と違って最大60秒までという時間制限があり、残り時間が0になるとそれまで全くダメージを受けていなくても即ゲームオーバーとなります。

その残り時間を増やす手段は、ただ一つ。その場の敵を全滅させることのみです。全滅させれば残り時間が少し増え、次のエリアへ移動します。

ただ、それでも完全に増える訳ではない上に、次のエリアへの移動中にも大体2〜3秒は減ります。

そのため、安全だからといってあまり隠れすぎていると、あっという間に残り時間が危うくなるので、時にはダメージ覚悟で思い切って敵を倒しにいく大胆さも求められる訳です。

↓一瞬だけ出る黄色兵を倒すと残り時間が大きく増える。
 

この大胆さを発揮するのに大きな障害となるのが第2の難しさ、「命中弾」の分かり辛さです。

タイクラでは、バズーカや手榴弾、そして切り裂きなどの分かりやすい攻撃の他に、命中弾と呼ばれる銃弾を喰らった時にダメージを受けるようになっています。

逆に言えば、必ず命中弾を撃つ赤兵を除き、敵が撃ってくるピストルやマシンガンの大半はただの飾りであり、命中弾さえ避けられればダメージを受けることはありません。

それが出来れば苦労はしないのですが、残念なことにタイクラでは命中弾も、そうでない飾り弾も、見かけは全く同じであるため、命中弾か否かを判別することが出来ないのです。

そのため、毎回同じようにプレイしているのに、敵に命中弾を撃たれたり撃たれなかったりして運にも左右される等、やや大味な嫌いは否めません。

これら2種類の難しさは続編のタイクラ2からは、より優しくする方向で改善され、より大きな支持を得ることとなります。

↓ごく、たま〜に命中弾を撃つ青兵こそ最強の敵。
 

 

4/10 難しさ故の魅力 ★

2が出てからも、いやむしろ2が出たからこそ、前項で述べた初代タイクラ独自の難しさはシリーズファンからも煙たがられがちです。

確かに難しいし大味ですが、個人的には、ストーリーや設定的にも、ゲームのコンセプト的にも、これらの難しさ故に2以降とはまた違った魅力がある、と考えています。

まずはストーリーや設定から考察します。

冷静に考えれば、命中弾だけが赤く光る、などという都合の良いことが起こる方がおかしいのです。赤く光ることに納得のいく設定もないですしね。

何より、時間制限の厳しさは初代タイクラのストーリーに則って考えると、極めて筋が通っているのもまた事実です。下記の起承転結は、ストーリーを要約したものです。

(1)テロリストが国の大統領令嬢を誘拐
(2)テロリスト「日没までに軍の機密ファイルを渡さねば娘の命はない」
(3)国「ファイルも娘の命も渡さない。諜報機関お願いします!」
(4)諜報機関、主人公リチャードに出動を要請

要は、日没までに何としてもテロリストを制圧し、令嬢を救出しなければならない、という正にタイトル通り時間の危機―――time crisisなストーリーなのです。

そして、ゲーム中の時間帯は夕方、すなわち日没寸前である点もまた、急いで救出に向かわねば、という危機感をプレイヤーに煽っている訳です。

このようなストーリー故に、「時間切れ=令嬢の死」を意味すると解釈すれば、初代タイクラの時間制限の厳しさにも納得がいくのではないでしょうか。

ちなみに、2以降は、初代ほど時間の危機が迫ったストーリーにはなっていない点からも、命中弾はともかくストーリーとゲームのルールを絡めた芸の細かさが伺えます。

↓他にも時計が進む瞬間を見るシーンもある。
 

続いてゲームのコンセプトから考察します。

これらの難しさがあるからこそ、いかに場面ごとの時間の掛け方を決めていくか、という独自のメリハリや戦略性が生まれているのも事実です。

具体的には、敵の攻撃が激しい場面では時間をかけて慎重に敵を倒し、そうでない場面では素早く倒していくことを考えていく楽しさがあります。

また、難しい難しいといっても、普通にクリアする分には、さほど神経質になる必要はない程度です。

例えば敵の出現パターンさえ覚えていれば、敵の攻撃は全て命中弾だと思って、敵から攻撃される度に隠れまくり、止むまで待つプレイでも十分間に合います。

このプレイであれば、敵の攻撃は全て隠れて避けることが前提であるため、命中弾が光ろうと光るまいと大差ないですし、時間切れのスリルまで適度に味わえます。

↓しばらく待てば勝手に敵が逃げていくことも。
 

このプレイで安定してクリアできるようになったら、次はタイムアタックに挑戦することと思われますが、そこで命中弾が見えない、という難しさが活きてくる訳です。

タイムアタックには出来る限り素早く敵を倒す必要がある以上、自然と隠れる時間や回数を減らすプレイになり、それだけ命中弾を喰らうリスクが生じます。

この時に命中弾が見えないので、上達しても、いやむしろ上達したからこそ油断できない、常に死と隣り合わせの緊張感を味わえるようになるのです。

時に容赦なくプレイヤーに牙をむく、この難しさに音を上げたくなるのも無理はありませんが、運を味方につけて好成績を叩き出せた時の達成感は、この上なく別格です。

以上より、初代タイクラの難しさには確かに理不尽さもあるので、不評がちである点も理解できます。

それでも、リアリティを際立たせる説得力、攻略のメリハリと戦略性、そして際立つ緊張感など、2以降とはまた違った魅力がある点は、評価されて然るべきではないでしょうか。

↓移動中にも時間が減るハラハラ感が、たまらない。
 

 

5/10 タイムアタックの楽しさ ★

初代タイクラは2以降とは異なりスコアの概念がなく、成績の良し悪しはゲームをクリアするまでの早さのみで決まります。

早くクリアする主な手段は、敵の頭部を瞬時に撃つこと。至ってシンプルです。

なぜ頭部かというと、撃ってから敵が完全に消滅するまでの時間が最も短く、それだけ早くクリア出来るようになるためです。

一応、間違って頭部でなく消滅に時間の掛かる手足や胴体を撃ってしまっても、同じ敵に2〜3発の追い撃ちをかけて、頭部なみに消滅を早める事も出来ます。

ただ、前項でも述べた通り、早く敵を倒すにはリロード回数=撃つ回数を最小限に減らす必要があるため、下手な追い撃ちは逆効果にもなりかねません。

そこで頭部を撃てれば、追い撃ちで2〜3発かかるところ1発で済むため、余計なリロードを減らせる意味でも、タイムの短縮が見込める訳です。

↓追い撃ちが難しく一発必中が求められる場面も少なくない。
 

単に頭部を撃つ以外にも、ヘリなど硬い敵に対する連射や手榴弾の射撃、そして青兵に命中弾を撃たれない幸運など、様々な要因にタイムは大きく左右されます。

また、使い所さえ間違えなければ追い撃ちによるタイム短縮の効果は大きく、人によっては頭部に拘らずに素早い3点バーストで追い撃ちをかけた方が早いかも知れません。

さらに、なるべくリロードを減らした方が良いといっても、それでダメージを受けては余計に時間が掛かってしまうため、時には素直に隠れた方が短時間で済む事もあります。

このように、初代タイクラにはシンプルかつ様々なアプローチでタイムアタックに挑めるだけの奥深さがあり、2以降のスコア稼ぎとはまた違った魅力があります。

ついでに、初代にはステージを1つだけ選んでプレイできるタイムアタックモードがあるため、より熱く手軽にタイムアタックに鎬を削ることが出来ます。

↓タイムアタックモードには、ライフ無制限という利点もある。
 

 

6/10 家庭用について ☆

翌年の1997年に発売されたPS版は、アーケード版の忠実な移植に加え、全く新しいストーリーやステージの「スペシャル」モードがあります。

スペシャルには条件付きのルート分岐があるため、腕前や知識を磨くたびに通れるステージが増えていく充実感がたまりません。

また、簡単なルートであればアーケードよりも易しい難易度設定であるため、より多くの方にとってオールクリアの達成感を味わうきっかけにもなる、楽しいモードです。

↓ルートによっては、あえて時間まで待つ必要があるのはご愛嬌。
 

もちろんメモリーカードにも対応しており、全てのモードで記録の保存が出来るため、より末永く己の限界に挑めるようになった訳です。

ですが、起動後に毎回オプションでロードやセーブをしなければならない点や、スペシャルの進行状況は保存できない点には注意しましょう。

↓パネルを撃って選ぶ点も不便。
 

スペシャルを含むタイクラの楽しさを家庭でも味わうための必須アイテムとして、「ガンコン」という銃型コントローラも、当初はソフトに同梱されていました。

このガンコンは、ボタンの位置が銃口近くであるため、タイクラのプレイにはショットガンを持つような、不自然な持ち方を余儀なくされる欠点があります。

また、ブローバック機構がない点や撃つたびに画面が白くチカチカする点も辛いですが、コストや騒音、そして当時の技術的限界を考えると已む無し、といった所です。

↓少なくとも、このサイズのピストルをこう添える画像は見当たらない。
 

さらに、ナムコによると、最初期型のPSでなければAVアダプターまたは延長AVケーブルが必要、とのことでした。

ですが、実際はそれらを用意せずとも、ガンコン2と同じくテレビのケーブル差込口にガンコンのプラグを直接差し込めば、問題なく使うことが出来ます。

今から考えると詐欺と言うほかありませんが、上記のガンコン2と同じ方法が最後まで発表されなかったのには、何か大人の事情でもあったのかは不明です。

↓もちろん、ガンコン2の延長ケーブルも流用可能。
 

それでも従来の銃型を上回るとされる命中精度や程良い重さ、そしてタイクラや「ガンバレット」シリーズなどの人気ガンシューに支えられ、一躍トップシェアとなったのです。

ただ、上記の欠点が霞むほどの重大な問題があります。それは、ガンコンの構造やコネクタ的に、液晶テレビやPS3等には使えない点です。

よって、既に生産終了したブラウン管とPS(2)が必要である等、満足にプレイできる環境が限定されてしまっていますが、それ故にソフト、ガンコン共に安く買えるメリットもあります。

↓PS2の高速読み込みや補間処理にも対応。
 

 

7/10 まとめ ★

タイクラは、「隠れる」という防御の要素により、これまで撃つだけで厳しかったガンシューの常識を大きく変えたシリーズです。

攻略法を覚えずとも何とかなる優しさ、メリハリや戦略性、そして映画さながらの一体感において、タイクラの右に出るガンシューは、そう多くはないでしょう。

確かに初代タイクラの時点では時間制限の厳しさや命中弾の見分け辛さ、そしてタイムアタックのみの成績基準など、2以降と比べると遊び辛い面もあります。

しかし、それ故に独自のリアリティや緊張感、そして手軽さなど、2以降とはまた違った魅力を持っているのも事実です。

また、家庭用はプレイ環境こそ限定的ですが、ボリュームたっぷりのスペシャルモードの追加により、コストパフォーマンスにも優れています。

以上より、初代タイクラはアクション映画の主人公気分を味わいたいシリーズの原点を知りたい手軽に己を高めたい、という方にオススメです。

↓西洋的な世界観もまた、初代ならでは。
 

 

8/10 思い出話

当時小学生であった僕が初めてタイクラをプレイした場所は、近所にオープンしたばかりの本とゲームの複合店「いまじん」の試遊台です。

いまじんはサイゼリヤの目と鼻の先ほどの距離であったため、当時は家族でサイゼで食べて、すぐ兄弟でいまじんへ走ってゲーム、というのが楽しみでした。

また、当時の僕はナムコ大好き少年でもあったため、オープンしたての店でタダで遊べるナムコのニューゲームであったタイクラに心惹かれないはずがありません。

しばらくは家族つきで遊んでいましたが、あまりにも初代タイクラに心惹かれてしまった僕は、未だに家族間で語り草となるほどの、とんでもない行動に出たのであります。

それは、雨の降る夜、一人でいまじんへ行ったことです。

そのとき僕は、ただタイクラを遊ぶことだけを考えていましたので、事の重大さなど知る由もありませんでした。

そして、いまじんにて見ず知らずのカップルに腕前とドヤ顔を披露する、なんて恥ずかしい事もして、満面の笑みでいまじんを後にし、家まであと少しまで歩いて来た、その時です。

何と、僕の母親が傘を差して、深刻な表情で僕を探しているではありませんか。しかも、クラスメートの家族まで巻き込んでの大捜索であった、というではありませんか。

その後、家で家族全員からド叱られたのは言うまでもありません。

こんな時間までどこ行ってたんだ!!○○ちゃん家に行ってたのか?え、なに、いまじん!?そこで「ACTION!」とか言いながら遊んでたの?私らが心配して必死で探してる間に?

さすがに、それ以降は一人でいまじんへ、なんて暴挙に出るのはやめました。

↓攻撃態勢の取り方が分からず「ええ〜!?」と思ったのは内緒。
 

それでも僕のタイクラ愛は留まる所を知らず、かといって親としてはホイホイとガンコンつきで高めのゲームなど買う訳にもいかず。

途方に暮れていた所、兄の友達からガンコンごと貸してもらえることとなり、遂にいまじんへ行かずともタイクラをプレイできるようになったのです。

先ほど、腕前がどうこうと書きましたが、当時はガンコンの照準や隠れることの重大さには全く気付かず、敵1人につき6発全てぶち込むプレイスタイルでした。

なので、当時の腕前は、お察しの通りです。コンティニューしまくった上で、スペシャルのB-Cルートをクリアするのが精一杯で、アーケードは2-2が限界でした。

それでもプレイしていて実に面白かったし、ガンコンの光沢で白く輝く「namco」の5文字を眺めては「かっこええ〜」とウットリしたものです。

ですが、現実は非情です。だいたい1か月ぐらいで返すこととなり、以後貸してもらえる機会はありませんでした。

その後はガンバァールと一緒にガンコンを2丁買ってもらえたものの、初代タイクラまで買ってもらう事は叶わず、実に8年もの年月が流れたのです。

↓Aルートのカジノへ行くのが夢でした。
 

時は2005年、中学生となった僕の友人間では、ゲーセンのタイクラ3やハウスオブザデッド3などのガンシューが流行っていました。

それを通して家でもガンシューをプレイしたくなり、また初代タイクラも懐かしくなりましたが、家の初代PSはとっくに壊れた挙句に行方不明となっていました。

PS2で公式に使うには前述の通り、AVアダプタ等が必要だと思い込まされていたため、泣く泣くガンバァールを純正パッドでプレイする日々が続くばかりでした。

それでもPS2でガンコンを使いたい一心で、ダメ元でガンコン2の接続方法をヒントに、テレビの端子にケーブルを直接つないで、照準を合わせてテレビを撃ってみたところ…。

なんと照準マーカーが現れたのです。つまり、AVアダプタ等がなくても普通にガンコンを使えることを確認した僕は、一人でハッキョーセットばりに狂喜乱舞しておりました。

もちろん、すぐに初代タイクラを980円で買いました。ただし廉価版を。その時、通常版が売っていなかったとはいえ、今でも心残りです。

それはさておき、8年の間に色んなガンシューで腕を磨いてきたし、照準だって合わせられる。もう僕は、あの時とは違う。初代タイクラだってクリアしてやる!

そう意気込んで、あまりの懐かしさに感慨にふけりながらプレイした結果、やっぱり小学生時代と同じく2-2で躓いてしまったのです。…あれ?

↓この辺から赤兵の出方が嫌らしくなってくる。
 

何故だ、と振り返った結果、敵1人に6発も撃つのが無駄だし、赤兵を真っ先に仕留められていないし、仕留め損ねた時に隠れられていないし、わんさかわんさか…。

いかに自分のプレイスタイルが穴ぼこだらけかを痛感した僕は、敵1人あたり3発以内に抑え、かつ赤兵対策を入念に行いました。

その甲斐あって、どうにか最初の壁であった2-2を越せましたが、その後も初見殺しのナイフ兵が驚異の2ボス、残り時間がカツカツの3面、運任せのラスボスと、苦難は続くばかり。

気まぐれな青兵にも調子を狂わされることもザラでしたが、猛練習の末に、とうとうラスボスを追い詰めるに至りました。

そして、最後の悪あがきとばかりに飛び蹴りを仕掛けてきたラスボスに、冷静に最後の一発を放ち…。遂に初代タイクラのワンコインクリアを達成したのでした。

↓実は一番攻略に手を焼いたのは、ここ。
 

その後もスペシャルの全ルートクリアや、更なるタイムの更新も果たし、レビューや攻略記事まで作るなど、やり込みは留まる所を知りません。

タイムといえば、アーケードの自己ベストであった12:00:13を実に10年近くも超えられずにおり、もうこれ以上の更新は無理かな、と諦めムードとなっていました。

ところが、今年に入ってからタイクラ2などでガンシュー熱が再燃したせいか、何と4度もその記録を超すことが出来、11:48:56まで縮めるに至ったのです。

長くなりましたが、確かにゲームとしてのクオリティは2以降の方が上かも知れません。それでも僕がシリーズで最も思い入れの深いタイクラは、この初代です。

勝手に一人でどこかへ行って家族を心配させてはいけないことも、時の流れと共に新たな発見があることも、この初代タイクラを通して教わったのですから。

↓10年後もきっと、この記録を超えられるはず。
 

 

9/10 こちらもあわせてどうぞ

・タイムクライシス2

タイクラの2作目です。初代の厳しさの緩和やスピード感あふれる銃撃戦など、別物といえるほどの大幅な進化を遂げています。

・ガンバァール

ナムコのバラエティガンシューティングのシリーズ2作目です。コミカルで、パーティープレイにも耐え得る作風です。

・首領蜂

タイクラと同様、シリーズの第1作目は2作目以降とは別物といえる類のシューティングゲームです。

・VGF掲示板

検索等で来て頂いたついでに、ご意見ご感想などを残して頂けると嬉しいですが、事前に三か条を一読ください。

 

10/10 最後に

初代タイクラのレビューを作るのは今回が初めてではなく、8年以上前の旧サイト時代に一度作ったことがあります。

なので、いまVGFとして作る予定はなく、作るとしても一通り数こなしてからだな、と考えていました。

ただ、タイクラ5の発表があったため、急きょ制作に踏み切りました。

ここの所、リアルで精神的に辛い日々が続き、これまで通り2か月での完成が間に合うか不安でした。本当にギリギリでした。

レビューのコンセプトは2点あります。

1つは、タイクラの「隠れる」恩恵を具体的に書くことです。もう1つは、悪く言われがちな初代の厳しさを別の視点で書くことです。

また、初めはタイムアタック云々には触れず、スペシャルとガンコンにそれぞれ1つずつ項目を設けていました。

しかし、物足りなさを感じたため、今の形に落ち着きました。

画像については、PS2の補間処理の映像とタイムをどうしても見て頂きたく、あえてPS2の480iで収録しています。

また、テレビに同時出力できる環境はウチにはないため、撮影の際にはガンコンでなく純正パッドを使ってプレイしました。

…が、ガンコンよりも遥かに難しく、どうしてもクリア出来ない箇所があったため、初めに想定していた画像を撮れませんでした。

 

ガンバァールへのリンク追加に合わせ、今のスタイルに合わせて1/10を一番初めに持ってきて文章を修正しました。

2017/08/15 「ガンバァール」へのリンクを追加

2015/03/25 「PS2版タイムクライシス2」へのリンクを追加

2014/12/20 初公開

 

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